5.2.1 環境整備
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環境整備はドバト防除の根本的な解決方法であって、これが厳密に実施されていればドバトの繁殖は抑えられる。しかし実際には、環境面で野放しにしている者がドバトの被害を受ける等のごとく、環境整備を行うことがドバトの繁殖を抑え生息場所を奪うことになるという認識が薄いのが現状である。この面での啓蒙が必要と思われる(写真5.1)。 環境整備の例としてはドバトが止まれないような工夫、例えば網や針金でバリヤーを作る、建造物を改造し止まれないようなデザインに改める、建物のアングルのような止まりやすい場所を遮蔽する、餌の供給をやめる、ドバトの餌となりうる原料、製品を取扱う倉庫・工場・集荷ターミナルでの清掃を徹底し食物供給源を絶つ、またこぼれが出ないような荷上げ運送方式に改める(写真5.2)、給水場となっている水溜りを埋める、クーリングタワーにはドバトが入れないように金網を張る等があげられる。 農村部では稲の落ち穂を極力少なくするような収穫法の検討、裏作の実施によって落ち穂をなくし冬の生息数をおさえ春先に被害が出ないようにする、作付面積を広げ、播種を一斉に行いドバトの集中を防ぐ、播種時期をずらして被害時期が集中しないようにする、移植法、まき方等の耕種法の検討等があげられる。 播種時期は、東北地方の大豆被害(キジバトが主)の場合5月10日ごろ播種し5月20日前後に発芽させているが、4月20日ごろに播種すれば被害を受けずにすむ。しかし凍霜害の恐れがある。移植法は、大面積畑の機械植えを極小規模の畑に適用できるがコストの面で問題がある。まき方では関東のつまみ菜栽培の場合、帯状に高密度の播種を行っているが、この密度を極力おさえるよう検討する必要があろう(写真5.3)。 被害は大きくても少数の同一個体による加害である場合は、捕獲も考えるとよい。 環境整備の実施に当っては近隣の協力を得ることはもちろん、都道府県と一体となり組織だった行動をとればより良い効果が期待できるであろう。 伝書鳩飼育者に対しては、管理徹底の面で協力を要請することも必要であろう。農林水産省の調査 6) によれば、都道府県及び市町村の国に対する鳥害防除に関する意見として「飼育バト等に対する対策及び指導」をあげている県に新潟・富山・鳥取・徳島・香川・福岡・熊本の各県があり、現実に都道府県及び市町村で対策を行っている県として千葉・神奈川・福井・佐賀があり、問題が表面化していることがうかがえる。 |
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防除に関する意見
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講じている防除対策
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