9/23 イヌワシの現状 +鳥の魅力を追う人びと(締切間近です)

photo9月23日に有楽町朝日ホールで開催する下記の催しの申込み締切9/10必着(往復葉書で申込み)が迫っています。申込み締切を、9月14日(金)必着に延長しました。定員にまだ余裕がありますので、ぜひ多数の申込みをお待ちしています。
絶滅危惧種イヌワシの保護活動にかんする、本年度の山階賞受賞団体日本イヌワシ研究会会長の小澤俊樹さんによる講演と、シンポジウムでは、渡りのデータ収集だけでない今後の鳥類標識調査や、古色蒼然としたイメージを覆そうとする意欲的な標本利用、鳥の体のつくりと家禽の話題、文化人類学的な面からの鳥の話題と、意欲的な研究のお話が聞けると思います。
【第17回山階芳麿賞贈呈式・受賞記念講演と財団設立70周年記念シンポジウム『鳥の魅力を追う人びと』】
13:00〜13:55
第17回山階芳麿賞贈呈式(受賞者 日本イヌワシ研究会)
受賞記念講演「日本イヌワシ研究会の活動とイヌワシの現状」
日本イヌワシ研究会会長 小澤俊樹氏
14:10〜16:00
財団設立70周年記念シンポジウム「鳥の魅力を追う人びと」
山階鳥類研究所内外の研究者4名により、鳥類の保全、標本研究、解剖学と家禽研究、
文化人類学的研究の各分野の話題提供をしてもらいます。
・秋道智彌 「鳥と人のかかわりをつなぐ民俗知とその未来」
・出口智広 「鳥類標識調査情報の保全生物学的研究への活用」
・山崎剛史 「色彩の進化生物学ー鳥類標本コレクションがもたらす新知見」
・遠藤秀紀 「完成された飛翔美」
・司会 林良博(山階鳥類研究所所長)
【参加費】300円(賛助会員は無料)
★往復はがきでの申込みが必要です。申込み方法の詳細はこちらをご覧ください。こちらで講演要旨もお読みいただけます。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

カンムリツクシガモの公開は30年ぶりでした

1982s_rev_2日本鳥学会が今年100周年を迎えるにあたり、山階鳥研では2つ行われる記念展示を共催および後援し、所蔵資料を出展することを、8月16日付けのブログで紹介し、その中で、「カンムリツクシガモの標本の公開は50年ぶり」とお知らせしましたが、これは「30年ぶり」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
下記は訂正済みの当該ページです。
カンムリツクシガモを30年ぶりに展示します〜日本鳥学会100周年記念展示
50年ぶりとしたのは、1962年に東京で開かれた日本鳥学会50周年記念の「世界の鳥展」に前所蔵者の黒田長禮(くろだ・ながみち)博士から出展されたのが最後と考えたものです。しかし、この情報を流したあと、これを読んだ40代の関係者から連絡があり、「自分は池袋のサンシャインでカンムリツクシガモを見て、スケッチもした」ということでした。40代の人が50年前の展示を見ているというのは計算があいません。改めて調査したところ、1982年にサンシャインシティ三越で開催した「山階鳥類研究所設立50周年記念 鳥の世界展」で確かにカンムリツクシガモを展示していたことが確認できました。
というわけで、確認不十分で関係の皆様にご迷惑をおかけしましたが、実際には30年ぶりの公開ということになります。
※画像は、古い資料の中から出てきた、1982年のカンムリツクシガモの展示のようすです。右端の標本がカンムリツクシガモ(雌)、標本の前に立つのは、柴田敏隆・資料室長(当時)と、その陰に白いスーツの、山階芳麿・所長(当時)です。

カンムリツクシガモを30年ぶりに展示します〜日本鳥学会100周年記念展示

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日本鳥学会が今年100周年を迎えるにあたり、山階鳥研では2つ行われる記念展示を共催および後援し、所蔵資料を出展します。その第1弾が、明日8月17日から東京大学総合研究博物館で開催されます。このため昨日8月15日には、山階鳥研から資料類の搬出作業が行われました。

日本鳥学会の百年
【会期】2012年8月17日(金)〜9月21日(金)white_stork
(土曜日、日曜日、祝日は休館。但し、8月18日、25日、9月1日の各土曜日は開館予定。なお、日本鳥学会2012年大会期間中(9月15〜17日)は同大会参加者のみ入場可能です(大会の名札をご呈示ください)。休館日はこちらでご確認ください)
【場所】東京大学総合研究博物館
東京都文京区本郷7-3-1 Tel. 03-5841-8451
【料金】無料
【共催】東京大学総合研究博物館・日本鳥学会・(公財)山階鳥類研究所
この展示には山階鳥研から標本27点と図書資料73点を展示しますが、その白眉はなんといっても、30年ぶりの一般公開となる、カンムリツクシガモの雌雄の標本でしょう。この鳥は世界で3点しか標本がないもので、日本の鳥学史に残る発見の例として、ヤンバルクイナのタイプ標本(命名のさいに使われた標本)ほかとともに展示されます。
truck※写真上は美術梱包業者さんの手で丁寧に梱包されるカンムリツクシガモの雄、写真中は梱包されたコウノトリの標本です。
日本鳥学会による告知はこちらです。
東大総合研究博物館による告知はこちらです。
東大総合研究博物館へのアクセスはこちらです。
「所蔵名品から 世界に3点しかない絶滅鳥カンムリツクシガモ」はこちらです。
海外にあるもう1点のカンムリツクシガモ(第一標本)についてはこちらです。

