このページでは、島に住むクイナが絶滅しやすく、世界でもさまざまの種が絶滅したり、絶滅に危機に瀕していること、またすでに日本で絶滅してしまった島のクイナがいることをご紹介します。
全世界に約130種が生息するクイナ類の中には,大陸から遠く離れた大洋の孤島に分布するものも多くおり,その中には固有種や固有亜種(世界でその島あるいは諸島にしかいない種や亜種)で飛べないものが多くいます。
これらのクイナの仲間は,捕食動物が島の外から導入されると,簡単に捕食されて数を減らし,絶滅してしまいます。表に示したのは島嶼性のクイナ類の絶滅状況です。島嶼のクイナ類の現状は島の生態系の脆弱さをもっとも端的に表しているということができます。
マミジロクイナPoliolimnas cinereusは世界的には東南アジアから太平洋諸島に現在でも広く分布していますが、日本では硫黄列島に固有の亜種が生息していました。1889年に硫黄島でP. A. ホルストがはじめて採集し、1911年にはA. オーストンの採集人が多数採集していますが、その後の確実な記録はなく、この亜種は絶滅したと考えられています。絶滅の原因は不明ですが、湿地の乾燥化やネコによる捕食によるのではないかと言われています。
カラヤンクイナ(仮称)Gallirallus calayanensis.は、フィリピン北部カラヤン島ではじめて確認され、2004年8月に新種として発表された。ヤンバルクイナに近縁とされる。