山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」2021年3月号(No.294)が発行されました。
巻頭は、足環による標識調査やジオロケータなどの調査手法と、近年行われるようになった市民科学の手法を突き合わせて、東アジアの小鳥類の渡り生態の解明を試みる研究について、実際に共同研究者として加わった尾崎副所長が紹介します。
昨年3月に茨城県の海岸で死体拾得されたコアホウドリにはなんとメキシコの足環がつけられていました。この個体が放鳥されたメキシコで本種の研究と保全活動に従事している研究者に、現地のコアホウドリの現状について寄稿してもらいました。(さらに日本に飛来したコアホウドリのニュース記事は6ページに掲載しました)
続いてエッセイを1本。東京芸大大学院の小山晋平さんは、美術解剖学の研究をしながら、山階鳥研でアルバイトとして標本製作に携わっています。小山さんに、美術解剖学と山階鳥研での仕事について書いていただきました。
アホウドリが2種に分けられるという研究は、北海道大学と山階鳥研の研究グループによって昨年11月に発表され、注目を集めました。この研究についての解説記事を5ページに掲載しています。
その他、モーリシャス沿岸で昨年7月に起きた油流出事故の緊急援助隊に、保全研究室の水田室長が参加した話題などを掲載しました。
巻末の「鳥のモニュメント」は、「かもめの水兵さんの歌碑」(神奈川県横浜市)です。また、イベント情報などもお届けしました。(賛助会員で、広報誌を購読してくださっている方々には令和2年度会員名簿もお送りしました。)
「山階鳥研NEWS」2021年3月号(第294号) 目次
1面 表紙写真(ニシオジロビタキ)賛助会員 西村眞一
2面 小鳥類の渡り生態を解明する新たな方法 副所長 上席研究員 尾崎清明
3面 メキシコのグアダルーペ島生物圏保護区におけるコアホウドリの現状 J. C. エルナンデス・モントーヤ 他
4面 美術と解剖 標本製作アルバイトに従事して/所員の著書番外編 東京芸術大学大学院 非常勤講師 小山晋平
5面 アホウドリに2種が含まれることが判明 伊豆諸島の「アホウドリ」と尖閣諸島の「センカクアホウドリ」別種としての保全が必要に
6面 コアホウドリがメキシコから飛来/モーリシャスの緊急援助隊に参加
7面 2020年我孫子市鳥の博物館開館30周年/ジャパンバードフェスティバル2020オンライン開催/山階鳥類学雑誌目次
8面 テーマトーク/事務局から(賛助会員・ご寄附)/訃報/鳥のモニュメント/編集後記
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