8月8日(金)は一斉休業します

mizuhiki2011年以降実施しておりますが、夏季の節電対策として山階鳥研は、照明、空調の使用抑制等に加えて、今夏も2度の一斉休業を行い、その2度目を8月8日(金)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご了承ください。
「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです.

高校生の校外研修を受け入れました

sendai_ichiko7月3日に、宮城県仙台第一高等学校から、校外研修の高校2年生5名を受け入れました。
この学校は、科学技術系人材育成のために文部科学省が指定している、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、生徒が、物理、化学、生物、数学等のさまざまな分野に分かれて研究を行っています。この日訪れたのは、生物を研究テーマとして、鳥類の飛翔と解剖学的特徴について調べている生徒です。
この日は、山崎剛史研究員から鳥類の飛翔能力などについて話を聞いたほか、所内を回って、DNA分析、剥製作成等の実際を見学しました。
※ 画像は浅井芝樹研究員からDNA分析について説明を受ける、仙台一高の生徒の皆さんです。

フクロウのヒナは飛べるようになっても餌ねだり

ural_owl_fledglingちょっと日数が経ってしまいましたが、画像は我孫子市内の巣箱で巣立ったフクロウのヒナ、7月8日の姿です。
翼の羽毛は真羽(しんう)といって、大人の羽毛が生えそろっていますが、頭や胸はまだ綿羽(めんう)というぽやぽやの羽毛で、まだこれから真羽が生えてくるところです。
巣立ってからすでに6週間あまり、翼の羽毛が生えそろったヒナたちはもう飛ぶことができますが、実は親鳥の採ってきた餌をもらって育ててもらっているようです。
7月10日の晩のヒナたちの声を聞いてみてください。真っ暗な中での録音です(43秒)。


1箇所にとまって鳴き続けているだけなので、とても自分で餌は採っていなさそうです。おなか減ったよ〜と、餌を持ってきてくれるのを待っているのでしょうね。
この声で何羽いるでしょうか。3羽巣立ったわけですが、少なくともここに2羽はいるようですね。
ヒナたちはいつごろまで親がかりなのでしょうか?いつごろから自分たちで狩りをするのでしょうか?そういった疑問もわいてくるヒナたちの声でした。
※ フクロウの巣箱のようす(「5月の里山、生命が息づいています」)はこちらです。
※ フクロウの親鳥の声(「桜咲きフクロウ鳴く春の我孫子」)はこちらです。
【訂正】当初「巣立ってから2 週間あまり」としていたのは、「巣立ってから6週間あまり」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

7月のテーマトークは「タマシギの繁殖生態 」(7月12日(土))です

painted_snipe_04_s関東地方は台風が通り過ぎ、ここ我孫子では台風が運んできた南海上の空気のせいなのでしょう、蒸し暑い晴天ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、7月は明日、7月12日の開催です。保全研究室の米田重玄研究員に、タマシギの繁殖生態について話してもらいます。
オスとメスの形態や習性の特徴が普通の鳥と逆になっているタマシギは、一妻多夫の変わった繁殖生態を持った鳥と言われています。メスは卵を産むだけで、オスが卵を温め、子育てをするタマシギの生態を米田研究員が以前行った研究の結果からお話しします。タマシギは鳥類学の盛んなアメリカやヨーロッパといった地域に分布しないため、生態研究の報告が多くありませんが、そんななか、米田研究員は国際的な鳥類学の学術雑誌にもタマシギの生態について論文を発表している、数少ないタマシギのプロです。ぜひお楽しみに。
第39回「一妻多夫の鳥タマシギの繁殖生態」
【講師】米田重玄 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】7月12日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
※ なお、8月のテーマトークはお休みです。次回は9月ですのでよろしくお願いします。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

第18回山階芳麿賞として、橘川次郎・小西正一両氏への特別賞贈呈を決定しました

日本の鳥類の研究または鳥類保護に関して特に顕著な功績のあった個人または団体に送られる山階芳麿賞は、第18回の表彰として、橘川次郎・小西正一両氏への特別賞贈呈を決定し、報道発表を行いました。
プレスリリース(6月27日)はこちらです。
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今回受賞されるお二人の研究は主として日本国外で行われたものであるため、通常の山階芳麿賞の枠内での贈呈に困難がありました。しかし日本出身で世界的な業績をあげ、日本の鳥学にもさまざまな意味で多大な影響を与えてきたお二人を表彰することは、日本における鳥学の発展に資することを目的とする山階芳麿賞の趣旨に合致すると判断したため特別賞の形での表彰となりました。
お二方の研究については、『メジロの眼』(橘川次郎、2004年・海游舎)、『小鳥はなぜ歌うのか』(小西正一、1994年、岩波新書)で日本の研究者や鳥好きにも知られているところです。
お二人の受賞を記念したシンポジウムを、下記日程で開催します。プレスリリースにも情報を掲載しましたが、詳細については改めてご案内します。
記念シンポジウム『鳥の研究はここまで進んだ〜人は鳥から何をまなべるか〜』
【日付】平成26(2014)年9月23日(火・祝)
【場所】有楽町朝日ホール
【コンビーナー】(五十音順)
山岸哲(山階鳥類研究所名誉所長・兵庫県立コウノトリの郷公園園長)
渡辺茂(慶應義塾大学名誉教授)
【演者】(五十音順)
内山博之(鹿児島大学大学院理工学研究科教授)
江崎保男(兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科教授)
岡ノ谷一夫(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系教授)
長谷川博(東邦大学名誉教授)
※ 従来申込み制だったのを改め、今回から申込み不要といたします。
※ 画像は今回特別賞の受賞が決定した橘川次郎氏(左)と小西正一氏。

