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2004年12月28日更新分)
サハリンでハマシギ調査実施

   
今回捕獲したハマシギ雄成鳥(左)と今回のカラーフラッグの装着方法(右)

 動植物の宝庫として知られるロシア、サハリン北東部で6月、繁殖中のハマシギに標識を付ける調査を実施した。サハリンで繁殖するハマシギは生息数が少なく、渡りの経路や越冬地などはほとんど解明されていない。 (山階鳥研NEWS 2004年8月1日号より)
  見つけたらご一報を!
今回サハリンで装着した標識は、左脚上:黄色フラッグ、左脚下:白色フラッグ、右脚:金属足環です。観察された方は、標識研究室にご一報ください。



フィリピンで新種のクイナ発見

(写真提供:D・アレン氏)
 フィリピン北部のバブヤン諸島カラヤン島で新種のクイナ(写真)が発見された。沖縄島に生息するヤンバルクイナに近縁と考えられており、無飛力らしい。ヤンバルクイナの起源を探る上でも重要な発見と考えられる。新種の記載発表にあたっては尾崎標識研究室長らがヤンバルクイナの形態や生態の情報を提供して協力した。
新種のクイナは、イギリスの鳥類研究家デズモンド・アレン氏をはじめとするフィリピンとイギリスの合同調査隊が2004年5月に発見した。学名Gallirallus calayanensis(英名カラヤンレイル)と名付けられ、アジアの鳥類を研究するオリエンタルバードクラブの学術雑誌「フォークテイル」の最新号(8月22日発行)に発表された。(山階鳥研NEWS 2004年9月1日号より)  



中国放鳥の標識鳥 日本での発見あいつぐ
 中国の標識事業で足環をつけられたズグロカモメとミヤマホオジロが日本で確認された。中国でカラーフラッグを付けられたズグロカモメが日本で観察された例などは過去にあるが、捕獲や死体による足環の確認は初めて。近年、中国では標識調査が急速に発展しており、日本の関係者も日中間の渡り鳥の調査の進展に大きな期待を寄せている。
ズグロカモメは、2004年3月に広島県のハヤブサの巣の下で拾得された足についていた足環から判明したもので、2003年6月に遼寧省盤錦市で標識されたものとわかった。ミヤマホオジロは、2004年4月に北海道利尻島で協力調査員の小杉和樹さんによって捕獲され再放鳥されたもので、2003年10月に遼寧省大連市で放鳥されたことがわかった。 (山階鳥研NEWS 2004年9月1日号より)




ウルグアイで国際会議 日本のアホウドリの復活計画について検討
 去る8月23日から27日まで南米ウルグアイのモンテビデオで第3回国際アホウドリ・ミズナギドリ類会議が開催された。山階鳥類研究所からは柿澤亮三副所長と仲村昇研究員が出席し、アメリカ合衆国ほかの関係者とアホウドリの復活計画について検討した。(山階鳥研NEWS 2004年10月1日号より)  




由井岩手県立大学教授に山階賞を贈賞 ヤンバルクイナの保護について活発な討論

秋篠宮殿下から賞状と記念メダルを受け取る由井教授
 山階鳥研は去る9月23日、東京の有楽町朝日ホールで、平成16年度山階芳麿賞贈賞式・受賞記念講演とシンポジウム「沖縄山原に生きる ヤンバルクイナに明日はあるか」を開催した。本年度の受賞者、由井正敏岩手県立大学教授に総裁の秋篠宮殿下から賞状と記念メダルが贈られた。シンポジウムでは、移入種による捕食などで絶滅が心配される沖縄島の固有種ヤンバルクイナの保護について討論が行われた。(山階鳥研NEWS 2004年11月1日号より)  




尾崎標識研究室長、ウェニンガー氏 沖縄で講演
 尾崎標識研究室長と、9月23日の東京でのシンポジウムのために来日したP・ウェニンガー氏(米国グアム水生野生生物資源局)は9月29日に沖縄県国頭村で、それぞれヤンバルクイナの減少の現状と、グアムクイナの保護増殖について講演した。(山階鳥研NEWS 2004年11月1日号より)  




鳥島初寝崎新繁殖地 アホウドリ3番いが産卵

11月12日に産卵が確認された番いの雄。足もとに卵が見える。
 山階鳥研が環境省の委託で絶滅危惧種アホウドリの保護増殖事業(通称「デコイ作戦」)を行っている伊豆鳥島の初寝崎で、アホウドリ3番いにより合計3卵の産卵があった。11月3日より同島に上陸して観察調査している佐藤文男研究員らの調査チームが確認した。初寝崎では、同一のシーズンの3番いの産卵は初めてで、新繁殖地形成にはずみがつくことが期待される。
山岸哲所長は、「デコイを使っての新コロニー創設の、これまでの佐藤研究員を中心とした地道な努力が実って本当に喜ばしい。これで新しいコロニーは今後順調に成長してゆくだろう。環境省も一安心したことと思う。これからは、アホウドリ事業も、燕崎(鳥島内の従来の繁殖地)から初寝崎への『島内コロニー移動』から、鳥島から小笠原諸島への『島間コロニー移動』への新局面を迎えることになるだろう」とコメントしている(山階鳥研NEWS 2004年12月1日号より)

*その後初寝崎では、山階鳥研の調査隊と入れ替わりで入島した、東邦大学の長谷川博教授によって4番いめの産卵が観察されました。


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