中学生の訪問学習を受け入れました

chugakusei015月22日午前に、愛知県内の中学校から、修学旅行で関東に来ている中学3年生4名の訪問学習を受け入れました。
この学校では、生徒がそれぞれ、個別に課題を見つけて、3年間で解決をはかったり追究を深めたりする学習に取り組んでおり、今回来訪したのは、生物関係をテーマとした班の4名です。3ヶ月前には訪問の打診があり、訪問をお受けしました。
4名は午前中の2時間をかけて、班のメンバーが取り組んでいる鳥類の生態研究について研究員からアドバイスを受けたほか、所内で行われている仕事を見学しました。
※ 画像は書庫での見学のようすです。

今年もアオバズクに会うことができました

aoba_zuku012年前の2012年5月25日に、我孫子市内で、青葉の頃に渡ってくるフクロウの仲間、アオバズクの声を聞いたことをブログ記事にしましたが、今年もまた、アオバズクに会うことができました。
5月14日、残業帰りに我孫子駅への道を急いでいると、前と同じにかすかに、ホウ、ホウ、・・という声が聞こえてきます。場所も聞こえ方も前と同じ感じです。これは前のあの場所ではと思いながら声の聞こえるほうに急ぐと、案の定、2年前と同じ、住宅に囲まれた小さな緑地でアオバズクが鳴いていました。
【音声】アオバズクの声(2014年5月14日 我孫子市内、1分49秒)

前もそうでしたが、繁殖にこれから入ろうというタイミングのせいか、本当に力いっぱい鳴いています。前回どうよう、おそらくこのまま通過して行ってしまうのでしょうが、この力の入れ方は、ここで相手が出てくればここに居着いて繁殖しようということなのかもしれません。
今回はよく見ると、茂った大木の途中に葉がない場所があって、窓状に向こうの空が見えるところに枝にとまったアオバズクがシルエットで見えます。上の画像の画面中央、枝が縦になって少し不自然に太くなったような箇所が見えるでしょうか。
この晩は相当長時間、鳴きつづけに鳴いていましたが、ためしに翌日の晩も行ってみたところ、案の定、鳴き声はいっさいしませんでした。東南アジアの越冬地からたどり着いて、これからもっと北上して繁殖するということなのかも知れません。

2年前の5月の記事(「目には青葉、アオバズク渡る我孫子」)はこちらです。
我孫子でもう1種鳴き声が聞かれるフクロウ科の鳥、フクロウの鳴き声(「桜咲きフクロウ鳴く春の我孫子」)はこちらです。

5月のテーマトークは「鳥の色素異常について」(5月10日(土))です

theme_talk皆さんゴールデンウィークはどのようにお過ごしだったでしょうか。さわやかな気候のもと自然にふれてリフレッシュされた方も多いかもしれません。
さて、山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、5月は明日、5月10日の開催です。保全研究室の仲村昇研究員に、鳥の色素異常について話してもらいます。
鳥類の羽色は、主に色素と構造色で決まります。メラニン、カロチノイド等の色素が少ない個体や過剰な個体は通常とは異なる羽色となります。様々な羽色異常個体の画像を紹介し、原因について検討します。
第37回 鳥の色素異常について
【講師】仲村昇 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】5月10日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

5月の里山、生命が息づいています

ついこの間まで寒いの大雪だのと言っていた気がしますが、冬越しをしていた鳥たちは徐々に旅立ち、里山の木々は芽吹き、林の地上では春の花たちがそっと咲いています。
こちらは我孫子の雑木林に咲いたギンラン。gin_ran

そしてキンランです。kin_ran

こういった花たちを見下ろすように、雑木林にはフクロウの巣箱がかけられています。山階鳥研と我孫子市鳥の博物館の協力で架設されているものです。

subako
下から見てもその中で小さな生命がはぐくまれているとはまったく気づきませんが、中では3羽の雛が親鳥の世話を受けて成長しているようすが、我孫子市鳥の博物館のウェブサイト(下記のリンク)からご覧になれます。
ふくろう巣箱カメラ(我孫子市鳥の博物館)<5月2日のアニメーション(時間を短縮しています)>
フクロウ巣箱カメラ トップ(我孫子市鳥の博物館)(カメラ設置の意義と注意点について説明しています)
木々の芽吹きとともに、南の国で冬越ししていた鳥たちが続々到着し、これから相手を見つけて繁殖しようとしているわけですが、フクロウのように、一年中この場所に住んでいる鳥たちはもう子育てに入っているのですね。季節がどんどん進んでいることを感じます。

フクロウ成鳥の鳴き声(「桜咲きフクロウ鳴く我孫子」)はこちらです。
昨年のフクロウのヒナのようす(「おんもへ出たいと待っている〜♪ 巣立ち間近のフクロウのヒナ」)はこちらです。

