ゴールデンウィークも前半が終わり、今や、野鳥たちが繁殖地に向けて移動をする最盛期です。海辺の干潟では、シギやチドリの仲間たちが、南の越冬地から、極東ロシアやアラスカにむけての旅の途中、栄養補給のために羽を休めています。多くのバードウォッチャーの皆さんが観察のために干潟を訪れることと思います。
干潟を訪れるバードウォッチャーの皆さんにお願いですが、もし足に写真のようなカラーフラッグ等をつけたシギ・チドリ類をご覧になったら、ぜひ写真を撮影されるか、足のどの部位にどんな色彩と形状のフラッグ等をつけていたかを記録していただき、山階鳥類研究所までご報告をお願いいたします。
日本を含めた地域を通過するシギ・チドリ類の渡りルート、東アジア・オーストラリア・フライウェイは、アメリカ(アラスカ)、極東ロシア、中国、韓国、台湾、ニュージーランド等の国や地域が協力して、場所ごとにフラッグの色などの組み合わせを決めて調査されています。
山階鳥研には、この春の渡りのシーズンにもすでに日本各地から観察報告が寄せられており、海外でフラッグ等を装着された個体も見つかっています。
フラッグ等のついたシギ・チドリ類の報告の仕方についてはこちらをご覧ください。
皆様からお寄せいただいた、フラッグ等のシギ・チドリ類の観察データ(放鳥地別、2011年末まで。本年2月更新)はこちらをご覧ください。
「渡り鳥と足環」(足環によって移動や寿命等のデータを得る鳥類標識調査の紹介)ページトップはこちらです。
たくさんのご報告をお待ちしています。
※ 番号を刻んだ金属製の足環が、鳥をもう一度捕まえないと番号が読めないのに対して、こういったプラスチック製のカラーフラッグ(色つきの旗)やカラーリング(色足環)は、双眼鏡や望遠鏡の野外観察で、再度の捕獲なしに識別できます。このため、多くの個体が集まった場所で多くの方が観察する機会の多い水鳥などでは渡り経路の解明に適しており、鳥の体に負担にならない形状と重量に設計されたフラッグ等や足環を用いて調査が実施されています。
※ 画像は2013年4月19日に大阪府泉大津市で撮影されたハマシギです。アラスカのバロー付近でフラッグ等を装着された個体と考えられ、現在詳細を問い合わせ中です。この鳥は少なくとも一回は越冬地まで南下して、現在はふたたびアラスカに向けて北上中と考えられます(三谷一寿さん撮影)。