投稿者「平岡考」のアーカイブ

ヤンバルクイナが好きな高校3年生が来所しました

尾崎副所長(右)、麗香さん(中央)とお母さん

3月13日、高校3年生の白井麗香さんがお母さんと一緒に来所されました。白井さんはヤンバルクイナが大好きで、高校でヤンバルクイナを研究テーマとして、絶滅危惧種の生態や保護活動及び環境問題について探究する中で、山階鳥類研究所に連絡をいただいたことから、本種を長年研究している尾崎副所長が回答しました。尾崎副所長からは、まず自分でどのように調べるかということをアドバイスし、白井さんがご自分で調べて分からない点については尾崎副所長がお答えしました。

白井さんは今春、東邦大学理学部に入学が決まったそうで、大学でも絶滅危惧種の研究を希望しています。引き続き有意義な研究ができることをお祈りします。

韓国から環境地理学の研究者が来所しました

左から水田 自然誌・保全ディレクター、平岡 広報ディレクター、チェ研究教授、尾崎副所長、仲村研究員

2月3日、韓国科学技術院(KAIST)で環境地理学を専攻するチェ・ミョンエ(崔明愛)研究教授が山階鳥研を訪れました。来訪の目的は、日韓両国の鳥類学者の過去と現在の交流についての情報収集で、山階鳥研の尾崎清明 副所長、水田拓 自然誌・保全ディレクター、仲村昇 研究員、平岡考 広報ディレクターが対応しました。

芝浦⼯業⼤学柏中学⾼等学校と教育連携協定を締結しました

山階鳥研は芝浦⼯業⼤学柏中学⾼等学校(千葉県柏市/中根正義校⻑)と教育連携協定を締結しました。2022年12月8日、山階鳥研で調印式を行い、中根正義校長と小川博所長が協定書に調印しました。

調印した協定書を掲げる中根正義 芝浦⼯業⼤学柏中学⾼等学校校長(左)と小川博 山階鳥研所長

締結した協定は、相互の教育交流を通じ、中学高等学校の生徒の視野を広げ、進路に対する意識及び学習意欲を高めるととも に、中等教育の活性化を図ることを目的とするものです。

山階鳥研としては、地域の教育機関との連携により、質の高い教育の提供や生態系の保全に ともに貢献するとともに、所員が専門家以外に対する科学コミュニケーションの経験を積むこと で研究者として成⻑できることに意義があると考えています。

教育連携に関する事業は以下の通りです。

(1) 講演授業等の実施
(2) 実習の支援
(3) 課題研究の指導
(4) その他、双方が協議し、同意した事項

このことについて、同日、プレスリリースを行いました。プレスリリース(PDF)はこちらをご覧ください。

講演する水田拓 自然誌保全ディレクター(写真提供:芝浦工業大学柏中学高等学校)

連携協定の締結を記念して、同校生徒の皆さんを対象とした第 1 回講演会を 12 月 9 日に 同校グリーンホールにて開催し、山階鳥研の水田拓 自然誌保全ディレクターが「『生物多様性の保全ってなに?』 ー奄美大島のオオトラツグミを例に考えてみようー」と題して講演しました。

8月12日(金)は一斉休業します 

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その2回目を 8月12日(金)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

7月19日(火)は一斉休業します 

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その1回目を 7月19日(火)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

今日、7月5日は山階芳麿博士の誕生日です

山階鳥研の創立者、山階芳麿は、122年前の今日、1900年7月5日に当時の東京市麹町で生まれ、鳥類の研究と保護に一生を捧げました。

戦前にはアジア・太平洋地域の鳥類の分類学に多大な貢献をした山階芳麿でしたが、戦後は鳥類保護に力点を移し、日本の鳥類保護のリーダーとして日本およびアジアの鳥の保全のために尽力しました。コウノトリ、トキなど、絶滅の瀬戸際にあった鳥の保全のため、各地の関係者と連絡を取り、保護への協力を依頼するとともに、自らも現地に出向いて情報収集し、保護対策を提案し、地域社会の理解を得ることに尽力しました。

写真は、1959年5月に、トキの生息地である能登半島に視察に出向いた際の写真です。すでに戦後から極めて少なくなっていたトキはこの頃さらに急減しており、佐渡と能登半島をあわせて10羽あまりまでに減少していました。この時は、山階芳麿は日本野鳥の会会長の中西悟堂と石川県を訪れ、地元の鳥類保護関係者の同行をえて、輪島市洲衛と羽咋市眉丈山の2カ所の生息地を視察しています。そして実際の視察の結果と現地関係者からの聞き取りを踏まえて、伐採の見合わせや一部の水田や用水池を農業生産から切り離してトキのために取り分けること、新聞社が取材のために生息地に入ることを控えること等極めて具体的な保護施策への協力依頼をしました(中西悟堂, 1960「野鳥」25巻1号(通巻199号),  pp. 37-53)。

