月別アーカイブ: 2012年12月

1月6日放送のNHK『ダーウィンが来た!』(華麗なる海鳥 森の奮闘記)に協力しました

イルカと一緒に泳げる島として有名な、伊豆諸島御蔵島(みくらじま)は、日本近海を中心に東アジアだけで繁殖する、オオミズナギドリという海鳥の世界最大の繁殖地でもあり、その個体数はかつて175〜350万羽と推定されたこともあります。
オオミズナギドリは島で子育てをする間、何日かかけて洋上で餌を採っては、夜間に島に帰り、未明にはまた洋上に餌を採りにでかけてゆきます。夜になると島は鳥たちの帰還でラッシュアワーとなります。この鳥の洋上と島での生態を、NHKがほこる高感度カメラと赤外線カメラでとらえました。
番組制作に、長年に亘りミズナギドリ類を研究してきた山階鳥類研究所の岡奈理子・上席研究員が協力しました。
ダーウィンが来た!生きもの新伝説『華麗なる海鳥 森の奮闘記』
NHK総合・地上デジタル
2013年1月6日(日)19:30〜20:00
オオミズナギドリの繁殖地は日本近海に御蔵島以外にもありますが、すべて離島です。鳥の帰還が夜間であることもあり、今回紹介される光景はなかなか見ることが難しいものでしょう。ぜひご覧ください。
ダーウィンが来た!番組サイトによる次回放送予告はこちらです。
ダーウィンが来た!番組サイトの次回放送「ウラ日記」はこちらです。
※再放送は1月11日(金)午後4時05分~4時36分 の予定です(1月9日追記)
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さて、このブログも今年はこの記事で仕事納めといたします。今年の1月からスタートして、週に1回の更新を目標にしてきましたが、1年間の記事数は59件になりました。時期による疎密はありましたが、おおむね目標のペースは達成できたようです。ご愛読ありがとうございました。また山階鳥類研究所へのご理解とご支援大変ありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。
新年の始業は1月7日(月)からとなりますのでよろしくお願いいたします。それでは皆様よいお年をお迎えください。

広報誌『山階鳥研NEWS』の表紙写真を募集中です!

20127b毎年恒例になりましたが、広報誌『山階鳥研NEWS』の表紙に使用する野鳥生態写真(来年度分)を募集しています。
・印刷物や商業的なウェブサイトに未発表の野鳥生態写真を募集します。
・撮影地(国内外)・日付を問いません。
・季節感のある自然な作品を希望します。
・掲載紙は山階鳥研NEWS 2013年5月号〜2014年3月号(6号分の6点を募集)
・応募は1名2点まででデジタルデータ限定。
・謝礼はありませんが、掲載紙10部を贈呈します。
といった概略です。なお、
・締め切り日(2013年1月31日(木))の時点で賛助会員であることという条件があります。
賛助会員の皆さん、ぜひ力作をご応募ください。また賛助会員でない皆さんはこの機会にご入会いただいて、『山階鳥研NEWS』を飾る写真をご応募ください。よろしくお願いいたします。
『山階鳥研NEWS』表紙写真募集の詳細はこちらです。
『山階鳥研NEWS』についてはこちらです。
「山階鳥類研究所はお役所なんですか?」と聞かれることがありますが、山階鳥類研究所は民間団体で、皆様のご寄付や賛助会費を活動の重要な資金源としてます。賛助会員の申し込み方法はこちらをご覧ください。

12月のテーマトークは「兄弟げんかをやわらげる親の思い〜ウミネコの卵の話」(12月8日(土))です

1212_s山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、12月は下記の要領で今週末です。

巣の中のヒナが兄弟げんかをするとき、ヒナ同士がおなじ日に孵化して同じ大きさか、間隔をあけて孵化して大きさに差があるかによってけんかの激しさが変わってきます。そして孵化日が一斉かずれるかは、親鳥の抱卵行動や卵の特性によってかわってきます。これらのことをカモメの仲間のウミネコで調べた結果を富田直樹・研究員がお話しします。

第20回「兄弟げんかをやわらげる親の思い〜ウミネコの卵の話」
【講師】富田直樹 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】12月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

日本鳥学会100周年記念「鳥類の多様性」〜貴重資料展示、いよいよ残りわずかです!

