投稿者「山階鳥研広報」のアーカイブ

土浦市で開催される鳥獣類等の供養祭で、林良博所長が講演します

kuyosai関東地方で唯一ガン類が越冬している茨城県稲敷市で、2011年12月に、越冬している天然記念物のガンであるヒシクイ(亜種オオヒシクイ)が、蓮田の防鳥ネットにかかる事故が発生しました。
従来から、霞ヶ浦近郷では蓮田の防鳥ネットにおびただしい数の野鳥が羅網し死亡しており、関係者の間で憂慮されてきました。こうした背景からこのたび、関係団体がさまざまな人間活動によって犠牲になっている生物、とくに鳥獣類の供養祭を開催することになりました。
この供養祭で林良博所長が講演します。山階鳥類研究所はこの供養祭に協賛しています。意見交換の時間もありますので、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
「鳥獣類等の供養祭」
【日時】2013年2月24日(日) 13時〜17時
【場所】羽黒山大聖寺(茨城県土浦市永国203)
アクセスはこちらをご覧ください
【内容】
第1部 (13:00〜14:00) 法要(鳥獣類等の供養祭)
第2部 (14:00〜15:00) 講演
講師:林良博 (公財)山階鳥類研究所所長
第3部 (15:00〜16:00) 意見交換会
【参加費】 無料
【参加申込】
2月10日締切(ただし150名に達していない場合は締切り後も受付けます)
人間活動により犠牲になった鳥獣類のための「鳥獣供養祭」開催事務局
(TEL: 029-821-2110、FAX: 029-821-2595)
【共催】(宗)大聖寺日本野鳥の会茨城県江戸崎雁の郷友の会
【協賛】(公財)山階鳥類研究所・(公財)日本野鳥の会(公財)日本鳥類保護連盟ほか
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
※画像は霞ヶ浦近郷の蓮田で、防鳥ネットにかかったカモ類。

聟島で抱卵中だったアホウドリの卵は発生していませんでした

小笠原群島聟島列島にアホウドリを再導入するプロジェクトで、昨年11月に初めて産卵が確認されたことをこのブログでもご報告していましたが、メスが巣を飛び立って以来、抱卵の交代に戻らず、年が変わってもオス一羽で抱卵している状態が続いていました。
これまでは親鳥の抱卵を妨害しないことを優先して距離をおいての観察を続けていましたが、本日(1月17日)が孵化予定日であることから、小笠原で観察中の出口研究員が卵の状態を確認しました。その結果、発生が見られず、未受精卵と考えられましたので、本日報道発表しました。この卵は回収し、もちかえって成分分析等を行う予定です。
報道発表資料(1月17日)はこちらです。
昨年末の産卵については多くの皆さんに喜んでいただき、お祝いの言葉をいただきましたが、アホウドリに限らず、野生鳥類では産卵すれば繁殖が必ずうまくゆくというわけではありません。さまざまな事故もありえますし、特に繁殖に不慣れな若い個体では、受精していない、受精はしても抱卵が不慣れで発生が進まないなどいろいろな障害がおこります。
「這えば立て、立てば歩めの親心」と言いますが、性急に結果を求めたり、そのときそのときで起こることに一喜一憂したりせずに、人が手伝わなくてもアホウドリが繁殖を続ける場所を聟島に作るという最終目標の達成に向けて、長い目で経過を観察し、必要に応じて対策を立ててゆくことが大切です。
聟島からは2008年から2012年に人工飼育したアホウドリが69羽巣立っていますので、今年、来年とこれからまだ繁殖予備軍の個体が次々と帰還することが期待されています。いろいろなできごとが起こりながらも、聟島にアホウドリの繁殖個体群が根づく日が必ず来ると思います。引き続きご注目いただき、応援いただけますようお願いいたします。
山階鳥類研究所のアホウドリのウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらをご覧ください。

1月のテーマトークは「デコイに恋したアホウドリ 鳥島のデコちゃんのルーツ解明される」(1月12日(土))です

deco_chan_s山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、1月は下記の要領で今週末です。

