●研究略歴
横浜翠嵐高校、早稲田大学卒.
水産学博士(北海道大学)
a) 1980年代:
(1) 豪州産の外洋性海鳥ハシボソミズナギドリの生態研究を、集団繁殖島、タスマニア大学、洋上、実験室で行ない、大量死発生メカニズムを解明して博士号を取得(具体的には、大量死鳥の齢、親の給餌と雛の成長、日本-アメリカ航行貨物船研究便乗での洋上分布と渡り経路、異なる餌生物への雛の消化能、脂質・蛋白質などの栄養状態の齢別、季節別変動について研究)
(2) 日本産海鳥オオミズナギドリの生態研究
(3) 手賀沼の水鳥の研究(具体的には、高度経済成長期の集水域の土地利用の変化が、水汚染の激化と餌生物を消失させ、潜水鴨と表面採食鴨の存在基盤を奪い、渡来総数も往年の10分の1以下に減少したことを解明)。手賀沼周辺住民意識、古利根沼生態調査も担当。
b) 1990年代: (1) 潜水鴨の研究。(具体的には、中海・宍道湖で越冬する海鴨類の剖検と栄養状態の研究から、同種の海鴨が消化器官の制約で隣接湖沼を行き来せず、生態隔離して越冬する可能性が高いことを発見) (2) 油汚染が海鳥に及ぼす影響。(具体的には、ナホトカ号沈没重油流出事故で油汚染が海鳥に及ぼす影響を総合的に研究。リハビリ後に放鳥した油汚染鳥のその後の生残、世界の海鳥の油汚染実態、油汚染の鳥体への影響、海鳥の栄養状態からみた油汚染死発生プロセスなどを明らかにする)。
c) 2001年以降:前述。
●趣味
ガーデニング、水遊び、科学エッセー書き
●コメント 鳥学ジャーナル・山階鳥類研究所研究報告の編集を、2003年の春号から豪腕な山岸哲所長へバトンタッチし、肩の荷が下りホッとしています。最後に編集した創刊50周年記念号は、総頁257頁の装丁で刊行しました。紀宮さまの皇居のカワセミ論文など、所員の論文を中心に、興味深い論文が山盛りです。遠くは、イスラエル、豪州からも研究論文が寄稿されました。購読ご希望は事務局へお問い合わせ下さい。
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