kahaku_entrance_2日本鳥学会が今年100周年を迎えたことから、山階鳥研では2つの記念展示を共催および後援し、所蔵資料を出展してきましたが、その第2弾「鳥類の多様性〜日本の鳥類研究の歴史と成果〜」(国立科学博物館)が、12月9日(日)までと、残すところあと4日となりました。
このブログでも10月15日にすでに一度お伝えしていますが、この展示には山階鳥研から標本等15点と図書2点を出展しています。今年の2回の展示が30年ぶりの一般公開となったカンムリツクシガモの雌雄の標本のほか、この標本以外には観察、撮影、採集の記録がないという宮古島のミヤコショウビンの標本も出展されています。
kahaku_kimpuカンムリツクシガモは、独立種であることの根拠として今回展示されている標本が役立ったほかに、江戸時代の絵図によってたしかにこういう鳥が過去に生きていたことがわかったわけですが、今回、東京国立博物館所蔵の江戸時代の博物図譜、「観文禽譜」からカンムリツクシガモの図が展示されており、実物の標本と稀な対面をしているのも見逃せないところです。
また、これは山階鳥研の標本ではありませんが、2011年に新種として記載されたオガサワラヒメミズナギドリの日本における第2標本(国立科学博物館所蔵)も展示されていて間近に見ることができます。
kahaku_ostrich展示の全体は、「日本における鳥類研究の歴史」「分類と種多様性の研究」「生態研究」「生物多様性と保全研究」のセクションとトピック展示からなり、日本鳥類学の始まりから、ハイテクを使った現代のさまざまな研究までを紹介しています。
山階鳥研をはじめとする研究機関や博物館の貴重資料を見るとともに、日本鳥類学の現在を概観することのできるこの機会をぜひお見逃しなく。
日本鳥学会100周年記念 鳥類の多様性〜日本の鳥類研究の歴史と成果〜
【会期】2012年10月6日(土)〜12月9日(日)
※休館日は、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
【場所】国立科学博物館
東京都台東区上野公園7-20 Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
【料金】通常の入館料でご覧になれます。
(大人・大学生600円、高校生(高等専門学校生含む)以下 無料)
【主催】国立科学博物館
【後援】日本鳥学会・(公財)山階鳥類研究所
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※画像は上から、カンムリツクシガモが出迎える展示入り口、「観文禽譜」(東京国立博物館所蔵)のカンムリツクシガモの図、最新の系統分類の展示、日長のデータから鳥の位置情報を得るジオロケーターによるブッポウソウの渡り研究の展示です。
国立科学博物館による告知はこちらです。
国立科学博物館のアクセスはこちらです。
「所蔵名品から 世界に3点しかない絶滅鳥カンムリツクシガモ」はこちらです。
海外にあるもう1点のカンムリツクシガモ(第一標本)についてはこちらです。
「所蔵名品から 第17回 空前絶後の1点の標本の謎― ミヤコショウビン)―」はこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

産卵確認!〜アホウドリ再導入を進めている小笠原群島の聟島で

albatross_nhk絶滅危惧種アホウドリの小笠原再導入のため、2008年から2012年まで5年間、伊豆諸島鳥島から小笠原諸島聟島(むこじま)に合計70羽のヒナを移送し、人工飼育によって69羽の巣立ちに成功していましたが、このたび、聟島で、2008年に人工飼育して巣立ったヒナが別の個体と番いになって、産卵があったことが確認されました。
これは山階鳥類研究所とNHKが共同で設置している監視カメラによって確認されたもので、上の画像は11月14日のものです。
報道発表資料はこちらです(2012年12月5日)
アホウドリのヒナを移送して再導入する試みには前例がなく、移送先で繁殖する確証はありませんでしたが、この産卵で、聟島での繁殖地形成の成功に大きな光が見えてきました。
この事業は、聟島に、人間の手助けなしに存続する繁殖地ができることが目標です。多くの皆様のこれまでのご支援に感謝するとともに、引き続きご関心をお寄せいただき、ご支援いただけるようお願いいたします。
2012年5月の聟島での巣立ち終了の記事はこちらです。
2012年2月現在の聟島への人工飼育個体の帰還の記事はこちらです。
2012年2月の鳥島から聟島へのヒナ移送の記事はこちらです。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。