山階鳥類研究所




(2008年9月4日更新)


聟島のアホウドリ ベーリング海へ

 小笠原諸島聟島より巣立ったアホウドリのヒナ10個体のうち、5個体に人工衛星対応の発信器を装着しました。このうち、4個体については、現在もその位置情報が得られています。
 いずれも本州東方海上を北上、北海道から千島列島の東方海上を経て、8月初旬現在、3個体がアリューシャン列島の北側のベーリング海に入っており、1個体はカムチャッカ半島の先端部のオホーツク海に到達しています。
 また、比較のために鳥島で巣立った5個体に装着した発信器のうち4個体から得られている位置情報によると、ほぼ同じ経路で3個体がベーリング海に入っており、1個体がカムチャッカ半島東方のコマンドルスキー諸島付近にいます。
 聟島と鳥島のヒナの巣立ち後の移動状況に大きな違いは見られず、移送と人工飼育により行動が変化した証拠はこれまでのところありません。
(山階鳥研NEWS 2008年9月号より)

↓どちらの画像も、クリックすると大きいサイズが見られます↓

人工衛星で追跡したヒナの軌跡(8月3日現在)

発信器を装着したアホウドリのヒナ
(5月10日撮影)

 小笠原諸島への再導入の背景については、「アホウドリ復活への展望 小笠原諸島への再導入へ」をご覧ください。



北東北地区賛助会員の集い 盛大に開催

 2008年6月5日、秋田キャッスルホテル(秋田)で、北東北地区賛助会員の集いを開催しました。総裁の秋篠宮殿下のご臨席をあおぎ、ご来賓の寺田典城(すけしろ)・秋田知事、佐竹敬久(のりひさ)・秋田市長をはじめ、新規会員を含めた150名を越える参加者がなごやかな親睦のひとときを過ごしました。
 今回の北東北地区の賛助会員の集いは秋田・青森・岩手の3県を対象として行ったもので、開催にあたり世話人の佐藤暢男様、藤原清悦(せいえつ)様、三浦廣巳(ひろき)様、藤井明様、小笠原●(こう:日の下に高)様、鈴木榮一様の皆様にご尽力いただきました。
(山階鳥研NEWS 2008年9月号より)


開会の挨拶をする佐藤暢男・秋田魁新報社 社長

寺田典城・秋田県知事による乾杯



老田野鳥館から標本・図書受入

 
山階鳥研では、6月に岐阜県高山市の老田野鳥館から、標本210点と地方鳥類誌を含む図書資料の寄贈を受けました。
 野鳥館は、高山で酒造会社を経営されてきた故・老田敬吉氏とご子息の老田正夫氏が、野鳥愛護思想の普及啓蒙のために開設していた私立博物館で、このたび閉鎖することとなりました。
 寄贈を受けた標本には研究用の標本剥製、展示用のいわゆる本剥製、巣や卵などがあり、おもに昭和の時代の飛騨地方の鳥類相を示す貴重なコレクションで、現在順次受入れの作業を進めています。
(山階鳥研NEWS 2008年9月号より)


標本を寄贈された老田正夫氏(左から2人目)
標本搬出に伺った山階鳥研スタッフと。





山岸所長が新潟大学特任教授に就任

 山階鳥研の山岸所長は、8月1日付けで新潟大学の特任教授に就任しました。新潟大学では7月に、トキ野生復帰に向けた研究体制の再構築をはかって学部横断的なプロジェクトチームを発足させましたが、山岸所長はこのプロジェクトチームの中核となって、中央省庁やトキの保全・回復を進めている中国・韓国との連携・調整をする役割が期待されています。(山階鳥研NEWS 2008年9月号より)


サントリー世界愛鳥基金 アホウドリの血液分析に助成

 2008年4月8日、東京都千代田区の銀行倶楽部で「公益信託世界愛鳥基金」の第19回活動助成金贈呈式が開催され、「鳥類保護団体への活動助成金部門」では、山階鳥研ほか6団体に助成金が贈られました。
 助成対象となった山階鳥研の活動は「アホウドリの人工飼育を成功させるための基礎生理情報の収集」です。この助成を使い、現在取り組んでいるアホウドリの聟島再導入計画において、ヒナの血液の生化学成分を調べ、ヒナの健康管理のための役立てることができます(山階鳥研NEWS 2008年9月号より)。

   >サントリー愛鳥キャンペーンホームページ


瀬田運営委員長から贈呈書を受け取る島津理事長


鳥のビオソフィア展」にディスプレイデザイン大賞

 日本ディスプレイデザイン協会主催の「ディスプレイデザイン賞2008」のディスプレイデザイン大賞に「鳥のビオソフィア〜山階コレクションへの誘い」(3月15日〜5月18日・東京大学総合研究博物館)が選ばれました。この賞は、国内外の空間環境系デザイン賞を決めるもので、「鳥のビオソフィア展」は871作品の応募の中から選ばれたものです(山階鳥研NEWS 2008年9月号より)。

    >ディスプレイデザイン大賞 プレスリリース



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