※写真は、前列左から中西悟堂(日本野鳥の会会長)、山階芳麿、村本義雄(後に日本鳥類保護連盟理事)、熊野正雄(金沢大学教授、日本野鳥の会石川支部長)、松田衛(後に日本野鳥の会石川支部長)、その後ろに高野伸二(山階鳥研)の顔が見えます。

※山階鳥研では、この写真も含め、従来、整理の手が回っていなかった、古い書類、書簡、写真などの資料類の整理に着手しています。

山階鳥研の創立者、山階芳麿の略歴はこちらをご覧ください。

小笠原諸島聟島で、伊豆諸島鳥島から移送して飼育して巣立たせた個体の孫に当たる世代の1羽の孵化が初めて確認されました

聟島で確認されたアホウドリの親(左:足環なし、右:Y75)とヒナ(第 3 世代、矢印)

小笠原諸島聟島で、伊豆諸島鳥島から移送して飼育して巣立たせた個体の孫に当たる世代の1羽の孵化が初めて確認されました。また、別に、移送個体の子の世代のヒナも1羽孵化し、初めて聟島で1シーズンに2羽が孵化しました。

新繁殖地である聟島で複数のヒナが誕生したのは初めてのことです。アホウドリは通常、巣立ち後 3〜5 年で出生地に戻り、つがいを作り、集団で営巣する習性があります。聟島で複数のヒナが誕生したことは、第3世代の誕生に合わせ、安定した新繁殖地の形成に向けて大きな進展となりました。

このことについて、2022年2月1日、東京都ならびに環境省と同時発表の形でリリースを行いました。

http://www.yamashina.or.jp/hp/p_release/p_release.html#20220201  

8月16日(月)は一斉休業します

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その2回目を8月16日(月)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです。

7月21日(水)は一斉休業します

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その1回目を 7月21日(水)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです。

今日、7月5日は山階芳麿博士の誕生日です

※ 東海・関東地方の大雨による災害で亡くなられた皆様にお悔やみ申し上げますとともに、行方不明の皆様が一刻も早く救出されることをお祈り致します。また被災された皆様にお見舞い申し上げます。引き続いて降雨が予想されております。ご無事をお祈りいたします。どうぞお気をつけてお過ごしください。

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山階鳥研の創立者、山階芳麿は、121年前の今日、1900年7月5日に当時の東京市麹町で生まれ、鳥類の研究と保護に一生を捧げました。

戦前にはアジア・太平洋地域の鳥類の分類学に多大な貢献をした山階芳麿でしたが、戦後は鳥類保護に力点を移し、日本の鳥類保護のリーダーとして日本およびアジアの鳥の保全のために尽力しました。その中で、研究、保護を含め、海外の研究者や保護関係者との交流や情報交換も行いました。

写真は、1958年1月に、前年末にバンコクであった国際会議の帰途、日本に立ち寄った、アメリカ合衆国の鳥類研究者ロバート・クシュマン・マーフィ夫妻との東京での記念撮影の1コマです。マーフィ氏は、アメリカ自然史博物館に所属する海鳥研究の大家で、鳥類保護にも熱心に取り組んだ研究者です。アメリカ鳥学会(American Ornithologists’ Union)やナショナル・オーデュボン協会の会長を歴任しました。

山階芳麿は、この時のマーフィ夫妻の来日について書いた記事の中で、氏が海鳥研究の大家である一方で、「アメリカ第一流のコンサベーショニストである」と紹介しています。これに続けて、コンサベーショニストというと「保存する人」といった意味に取れるが、近年はアメリカ合衆国や欧米各国でひとつの特別な意味を持たせるようになってきた、すなわちコンサベーションは、「自然物を大切にし、これを利用する場合には自然のバランスを破壊しないように巧みに永続的にこれを利用する」という意味で、コンサベーショニストはこの実践の普及に努力する人であると解説しています(「野鳥」23巻2号p. 32., 1958)。

こういった海外の研究者や「コンサベーショニスト」との情報交換は、環境破壊や鳥類の減少を目の当たりにして、鳥類保護に取り組んだ山階芳麿自身の活動にも非常に大きな意味があったものと思われます。

※写真は、前列左から、黒田長禮(ながみち)、ロバート・クシュマン・マーフィ、グレース・マーフィ(夫人)。後列左から、鷹司信輔、徳見泰、中西悟堂、コーン中佐、黒田長久、山階芳麿が写っています。

※山階鳥研では、この写真も含め、従来、整理の手が回っていなかった、古い書類、書簡、写真などの資料類の整理に着手しています。