Ogawa Minori
受入番号 OM26
タイトル 書簡 飯島魁→小川三紀
1905
形態

東京帝国大学理科大学動物学科教授飯島魁博士から小川三紀に宛てた校正原稿『Notes on Mr. Alan Owston's collection of birds from the islands lying between Kiusyu and Formosa』(OM25)に同封されていた書簡。内容についていくつかの指示が記されている。欄外上には、【鳥便り 明治38年5月30日】の印。欄外左には鉛筆書きで、図版に色をつけるために現物が必要なので Nannocnus ijimaiとPicus owstoniの標本を至急郵送してほしい、という内容の一文が書かれている。これに関しては、動物学雑誌第17巻(1905)に、これら2種の図版がそれぞれ以下のように掲載されている。

・動物學雑誌第十七巻第八版 Picus owstoni n. sp. ♀and♂  (pp.268-269の間)

・動物學雑誌第十七巻第九版 Nannocnus ijimai n. sp. Adult♂  (pp.300-301の間)

これらより、本書簡の欄外に書かれた指示は、これら2つの図版作成のために飯島魁が小川三紀に依頼したものと推測される。なお、この図版についての本文は、動物学雑誌第17巻ではなく第18巻に以下の論題で発表されている。

・1906 琉球「ヨシゴイ」と「オーストンゲラ」 動物学雑誌 18(209):89-91

さらにこの2つの図版は、1905年に小川三紀が発表した以下の論文に新種として掲載した図版と同一である。

・1905 Notes on Mr. Alan Owston’s Collection of Birds from the Islands lying between and Formosa. Annotationes zoologicae Japonenses (日本動物學彙報) 5(4):175-232

【参考】

本資料では「小川三紀 1905 日光山麓西北方面に於ける夏期の鳥界観察  動物学雑誌17巻202・203号」(OM34)を別刷として整理しているが、本別刷中に動物學雑誌第十七巻第九版リュウキュウヨシゴイの図版が挟み込まれていた。これは、両資料が動物學雑誌第十七巻に掲載されていたため、誤って同論文の図版と思い挟み込まれたものであると推測される。



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