ヒゲガビチョウ 広がる外来鳥類/山階鳥研の所員をインタビューした中学一年生の自由研究がコンクールで受賞/SNS人気/平成30年度事業計画と収支予算〜「山階鳥研NEWS」5月号

山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」5月号をご紹介します。

巻頭は、外来鳥類の現状や問題点について、滋賀県立琵琶湖博物館 特別研究員の天野一葉(あまの・ひとは)さんに解説していただく「ヒゲガビチョウ 広がる外来鳥類」です。4ページには、山階鳥研の所員をインタビューしてまとめた自由研究が「図書館を使った調べる学習コンクール」(主催:公益財団法人図書館振興財団)で、優秀賞・日本児童教育振興財団賞を受賞した中学生のご紹介です。

2012年5月号以来、6年間、合計36の言葉を紹介しましたミニコラム「とりのことば」は、前号で終了しました。ご愛読ありがとうございました。今号からは「鳥のモニュメント」がスタートしました。鳥にまつわる像や碑、ランドマークを全国からご紹介できればと考えています。第一回は「千葉駅前交番」(千葉県千葉市)です。

「山階鳥研NEWS」2018年5月号 目次
1面 
表紙写真(オオタカ)賛助会員 孝橋貞樹
2-3面 ヒゲガビチョウ 広がる外来鳥類 滋賀県立琵琶湖博物館 天野一葉
4面 山階鳥研の所員をインタビューした中学一年生 自由研究がコンクールで受賞
5面 FacebookのファンTwitterのフォロワー1,500人越え/平成30年度事業計画と収支予算
6面 講習会・セミナーを開催しました/テーマトーク告知
7-8面 バードウィーク手賀沼探鳥会告知/東日本・中部日本地区賛助会員の集い告知/山階鳥類学雑誌目次/事務局から(人事/山階武彦助成事業対象者/賛助会員/ご寄附/表紙写真)/鳥のモニュメント/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。

※ 賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

おかげさまでフェイスブックのファンが30カ国から1,500人を越え、ツイッターのフォロワーも10カ国から1,500人を越えました

2015年11月初めから開始した山階鳥研のFacebookページですが、この2018年4月1日に「いいね」していただいているファンの数が、おかげさまで1,501人となりました。すでに2年以上、原則としてすべての投稿に英文を併記(または使用言語の切替によって英文が表示されるように)しており、画像に示したとおり、日本以外に国外の29の国と地域から「いいね」をいただいています。

同じ時期に始めたTwitterのフォロワー数は、4月1日現在、1,572人です。Twitterも原則として日英のふたとおりで投稿しており、海外からのフォロワーはいずれも1%(=約15人)未満で、アメリカ合衆国、台湾、イタリア、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、フランス、ドイツ、ポーランドの9の国と地域からフォローされています。

皆様にご関心をお寄せいただき大変ありがとうございます。引き続き応援よろしくお願いします。

※ 山階鳥研のFacebookページはこちらです。
※ 山階鳥研のTwitterはこちらです。

人獣共通感染症の研究者がセミナーを行いました


山階鳥研では鳥類の移動や寿命などを、野鳥に番号付きの足環をつけて調べる鳥類標識調査を環境省の委託を受けて実施しています。野鳥にはマダニがついて運ばれることがあることから、山口大学共同獣医学部獣医微生物学教室の前田健教授のチームと共同研究として、野鳥につくマダニを介した感染症の調査を行っています。

この結果が出始めたことから、4月25日に前田健教授が山階鳥研でセミナーを行いました。セミナーでは人獣共通感染症の一般論からはじまり、標識調査によって得られたマダニがもつ病原体の調査から分かってきたことや、さらに今後の研究の見通しについて報告がありました。さらに野外調査における注意点の解説もあり、参加者した所員らは自分達に身近な話題であるだけに熱心に聴講し、質問していました。

※ 山階鳥研の鳥類標識調査についてのページ「渡り鳥と足環」はこちらです。

岡奈理子さんに定年退職の記念品を贈りました

岡奈理子・上席研究員は昨年9月30日をもって定年退職しました。退職の記念に、今年3月27日、職員、非常勤職員の有志一同から、記念品をお贈りしました。

記念品は岡さんの研究対象種である、東アジア特産の海鳥オオミズナギドリを羊毛フェルトで作ったものです。この作品は、羊毛ニードルフェルト作家つぐみさんに特にお願いして製作してもらいました。