山階鳥研では、アホウドリの保護のために、伊豆諸島鳥島でデコイ(実物大のアホウドリの模型)を設置して、安全な場所におびきよせる事業を行い、2006年に成功裏に終了しました。その後は小笠原諸島聟島を舞台とした再導入のプロジェクトを開始し、鳥島では繁殖状況の観察を継続しています。
鳥島でこのデコイに恋したことで有名なアホウドリのデコちゃんは2009年以来、本物のアホウドリと順調に繁殖を続けてきましたが、DNA分析からデコちゃんのルーツに意外な事実が判明しました。長年アホウドリの生態研究をおこなってきた佐藤文男研究員が、最近提唱されたアホウドリ類の分類再検討の話題も含めてお話しします。
「デコイに恋したアホウドリ 鳥島のデコちゃんのルーツ解明される」
【講師】佐藤文男 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】1月12日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
※写真は左側のデコイに寄りそうデコちゃんのようすです。
山階鳥類研究所のウェブページ「アホウドリ復活への展望」はこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

アホウドリのお饅頭〜我孫子市国際交流協会から寄附をいただきました

albatross_manju1月9日、我孫子市国際交流協会の、早坂満会長、北嶋扶美子副会長、菅野哲哉副会長ほかが山階鳥類研究所を訪れ、早坂会長から島津理事長に寄附金が手渡されました。
同協会では、昨年11月25日に我孫子市内で開催した、第21回あびこ国際交流まつりで、山階鳥類研究所のアホウドリの保護活動を応援するため、アホウドリのお饅頭を販売しました。今回の寄附はその収益から行われたものです。
お饅頭を購入された皆様と我孫子市国際交流協会の皆様に感謝申し上げます。
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※写真上は、島津理事長(右)に寄附金を手渡す早坂会長。
第21回あびこ国際交流まつりの報告はこちらをご覧ください。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ復活への展望」はこちらをご覧ください。

明けましておめでとうございます

robai皆様、明けましておめでとうございます。旧年中は、多くの皆様に山階鳥類研究所の活動にご理解とご支援をいただき大変ありがとうございました。
山階鳥類研究所ウェブサイトに、林良博所長の「新年のご挨拶」を掲載いたしました。
本年も引き続き山階鳥類研究所への応援よろしくお願いいたします。またブログも極力間をあけないよう更新してゆきたいと思っていますので時々のぞいていただければうれしく思います。

1月6日放送のNHK『ダーウィンが来た!』(華麗なる海鳥 森の奮闘記)に協力しました

イルカと一緒に泳げる島として有名な、伊豆諸島御蔵島(みくらじま)は、日本近海を中心に東アジアだけで繁殖する、オオミズナギドリという海鳥の世界最大の繁殖地でもあり、その個体数はかつて175〜350万羽と推定されたこともあります。
オオミズナギドリは島で子育てをする間、何日かかけて洋上で餌を採っては、夜間に島に帰り、未明にはまた洋上に餌を採りにでかけてゆきます。夜になると島は鳥たちの帰還でラッシュアワーとなります。この鳥の洋上と島での生態を、NHKがほこる高感度カメラと赤外線カメラでとらえました。
番組制作に、長年に亘りミズナギドリ類を研究してきた山階鳥類研究所の岡奈理子・上席研究員が協力しました。
ダーウィンが来た!生きもの新伝説『華麗なる海鳥 森の奮闘記』
NHK総合・地上デジタル
2013年1月6日(日)19:30〜20:00
オオミズナギドリの繁殖地は日本近海に御蔵島以外にもありますが、すべて離島です。鳥の帰還が夜間であることもあり、今回紹介される光景はなかなか見ることが難しいものでしょう。ぜひご覧ください。
ダーウィンが来た!番組サイトによる次回放送予告はこちらです。
ダーウィンが来た!番組サイトの次回放送「ウラ日記」はこちらです。
※再放送は1月11日(金)午後4時05分~4時36分 の予定です(1月9日追記)
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さて、このブログも今年はこの記事で仕事納めといたします。今年の1月からスタートして、週に1回の更新を目標にしてきましたが、1年間の記事数は59件になりました。時期による疎密はありましたが、おおむね目標のペースは達成できたようです。ご愛読ありがとうございました。また山階鳥類研究所へのご理解とご支援大変ありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。
新年の始業は1月7日(月)からとなりますのでよろしくお願いいたします。それでは皆様よいお年をお迎えください。

広報誌『山階鳥研NEWS』の表紙写真を募集中です!