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8月のテーマトークは「マダガスカルの動物」(8月11日(土))です

hime_shobin_b_2山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、8月は下記の要領で今週末です。約6500万年前にアフリカ大陸から切り離され、多くの独特な生物が進化したマダガスカルの動物について鳥を中心に、浅井芝樹・研究員が紹介します。

第16回「マダガスカルの動物」
【講師】浅井芝樹 山階鳥研自然誌研究室研究員
【日付】8月11日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
※画像はマダガスカル固有種のマダガスカルヒメショウビン(カワセミ科)です。
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アホウドリの再導入に関連して台湾からお客様が来所しました

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本日来所したのは台湾中華鳥会の蕭定雄さんです。台湾の澎湖諸島はかつてアホウドリが繁殖していたため、同会ではアホウドリの再導入に大きな関心があるとのことで、山階鳥研でおこなっている、伊豆諸島鳥島、小笠原諸島鳥島での保護活動について広報主任の平岡と出口智広・研究員から説明を受けました。
蕭さんは台湾大学の大学院生として、野生生物と共存できる街作りを研究しています。約1ヶ月の日程で、コウノトリの野生復帰を進めている兵庫県豊岡市のNPOコウノトリ湿地ネットでインターンとして研修しており、その合間を縫って今回の訪問が実現しました。
写真上はアホウドリのデコイ(模型)と一緒に写る蕭さん。photo_2写真下は、蕭さんがおみやげに持ってきてくれた、台湾の固有鳥類ヤマムスメをシンボルにした、有機農法による「ヤマムスメ紅茶」です。
「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

7月のテーマトークは「シロチドリの採餌戦略、カニかゴカイか」(7月14日(土))です

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、7月は下記の要領で明日です。保全研究室でふだんは鳥類標識調査のデータ管理等に従事している吉安京子・専門員が、学生時代に千葉県内の干潟で研究したシロチドリの生態についてご紹介します。
第15回「シロチドリの採餌戦略、カニかゴカイか」
【講師】吉安京子 山階鳥研保全研究室専門員
【日付】7月14日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
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手賀沼学会大会が7月7日(土)に開催されます

老若男女が気楽に、手賀沼集水域の社会や自然も含めた文化の総体について学ぼうという、手賀沼学会の第9回大会が開催されます。会員・非会員をとわず参加できますのでふるってご参加ください。
【日時】2012年7月7日(土) 12:00〜16:20
【場所】中央学院大学30周年記念館611号室
【内容】
基調講演1:「東葛地方の鉄道の発達と水運の衰退」
青木更吉氏(流山市立博物館友の会会員、歴史・民俗研究者)
基調講演2:「柏駅と駅前の歴史」
小林康達(やすみち)氏(我孫子市教育委員会嘱託職員・我孫子市史編纂委員会参与)
特別発表:「私の第二の故郷」
邢燕(けい・えん)氏(中央学院大学国際交流センター)ほか
【問い合わせ】手賀沼学会事務局(中央学院大学社会システム研究所)
電話:04-7183-6522
詳細(手賀沼学会ウェブサイト)はこちら
手賀沼学会発足趣意書はこちら
山階鳥類研究所イベント情報はこちら

中国遼寧省にズグロカモメの調査に行ってきました

img_6544_b尾崎清明・保全研究室長と平岡(自然誌研究室専門員・広報主任)は、6月11日から20まで、中国遼寧省にズグロカモメの調査に行ってきました。山階鳥研からJICA(国際協力機構)のプロジェクトで中国西安に赴任している米田重玄・専門家も応援に合流しました。
ズグロカモメは、世界分布の極限された種で、中国の渤海と黄海沿岸部で繁殖し、冬は朝鮮半島、日本、中国南東部、ベトナムなどに渡ります。海岸の干潟上部の塩性植物群落で繁殖するため、埋め立てなどの影響を受けやすく、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧第2類に指定されています。
今回の調査は、環境省の日中韓ズグロカモメ共同調査業務として実施されたもので、中華人民共和国環志中心(バンディングセンター)、遼寧省双台河口国家級自然保護区のスタッフ等の協力を得て、同保護区にある繁殖地で、4羽のズグロカモメ成鳥に人工衛星発信器を装着したほか、200羽ちかい幼鳥に番号つきの赤いカラーフラッグ(脚に装着して野外観察で識別可能なプラスチック製の「旗」)と金属製足環を装着しました。
発信器装着個体を含め、今回標識を装着した個体が、いくつかある越冬地のどこに渡るかが注目されます。発信器装着個体については衛星からのデータを順次取得してゆきます。カラーフラッグ装着個体を観察された方は山階鳥類研究所にぜひご一報お願いいたします。
※画像は人工衛星発信器を装着したズグロカモメの成鳥です。
「渡り鳥と足環」(山階鳥類研究所)はこちら。