羊毛ニードルフェルト作家、つぐみさんのブログでもこの作品が紹介されています。

山階鳥研では、所員が退職後も調査研究活動を継続することを支援するため、昨年10月、「山階鳥類研究所フェロー」制度を設けました。現在、岡さんも山階鳥研フェローとして、引き続きオオミズナギドリの保全活動などに取り組んでいます。

鳥類標本の寄贈が2件ありました

山階鳥研ではこのたび、それぞれ、地域の鳥類の保護や調査研究に長年携わられてきたお二人の方から鳥類標本の寄贈を受けました。いずれの収集品も、それぞれの地域の鳥類相の特色や変遷などを知るうえで重要な証拠資料です。貴重な資料のご寄贈大変ありがとうございました。(山階鳥研NEWS 2018年1月号より)

立花繁信氏から南三陸産の標本

宮城県在住の立花繁信(たちばなしげのぶ)氏からは、同県の南三陸地域で収集された仮剥製255点、液浸(えきしん)2点、羽毛3点、卵16点、合計276点の鳥類標本をご寄贈いただきました。立花氏は宮城県内の小学校教諭の傍ら、長年地域の野鳥の研究に携わってこられた方で、三陸地方に生息するイヌワシの繁殖生態研究や保全活動の第一人者です。寄贈された標本は、1949年から2008年までの半世紀にわたり、地域から届けられた鳥類の斃死体(へいしたい)を立花氏自身が剥製などの標本にしていたもので、この地域の鳥類相を知るうえで重要な証拠資料です。三陸地域の多くの自然史標本が東日本大震災で失われたなかで、半世紀前の南三陸の鳥類標本が残された意義は大きいものがあります。

立花繁信氏ご夫妻と標本寄贈を仲介された鈴木卓也氏(2017年5月31日、立花氏宅にて)

風間辰夫氏から新潟県産などの標本

風間辰夫(かざまたつお)氏は、新潟県の警察官を経て、新潟県庁に勤め、長年同県の鳥獣行政に携わってこられました。また山階鳥類研究所で行っている鳥類標識調査に当初から協力いただいているほか、新潟県内の鳥類保護にかかわるさまざまな活動に従事してこられました。風間氏からは、新潟県内で収集されたものを中心として、2004年3月から2017年5月にかけて本剥製667点、仮剥製184点、合計851点の鳥類標本のご寄贈をいただきました。これらは、新潟県内の救護施設に届けられた斃死体や救護の後死亡した傷病鳥などが中心で、一部飼育された外国産鳥類なども含まれています。

自宅で標本の梱包をする風間辰夫氏(2016年3月)

山階鳥研のサイト内にある関連ページも合わせてお読み下さい
>>山階鳥研の標本
>>山階鳥研NEWS目次(2018年)

【メディア出演情報】4/18(水)出口保全研究室長がNHKの番組でアホウドリ保護活動のお話をします。

山階鳥研の出口保全研究室長がNHKの「視点・論点」に出演し、アホウドリ保護活動のお話をします。是非ご覧下さい。

番組名: 視点・論点「アホウドリ復活へ 保全の成果と課題」

放送日:
[NHK Eテレ] 2018年4月18日(水) 午後1:50~午後2:00(10分)
[NHK総合] 2018年4月19日(木) 午前3:50~午前4:00(10分)*再放送*
(放送時間は変更される場合があります。NHK番組表でもご確認ください。

※ この番組の放送内容の全文がお読みいただけます。解説アーカイブス これまでの解説記事 「アホウドリ復活へ保全の成果と課題」(視点・論点)2018年04月18日 (水)(2018年4月26日追記)
※ NHK 「視点・論点」のウェブサイト(トップページ)

<山階鳥研サイトの関連ページ>も合わせてご覧下さい。
アホウドリ復活への展望
出口保全研究室長紹介

興和光学株式会社から海鳥の繁殖地調査用望遠鏡3セットを寄贈いただきました

山階鳥研では環境省の「モニタリングサイト1000」の一環として、島嶼(とうしょ)の海鳥の繁殖地で調査を行っています。日本全国の30ヶ所(77島嶼)の海鳥繁殖地をそれぞれ3年から5年の調査間隔で回って、個体数や繁殖数のモニタリングをするものですが、海鳥の繁殖地は離島や岩礁などが多く、接近が難しいことも多いことから、高性能の望遠鏡が調査には欠かせません。またアホウドリの繁殖状況のモニタリングにも望遠鏡が必須です。

