河川の中流域の河原によく見られるセグロセキレイ。セキレイの仲間は尾を上下に振るのが特徴。そのため「石たたき」とも呼ばれる。鳥の習性をよく見た雅称である。
写真のセグロセキレイが、またおあつらえ向きの石の上に止まっている。重ねられた石は、もしや下村が?
フィールドで鳥の動きをよくみれば、行動パターンが読み取れる。撮影ポイントを決める被写体との駆け引きに必要な情報だ。そこに止まってくれと置いた石にまんまと相手がポーズをとってくれれば、撮影者の思うツボ。と、ここまでは写真を撮ろうとする人ならやりそうな、という想像である。
問題は下村が石を置いた置かないではない。写真のセグロセキレイの尾が、“石をたたいて”微妙に上下に動いているではないか。下村写真の「味」はこんなところにも滲み出る。
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