4.2.1 ドバトの保護
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ドバトには、「八幡様とハト」・「平和のシンボル」・「愛と優しさ」などが示すように人々によって愛護・保護されてきた歴史がある(1.4参照)。タバコの「ピース」の図柄がハトに変更された話、自衛隊の記章にハトが採用されたこと、記念行事等での伝書鳩の放鳩は人々がハトに種々の期待や願いをこめたあらわれであろう。 一方、戦後狩猟法の施行規則改正の折、ドバトは狩猟鳥に含まれなかったことにより、保護鳥のなかに位置づけられ、その捕獲に当っては特別許可を得ることが必要となり、法律上は他の鳥類と同等の取り扱いをうけている。また、空気銃の禁止は、ドバトの生息環境の安全を保障することにもつながった。 野生鳥獣への給餌活動は、戦後「愛鳥思想」の普及、啓蒙によりさかんになった。ドバトに対しては、給餌活動が国内に紹介される以前から神社仏閣などで餌づけが行われていた。この給餌活動が全国的に広まるにつれて、広園・広場・住宅地等でもドバトへの餌づけが行われるようになり、現在普通にみられるようになった。例えば3.1.3でみた、東京・渋谷のドバト分布調査地の食物供給地はその多くが餌づけを行っている所であった。ドバトが直接人の手から餌を得ている姿は、一面では「愛鳥思想」の普及、人と鳥との触れ合いのあらわれともみることができるが、鳥獣保護のための給餌活動とは本質的に異なる。しかし、ドバトの餌づけは現在でも多くの人々に「愛鳥思想」を育てる初歩的な役割を果しており、餌づけを全く否定するものではない。 |
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