山岸哲先生の後を受け、本年4月1日に財団法人山階鳥類研究所の所長に就任いたしました林良博です。
我が国は依然として厳しい経済状況にありますが、本研究所が賛助会員の皆様からの温かいご支援によって活動を継続することができますことに、所員を代表して心より御礼申し上げます。このような皆様からのご支援にお応えするには、なによりも研究活動を通して本研究所のプレザンスを高めることであろうと思います。
そのためには、本研究所に所蔵されております7万点の学術標本を活用した多様な研究を推進することが、最初に求められる課題です。すでに5年前から、山岸前所長をはじめとする全所の取り組みによって、所蔵標本のデータベース化が進められ、このたび完成いたしました。今後は、このデータベースも含めた学術標本の活用によって、皆様に納得していただける研究成果を世界に発信することが重要だと認識しております。
本研究所はまた、標識調査など鳥類の保全活動についても大きな貢献を行っております。皆様ご存知のように、鳥類は飛ぶ姿や鳴き声によって親しまれ、人にその存在が認知されやすい動物です。その個体数が減少したとき、人は自然環境の劣化をいち早く感じ取ることができます。このような鳥類の優れた特性を守るためにも、わたしたち山階鳥類研究所の所員一同、取り組みを発展させたいと考えておりますので、更なるご支援を賜りますようお願い申し上げて、所長就任のご挨拶といたします。
(2010年4月)
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