日別アーカイブ: 2015年3月10日

津波で被災した文化財・標本レスキューの報告書に所員が執筆しました

大津波被災文化財保存修復技術連繋プロジェクト_安定化処理s

明日で東日本大震災から4年が経つことになりますが、震災による津波によって被災した文化財・標本の修復活動についてまとめた報告書が昨年暮れに刊行になりましたのでご紹介します。

『大津波被災文化財保存修復技術連繋プロジェクト 安定化処理』
被災した保存修復技術の構築と専門機関の連携に関するプロジェクト実行委員会
赤沼英男・鈴木まほろ(編)
同実行委員会・(公財)日本博物館協会・ICOM日本委員会(発行)
2014年12月26日発行. 255pp. 210×299mm.
価格:1,500円(税込み)

この報告書では自然史標本も文化財と位置づけられ、さまざまな標本の修復技術についてまとめて紹介されています。このような書籍の刊行は国内では初めてと思われます。この中で、山階鳥研から岩見恭子研究員が、陸前高田市立博物館の鳥類標本の修復について報告しました(166-169ページ)。この修復活動は、三井物産環境基金2011年度東日本大震災復興助成を得ておこなったものです。

本書『大津波被災文化財保存修復技術連繋プロジェクト 安定化処理』は東京国立博物館のミュージアムショップでお求めになれます。

さらに、津波によって被災した標本や文化財の救出および修復活動についての展示が東京国立博物館で、3月15日(日)まで開催されており、上記の活動についてもパネルで紹介されています。

特別展「3.11大津波と文化財の再生」 
東京国立博物館 本館 特別2室・特別4室   開催中~ 2015年3月15日(日)