現在このプロジェクトで使用している望遠鏡3本はすでに15年以上使用しているもので、潮風や直射日光にさらされ、場所によって火山性の細かい砂なども吹きつける、劣悪な使用環境での長時間の使用によって老朽化が進み、性能も落ちてきていました。ところが高性能で堅牢な望遠鏡は大変高価なため、新規に購入することができず、苦慮していました。

興和光学株式会社にこの状況をお話ししたところ、このたび、「TSN-884 プロミナー」1台、「TSN-774 プロミナー」2台(いずれも、TE-11WZ25〜60倍ワイドズームアイピースつき)をご寄贈いただきました。

寄贈された望遠鏡を前にする富田直樹研究員。

「モニタリングサイト1000」を担当している富田直樹研究員は、「これまで愛用してきた興和光学製の望遠鏡が、長年の使用でさすがに見え方が低下してきているなど、しばらく前から更新の時期を迎えていると感じていました。このたび、新たに、ヘビーユースに耐えるハイエンドの機種を3台ご寄贈いただき、大変ありがたく思っています。この機材で良いデータを集めたいと思います」と話しています。

2018年3月、伊豆諸島鳥島、初寝崎コロニーの定点観察地で早速活躍しました。

ご寄贈いただいた望遠鏡で初寝崎でのアホウドリ飛来状況を観察(右奥の白い点々がアホウドリ)

興和光学株式会社公式ウェブサイト

あわせて山階鳥研ウェブサイトのこちらのページもご覧ください。
アホウドリ 復活への展望
海鳥の今を知る〜環境省モニタリングサイト1000〜
富田研究員紹介ページ

日ロ渡り鳥等保護条約会議に参加しました

2017年11月7〜8日、第11回日ロ渡り鳥等保護条約会議がモスクワで開催され、尾崎副所長が参加しました。詳しくは下記リンクから山階鳥研ウェブサイトでご覧ください。

日ロ渡り鳥等保護条約会議のようす。この条約は旧ソビエト連邦時代の1973年に署名され、今回で11回目の会議となった。

山階鳥研ウェブサイト「日ロ渡り鳥等保護条約会議に参加」

尾崎副所長紹介ページ

 

伊豆諸島御蔵島におけるノネコ問題と、島で繁殖するオオミズナギドリの保全活動について、ウェブサイトに掲載しました

伊豆諸島の御蔵島(みくらじま)は、東アジア固有の海鳥オオミズナギドリの世界最大の繁殖地です。人が持込んだネコの子孫が野外で繁殖する「ノネコ」が増え、オオミズナギドリや、島で進化した固有な動物に脅威となってきました。

オオミズナギドリ

昨年の定年退職後も、引き続きオオミズナギドリの保全活動に取り組んでいる岡奈理子さん(現・山階鳥研フェロー)によるノネコ問題についての解説を山階鳥研のウェブサイトに掲載しました。是非ご一読ください。

「世界最大のオオミズナギドリ繁殖島のノネコ問題」

→  岡奈理子 山階鳥研フェローの紹介ページ

手賀沼のコブハクチョウに標識を行いました

手賀沼(千葉県我孫子市)に生息するコブハクチョウにデータロガー(記録装置)と首環(緑色)を装着しました。これはガン・カモ・ハクチョウ類の位置や移動に関する詳細な記録を収集する技術を開発する目的で、東海大学、山階鳥類研究所、我孫子市鳥の博物館が共同で実施しているものです。

首環と発信機、足環を装着されたコブハクチョウ

データロガーに蓄積されたデータは、離れたところから無線で取り込むことができます。まだ試験段階ですが、記録装置には高精度の三軸加速度計等が組み込まれており、活動状況、さらに脈拍や呼吸などの生理学的なデータが取り込めます。これにより将来は、野生のガン・カモ・ハクチョウ類の健康状態のモニタリングに役立てたいと考えています。

もし、標識された個体を手賀沼以外で観察された場合には、以下連絡先までお知らせいただければ幸いです。

<本件に関しての問合せ・連絡先>
我孫子市鳥の博物館学芸員 小田谷嘉弥 電話:04-7185-2212
山階鳥類研究所副所長 尾崎清明 電話:04-7182-1101

山階鳥研サイト「鳥類標識調査」の目次

「手賀沼のコブハクチョウに標識を行いました」