4.4.4 ドバトの羽色とその地域差
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ドバトの羽色は、地域によってその割合が異なる傾向が予想されたので、各地で観察したドバトの羽色の割合について比較してみた。図4.7は各地のドバトの羽色の割合をまとめたものである。古くからドバトが生息していた神社仏閣、都市部のものは黒胡麻が多く、二引、灰胡麻、有色系(栗系・白・モザイクを総称)の割合が低い。しかし、比較的新しくドバトが定着した地域や農村部では、二引、灰胡麻、有色系が多くみられ、黒胡麻の割合が低い。 4.1でみたようにドバトは、戦前までは神社仏閣等を中心に生息していたが現在では都市部や農耕地で普通にみられている。ドバトが従来の生息地から分散し、分布地を拡大したと考えると、このドバトの羽色の地域差はどのように理解すべきであろうか。 そこで野外で伝書鳩が観察されることが多いことから、伝書鳩の羽色について、雑誌「愛鳩の友」や(社)日本鳩レース協会の飼育個体を材料にして調査を行った。これらの結果は、表4.12に示したが、いずれも二引、灰胡麻、有色系が多い。このことから伝書鳩の羽色は飼育者の意識的な交配(配合)によって、特定の羽色の個体を作り出していると言えよう。定着の歴史が比較的新しいと考えられる地域のドバトの羽色は、伝書鳩の羽色の割合に近似していると言える。 このことは戦前の多くのドバトの羽色が黒胡麻であったことや足環付のドバトが観察されることとを合わせて考えると、伝書鳩の野外定着が、ドバトの分布域拡大や個体数増加の要因となっていると考えられる。 |
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図4.7 ドバトの羽色の地域的差異
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