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博物館実習生を受け入れました

資料を保存袋に収納する実習生(左)と鶴見 文化資料ディレクター(右)

山階鳥研は、学芸員資格の取得を目指す学生を対象に、博物館実習生を受け入れています。今年は8月28日から9月1日の5日間、東京農業大学 地域環境科学部の4年生1名が実習を行いました。

今回の実習の主な内容は、図書の整理や、文化資料の登録準備で、鶴見みや古 文化資料ディレクターが指導を担当しました。

山階鳥研は、創設者山階芳麿博士が研究に使用した機材や、鳥学者から寄贈された日本の鳥学の足跡を知ることができるさまざまな文化資料を所蔵しています。今回の実習では、山階芳麿博士が実際に使用していた双眼鏡に登録番号を書いたラベルを付けるといった登録作業、未登録の本や雑誌の整理、昔の写真の汚れを取り、長期保存が可能な透明なポリエチレンの袋に収納するといった保存作業などを行いました。資料整理には慎重さも必要です。場合によっては、物が包まれていた新聞紙、封筒も大切な資料になり得ます。日付や消印からは資料の制作や使用年代、封筒に書かれている住所などの文字情報からは、購入先などさまざまなことがわかる可能性があるからです。今回は細かくて気を遣う作業が多かったですが、山階鳥研には鳥の標本のほかにも「さまざまな資料」があることを知っていただき、鳥の世界が広がった実習であればうれしい限りです。

芝浦⼯業⼤学柏中学⾼等学校と教育連携協定を締結しました

山階鳥研は芝浦⼯業⼤学柏中学⾼等学校(千葉県柏市/中根正義校⻑)と教育連携協定を締結しました。2022年12月8日、山階鳥研で調印式を行い、中根正義校長と小川博所長が協定書に調印しました。

調印した協定書を掲げる中根正義 芝浦⼯業⼤学柏中学⾼等学校校長(左)と小川博 山階鳥研所長

締結した協定は、相互の教育交流を通じ、中学高等学校の生徒の視野を広げ、進路に対する意識及び学習意欲を高めるととも に、中等教育の活性化を図ることを目的とするものです。

山階鳥研としては、地域の教育機関との連携により、質の高い教育の提供や生態系の保全に ともに貢献するとともに、所員が専門家以外に対する科学コミュニケーションの経験を積むこと で研究者として成⻑できることに意義があると考えています。

教育連携に関する事業は以下の通りです。

(1) 講演授業等の実施
(2) 実習の支援
(3) 課題研究の指導
(4) その他、双方が協議し、同意した事項

このことについて、同日、プレスリリースを行いました。プレスリリース(PDF)はこちらをご覧ください。

講演する水田拓 自然誌保全ディレクター(写真提供:芝浦工業大学柏中学高等学校)

連携協定の締結を記念して、同校生徒の皆さんを対象とした第 1 回講演会を 12 月 9 日に 同校グリーンホールにて開催し、山階鳥研の水田拓 自然誌保全ディレクターが「『生物多様性の保全ってなに?』 ー奄美大島のオオトラツグミを例に考えてみようー」と題して講演しました。