6月のテーマトークは「チャタムアホウドリの新繁殖地形成について」(6月14日(土))です

chatham_island_albatross_feeding_ch関東地方は梅雨に入り、雨がちの天気が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、6月は今週末、6月14日の開催です。保全研究室でアホウドリの小笠原再導入に取り組んでいる出口智広研究員に、チャタムアホウドリの新繁殖地形成計画について話してもらいます。
チャタムアホウドリは、ニュージーランド本土から800km東に位置するチャタム諸島だけを繁殖地とする危急種の鳥です。本種の保全のため、現地NGOが、山階鳥研のアホウドリ小笠原再導入の活動を手本として新繁殖地形成の取り組みを進めています。今回のお話はこの取り組みについてです。出口研究員は今年の初めに実際に現地におもむき、アドバイスやヒナへの給餌を行いましたので現地のいろいろな話が聞けることと思います。

第38回「チャタムアホウドリの新繁殖地形成について」
【講師】出口智広 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】6月14日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のアホウドリのウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

献本ありがとうございます

出版社や著者から紹介の依頼を付して献本いただいた書籍です。ご寄贈、大変ありがとうございました。
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books_raptor_reserch樋口広芳(編)『日本のタカ学 生態と保全』東京大学出版会, 東京. (2013年12月5日発行、vi+356頁、5,000円+税、ISBN 978-4-13-060223-5) →版元ページはこちら

books_yasei_moukin齊藤慶輔『野生の猛禽を診る 獣医師・齊藤慶輔の365日』北海道新聞社, 札幌. (2014年6月5日発行、256頁、1,667円+税、ISBN 978-4-89453-739-2) →版元ページはこちら

「山階鳥類学雑誌」(第45巻2号)のご案内

jyio_452s山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2013年3月20日付けで発行された、2013(平成25)年度の第2号についてご紹介します。
(編集長の中村浩志信州大学名誉教授の編集後記から)
「マムシグサなどのテンナンショウ属の植物は、秋に真っ赤な実をつけます。私には、この実を誰が食べるのか長年の関心事でした。今号にはこれを解明した論文を掲載することができました。鈴木さんと前田さんによる『南関東地方における有毒草本植物テンナンショウ属の果実食者(英文)』の論文です。赤い実をつけた植物の前に設置した多数のセンサーカメラから、予想通り種子散布者は鳥であることを証明した貴重な研究です。このような未解明の地道な研究テーマはまだ多くありますので、多くの方からの研究論文や報告の投稿を期待したいと思います。」
山階鳥類学雑誌 第45巻2号(No. 130)
● 原著論文
鈴木惟司,前田尚子: 南関東地方における有毒草本植物テンナンショウ属の果実食者(英文) pp.77-92
● 短報
新妻靖章,土屋健児,粂 ひとみ,別所 透,風間健太郎: カワウの餌の栄養素とエネルギー価(英文) pp.93-97
● 報告
才木道雄,原口竜成,木村恒太,守口 海,高野充広: ヨタカにおける抱雛行動と孵化後のヒナの移動 pp.98-101
浅井芝樹,齋藤武馬,岩見恭子,山崎剛史: 山階鳥類研究所の寄贈標本 —薄田豊太・豊春氏所蔵標本および佐藤保洋氏所蔵標本 pp.102-119
岩見恭子,鶴見みや古,浅井芝樹,齋藤武馬,山崎剛史: 山階鳥類研究所の寄贈標本 —福士成豊所蔵鳥類標本 pp.120-135
鶴見みや古,園部浩一郎,山道弘美,塚本洋三: 山階芳麿著「日本の鳥類と其の生態」に関する原稿,版画等関連資料群の整理保存 pp.136-184
● 書 評 p.183
● 投稿論文査読者一覧 p.184
● 正誤表 p.185
● 投稿される方へ p.186
● 投稿される方へ(英文)p.187
「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

オオジュリンの尾羽の異常/チャタムアホウドリの育雛作業/平成26年度事業計画と収支予算〜「山階鳥研NEWS」5月号

news_1405s_2山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」5月号のご案内です。
冒頭の「日本全国で観察されたオオジュリンの尾羽の異常」では、2011〜12年の秋冬に観察され始めた、オオジュリンの尾羽の異常について富田研究員に報告してもらいました。これは野鳥を捕獲して足環を装着して放し、渡りや寿命などの生態を研究する、鳥類標識調査の過程で気づいたものです。原因は不明ですが、ともかく起こっている現象を記録しておくことが重要です。
鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「はぐぐむ」です。

「山階鳥研NEWS」2014年5月号 目次
1面   表紙写真(タマシギ) 賛助会員 田中 功
2-3面  オオジュリンの尾羽の異常 富田直樹
4面   チャタムアホウドリの育雛作業に参加/科研費研究成果発表会報告
5面   手賀沼探鳥会ご案内/「能登のトキ物語」販売/鳥学雑誌目次/
東日本賛助会員の集いご案内
6面   平成26年度事業計画と収支予算
7面   九州地区賛助会員の集い報告/テーマトークご案内/
事務局から(賛助会員/ご寄付)/
8面   山階武彦助成事業対象者/表紙写真応募御礼/とりのことば/編集後記
鳥類標識調査についてはこちらをご覧ください。

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。

※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。