NHK BSプレミアムで「アホウドリ小笠原へ 移住大作戦を追う」が放送されます(4/21、再放送4/28)

s絶滅危惧種アホウドリのいっそう確実な復活のために、山階鳥研が進めてきた、本種の小笠原再導入計画がNHK BSプレミアムで紹介されます。

ワイルドライフ
「よみがえれ!アジアの野生動物 アホウドリ小笠原へ 移住大作戦を追う」
2014年4月21日(月)20:00〜20:59 (BSプレミアム)
2014年4月28日(月)8:00〜8:59(BSプレミアム <再放送>)
予告動画(NHKの自然ポータル)はこちらです。
再導入計画は、歴史上、繁殖していたことがわかっている小笠原群島に、繁殖地を復活させようとするものです。このために2008年から2012年までの5年間に、伊豆諸島鳥島から合計70羽のヒナを小笠原の聟島に移送し、人工飼育によって69羽を巣立たせることに成功しました。巣立ったアホウドリは繁殖年齢が近づいて徐々に聟島に帰還を始めており、2012年11月と2013年11月には1つがいの産卵が確認されています。
NHK BSで今回放送される番組は「アホウドリ移住プロジェクトを中心とする人とアホウドリの関わりをまとめたネイチャードキュメンタリー」「2008年から復活作戦に密着取材してきた成果を集大成し、アホウドリの今がわかる“決定版”」になっているとのことです。ぜひご覧ください。
アホウドリの小笠原再導入は、山階鳥研が、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金、朝日新聞社、キヤノン株式会社ほかの支援を得ておこなっています。
NHK BSプレミアム ワイルドライフ ページ(次回放送の案内)はこちらです。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
山階鳥研のイベント情報はこちらです。

4月のテーマトークは「日本の海鳥の今を知る~環境省モニタリングサイト1000とは~」(4月12日(土))です

theme_talk02山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、4月は明日、4月12日の開催です。保全研究室の富田直樹研究員に、環境省モニタリングサイト1000による海鳥調査について話してもらいます。
山階鳥研にも、最近鳥が減ったのじゃないかというお問い合わせの電話がよくかかってきますが、鳥が増えた、減ったという感触は、平素から調査を行って長期のデータを蓄積してなければ本当かどうかを確かめることはできません。環境省のモニタリングサイト1000は、こういった理由から、全国のさまざまな環境で長期の生物多様性データ収集を継続的に行っておこうと始まりました。今回のトークではこのうち山階鳥研が担当している海鳥の調査について紹介します。
第36回 日本の海鳥の今を知る~環境省モニタリングサイト1000とは~
【講師】富田直樹 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】4月12日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
※4月から開始時間が15分繰り下げになりますのでご注意ください。
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

F・B・ギル著「鳥類学」日本語版の正誤表を掲載しました

山階鳥類研究所が翻訳した「鳥類学」(フランク・B・ギル著. 2009 年.新樹社)に誤りがありました。読者の皆様にお詫びいたします。正誤表を掲載しましたので訂正お願いいたします。
「鳥類学」正誤表
所員の著書はこちらをご覧ください。

キジの来訪

kiji山階鳥研の広報の部屋は裏が林になっていて、ときどき窓から鳥が見えることがあります。
今日はキジの雄が窓の外に現れました。山階鳥研のある我孫子の農耕地ではキジは珍しくなく、とくに今頃から6月頃までの繁殖期には、恋の季節のせいなのでしょうが、普段より警戒心が弱くなって、農道を歩いていると突然目の前に現れたりします。とはいえ、研究所の建物の中から見られるのはちょっと珍しいです。ガラス窓越しに写真を撮ってみました。

九州地区賛助会員の集いを開催しました

tsudoi
3月5日、熊本市内で、九州地区賛助会員の集いを開催しました。詳しくは「山階鳥研NEWS」5月号でご報告します。
多くの皆様に賛助会員になっていただけるようお願いしています。入会については「ご支援のお願い」をご覧ください。
「山階鳥研NEWS」についてはこちらをご覧ください。

野鳥写真・映画製作のパイオニア下村兼史についてのトークと代表作「或日の干潟」上映会があります

avsk_pm_0849b_2山階鳥研の塚本洋三・特任研究員による、野鳥写真・野鳥映画製作のパイオニア下村兼史(1903-1967)についてのトークと、下村の代表作「或日の干潟」の特別上映会が行われます。
「或日の干潟」(1940年、約18分)は、東京湾奥部、浦安・行徳沿岸の、高度成長期の埋め立てによって変貌する以前の、遠浅の海が広がる自然環境を映像で記録したきわめて貴重なものです。戦後は日本全体でもごく少数が渡来するだけになってしまったサカツラガンというガンの仲間が、群れで行徳の干潟に渡来していたようすも見ることができます。発表当時、文部大臣賞などを受賞したほか、1996年には、(社)映像文化製作者連盟による「日本の短編映画100選」に選ばれるなど、日本の文化・記録映画の最初期の代表作とされる作品です。ぜひこの機会をお見逃しなく。
もやいの学校「うらやす野鳥文化史研究会」公開講座
「下村兼史と新浜 ~映画『或日の干潟』~」

【日時】3月23日(日) 14:00~16:00
【場所】浦安市郷土博物館 1階視聴覚室
アクセスはこちらです。
【講師】塚本洋三 山階鳥研特任研究員
【主催・問合せ】浦安市郷土博物館 電話 047-305-4300
同館のイベント紹介ページはこちらです。
下村兼史 制作映画リスト(PDF)はこちらです。
山階鳥研のウェブページ「野鳥生態写真の先駆者 下村兼史資料」はこちらです。
山階鳥研のイベント情報はこちらです。
※ 画像は、東京湾奥部、千葉県新浜で1940年前後に撮影されたサカツラガン(下村兼史撮影、山階鳥研図書資料AVSK_PM_0849)