4.5.1 都市部の餌環境
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ドバトの分布は、3.1で述べたように餌の供給地との強い結びつきが認められた。餌の供給地は、生産・流通過程で生じる穀物等のある飼料・穀物使用工場、穀物倉庫、穀物取り扱い貨物駅、動物園、食肉センター等と、公園・広場・公道・団地等で餌づけが行われていた場所であった。ここでは、東京・渋谷の餌づけによる餌の量と個体数について述べる。 調査地に播かれた餌は、平日が9.5kg、祭日が19.2kg(4.2.2参照)で、ドバトがすべて採餌した。この餌の重量は、ドバトが1日35g採餌するものとすれば、それぞれ270羽、520羽分に相当し、餌づけによる餌が調査地周辺のドバトの生活を支えている一面を示していた。 この餌場での餌づけは、早朝から日没後まで行われたが、量的には日中から夕刻の時間帯が多い(図4.8、4.9)。また、調査実施日の塒数が260羽程であったことから、この餌場は他の塒の個体も利用しており、周辺に生息しているドバトの重要な餌場になっていると言える。 現在の都市環境は、ドバトにとって好適な餌環境を形成しており、ドバトの生息を可能にさせている。また同時に、こうした餌環境にドバトを集中的に分布させるため、被害発生の要因を自ら作り出していると言える。 |
図4.8 東京・渋谷の餌づけ場所の観察個体数と餌重量 1978年11月17日(平日) |
図4.9 東京・渋谷の餌づけ場所の観察個体数と餌重量 1978年11月23日(祭日) |
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