20127b毎年恒例になりましたが、広報誌『山階鳥研NEWS』の表紙に使用する野鳥生態写真(来年度分)を募集しています。
・印刷物や商業的なウェブサイトに未発表の野鳥生態写真を募集します。
・撮影地(国内外)・日付を問いません。
・季節感のある自然な作品を希望します。
・掲載紙は山階鳥研NEWS 2013年5月号〜2014年3月号(6号分の6点を募集)
・応募は1名2点まででデジタルデータ限定。
・謝礼はありませんが、掲載紙10部を贈呈します。
といった概略です。なお、
・締め切り日(2013年1月31日(木))の時点で賛助会員であることという条件があります。
賛助会員の皆さん、ぜひ力作をご応募ください。また賛助会員でない皆さんはこの機会にご入会いただいて、『山階鳥研NEWS』を飾る写真をご応募ください。よろしくお願いいたします。
『山階鳥研NEWS』表紙写真募集の詳細はこちらです。
『山階鳥研NEWS』についてはこちらです。
「山階鳥類研究所はお役所なんですか?」と聞かれることがありますが、山階鳥類研究所は民間団体で、皆様のご寄付や賛助会費を活動の重要な資金源としてます。賛助会員の申し込み方法はこちらをご覧ください。

12月のテーマトークは「兄弟げんかをやわらげる親の思い〜ウミネコの卵の話」(12月8日(土))です

1212_s山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、12月は下記の要領で今週末です。

巣の中のヒナが兄弟げんかをするとき、ヒナ同士がおなじ日に孵化して同じ大きさか、間隔をあけて孵化して大きさに差があるかによってけんかの激しさが変わってきます。そして孵化日が一斉かずれるかは、親鳥の抱卵行動や卵の特性によってかわってきます。これらのことをカモメの仲間のウミネコで調べた結果を富田直樹・研究員がお話しします。

第20回「兄弟げんかをやわらげる親の思い〜ウミネコの卵の話」
【講師】富田直樹 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】12月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

日本鳥学会100周年記念「鳥類の多様性」〜貴重資料展示、いよいよ残りわずかです!

kahaku_entrance_2日本鳥学会が今年100周年を迎えたことから、山階鳥研では2つの記念展示を共催および後援し、所蔵資料を出展してきましたが、その第2弾「鳥類の多様性〜日本の鳥類研究の歴史と成果〜」(国立科学博物館)が、12月9日(日)までと、残すところあと4日となりました。
このブログでも10月15日にすでに一度お伝えしていますが、この展示には山階鳥研から標本等15点と図書2点を出展しています。今年の2回の展示が30年ぶりの一般公開となったカンムリツクシガモの雌雄の標本のほか、この標本以外には観察、撮影、採集の記録がないという宮古島のミヤコショウビンの標本も出展されています。
kahaku_kimpuカンムリツクシガモは、独立種であることの根拠として今回展示されている標本が役立ったほかに、江戸時代の絵図によってたしかにこういう鳥が過去に生きていたことがわかったわけですが、今回、東京国立博物館所蔵の江戸時代の博物図譜、「観文禽譜」からカンムリツクシガモの図が展示されており、実物の標本と稀な対面をしているのも見逃せないところです。
また、これは山階鳥研の標本ではありませんが、2011年に新種として記載されたオガサワラヒメミズナギドリの日本における第2標本(国立科学博物館所蔵)も展示されていて間近に見ることができます。
kahaku_ostrich展示の全体は、「日本における鳥類研究の歴史」「分類と種多様性の研究」「生態研究」「生物多様性と保全研究」のセクションとトピック展示からなり、日本鳥類学の始まりから、ハイテクを使った現代のさまざまな研究までを紹介しています。
山階鳥研をはじめとする研究機関や博物館の貴重資料を見るとともに、日本鳥類学の現在を概観することのできるこの機会をぜひお見逃しなく。
日本鳥学会100周年記念 鳥類の多様性〜日本の鳥類研究の歴史と成果〜
【会期】2012年10月6日(土)〜12月9日(日)
※休館日は、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
【場所】国立科学博物館
東京都台東区上野公園7-20 Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
【料金】通常の入館料でご覧になれます。
(大人・大学生600円、高校生(高等専門学校生含む)以下 無料)
【主催】国立科学博物館
【後援】日本鳥学会・(公財)山階鳥類研究所
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※画像は上から、カンムリツクシガモが出迎える展示入り口、「観文禽譜」(東京国立博物館所蔵)のカンムリツクシガモの図、最新の系統分類の展示、日長のデータから鳥の位置情報を得るジオロケーターによるブッポウソウの渡り研究の展示です。
国立科学博物館による告知はこちらです。
国立科学博物館のアクセスはこちらです。
「所蔵名品から 世界に3点しかない絶滅鳥カンムリツクシガモ」はこちらです。
海外にあるもう1点のカンムリツクシガモ(第一標本)についてはこちらです。
「所蔵名品から 第17回 空前絶後の1点の標本の謎― ミヤコショウビン)―」はこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。