山階鳥類研究所



(2008年3月1日更新)

これまでの話題はこちら


アホウドリのヒナ10羽を鳥島から小笠原諸島の聟島に移送しました
 
 山階鳥研では、環境省とアメリカ合衆国魚類野生生物局と協力して、アホウドリの小笠原諸島への再導入計画を進めていますが、その一環として、2月19日、伊豆諸島鳥島の燕崎繁殖地からアホウドリのヒナ10羽をヘリコプターで小笠原諸島聟島に移送し、放鳥しました。これから巣立ちまで3ヶ月程度、研究員らが野外での人工飼育にあたります。
小笠原諸島への再導入の背景については、「アホウドリ復活への展望 小笠原諸島への再導入へ」をご覧ください。



獣医師の付き添いのもとヘリコプターで
移送されるヒナ

聟島の飼育場所に置かれるヒナ
   

翌日に初めて給餌を受けるヒナ



トキ野生復帰の集会が開催されました
 
 2007年11月に新潟と東京でそれぞれトキの野生復帰に関するシンポジウムとワークショップが開催されました。それぞれの催しに山階鳥研は実行委員として参加し、山岸哲・山階鳥研所長が実行委員長を務めました。
 シンポジウムに先立って11月23日に東京都内で開催されたワークショップには、トキ野生復帰の関係者や専門家約60名が集まり、活発な議論が交わされました。
また、25日に新潟市内で開催された「トキ野生復帰日中国際シンポジウム」では定員を大幅に超える300人以上が参加しました。
(山階鳥研NEWS 2008年3月号より)


東京のワークショップで発表する
北京林業大学の丁長青氏


鳥類標識調査で感染症媒介生物の実体解明へ

 鳥に寄生するノミ、ダニ、シラミバエなどのいわゆる外部寄生虫は、ヒトにも感染する人畜共通感染症を媒介する節足動物として医学的にも重要視されていますが、日本ではその現状の調査はほとんど行われていません。
 そこで、平成18(2006)年度より厚生労働省科学研究費を受け、国立感染症研究所の岸本壽男ウイルス第一部第五室長を中心として、複数の大学、県立の衛生研究所等の研究者が共同で鳥類やその巣材などに寄生するダニ等の感染症を媒介する節足動物を採集し、それらの媒介動物の情報収集と疫学調査を実施しています。
 その中で山階鳥研は媒介動物の国内実態調査のための外部寄生虫の採集を担当しており、今回は全国の協力調査員の協力のもと、標識調査で捕獲した野鳥から外部寄生虫の採集を行っており、今年度は12月の時点で1700サンプルが得られています。
(山階鳥研NEWS 2008年3月号より)


ダニが寄生したルリビタキ

集まったサンプル

「山階鳥研NEWS」は山階鳥研の活動や鳥の話題を紹介した隔月刊行のニュースレターです。賛助会員にご入会いただいた方にお送りいたします。(賛助会員の入会はこちら
最新号の目次はトップページをご覧ください。



トップページこれまでの話題


Copyright 2002, Yamashina Institute for Ornithology. All rights reserved.