月別アーカイブ: 2015年5月

2011年に使用されたツバメの巣の放射性セシウム濃度を調査した結果がまとまり、論文発表しました。

ツバメ_8304改sこのたび、福島第一原子力発電所事故による鳥類の棲息環境への影響調査として、2011年に使用されたツバメの巣の放射性セシウム濃度をを調査した結果がまとまり、論文発表しました。

プレスリリース
2011年に使用されたツバメの巣を調査したところ、全国21都道府県中、1都12県の巣から放射性セシウムが検出されました
リリースの資料はこちらのリンクから、5月22日の内容をご覧ください。

今回の結果でえられたツバメの巣に含まれる放射性セシウムの濃度は、通常の生活を営んでいる限り、人体に直ちに影響が出るレベルではありません。今年もツバメの繁殖期が始まっていますが、繁殖中であったり、これから繁殖しようとしているツバメの巣を壊さないようお願いします。

巣の収集にあたっては、多くの皆様から巣の情報をお寄せいただき、また巣の提供をいただきました。大変ありがとうございました。この調査は、三井物産環境基金2011年度東日本大震災復興助成を受けて実施しました。

※ 山階鳥研の東日本大震災関連の活動の一部はこちらでご紹介しています。

鳥類標識調査のビッグデータから地球温暖化に対する鳥類の応答について検討した結果がまとまり、論文発表しました

oyoshikiri_web鳥類標識調査は、カスミ網などを使って鳥類を捕獲し、個体識別用の足環を装着して放鳥するもので、始まった当初は、鳥類の渡りや寿命などの生態を明らかにすることが主な目的でした。近年、人為的な要因による環境の変動が問題になってきたことにともない、鳥類の生息状況のモニタリングへの活用が世界的に探られています。

日本での鳥類標識調査はすでに戦前から開始されていましたが、山階鳥研では1961年に林野庁によって再開されたときから携わっており、現在は環境省の委託事業として、多くのボランティアの協力を得て実施しています。1961年以降、足環を装着して放鳥した500万羽以上のデータが蓄積されています。

このたび、この鳥類標識調査データなどを分析し、地球温暖化に対する鳥類の応答について検討した結果がまとまり、報道発表しましたのでご案内します。

プレスリリース
東南アジアから日本に渡ってくる夏鳥4種のうち、3種で渡来と繁殖時期が早期化している傾向が見いだされました。
リリースの資料はこちらのリンクから、5月13日の内容をご覧ください。

※ 鳥類標識調査についてはこちらの「渡り鳥と足環」をご覧ください。

第26回バードウィーク手賀沼探鳥会は、5月10日(日)開催です

BW探鳥会_ssバードウィークにちなんで、山階鳥研の地元、手賀沼で探鳥会が開催されます。1時間コース(~10:30)と2時間コース(~11:30)のどちらかを選んでいただき、手賀沼遊歩道沿いで、水辺の鳥、田んぼの鳥を観察します。小グループに分かれた参加者に、我孫子野鳥を守る会のベテランリーダーが付きますので、「これからバードウオッチングを始めたい」という方にぴったりです。ご家族連れも大歓迎です。
※当日は、我孫子市鳥の博物館の無料開放日です。探鳥会の後は、ぜひ鳥の博物館にもお立ち寄りください。

Enjoy手賀沼! 第26回バードウィーク手賀沼探鳥会
【日時】2015年5月10日(日)9:00~12:00(受付開始8:30)
※雨天の場合は鳥の博物館見学
【集合場所】千葉県手賀沼親水広場水の館玄関前(我孫子市高野山新田193)
アクセスはこちらです
【定員】100人 ※小学校低学年は保護者同伴
【申込】不要(当日受付) 【参加費】無料
【主催】我孫子野鳥を守る会・我孫子市鳥の博物館
【後援】(公財)山階鳥類研究所
【問合せ先】我孫子市鳥の博物館 Tel. 04-7185-2212

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

年に一度のめぐりあい、今年も我孫子をアオバズクが通ってゆきます

green_leaves2012年5月23日、2014年5月14日に通勤途上の千葉県我孫子市内でアオバズクが鳴いているのに会ったことをこのブログでご紹介していますが、また今年も残業帰りの帰宅途中にアオバズクの鳴き声を聞くことができました。

場所は3年前、昨年と同じ付近です。今年の個体は、昨年の個体のように落ち着いておらず、いつもの緑地と、すぐ近くを走る街道沿いのマンションの屋上など、ときにより場所を移りながら鳴いていました。

マンションの回りは緑や土が少なくて人工物に囲まれていますが、屋上のアンテナで鳴くと、人工物に囲まれている分、人間の耳には響きがよく感じられることもあり、鳴いているアオバズク自身もあんがい気持ちよいのかもしれません(本人(本鳥?)に聞いてみないとわかりませんが・・)。ただ街道沿いですので車の騒音がうるさいのが難点です。

こちらの録音は街道から少し外れた緑地でのものです。
【音声】アオバズクの声(2015年5月7日21時半ごろ 我孫子市内、59秒)

 

我孫子市内でもまだ繁殖している場所はあるかもしれませんが、この付近に限っていえば、今はアオバズクは繁殖していません。それでもこうして毎年のようにアオバズクに出会えるのはうれしいものです。

5月のテーマトークは「バンディングってなあに?」(5月9日(土))です

1982織田山-1_for_webゴールデンウィーク、関東地方は連日の晴天にめぐまれましたが、皆様楽しい休日を過ごされたでしょうか。

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、5月は今週末、5月9日の開催です。吉安京子・保全研究室専門員にバンディング(鳥類標識調査)について話してもらいます。

野生鳥類の生態を調べる手法のひとつにバンディング(鳥類標識調査)があり、世界各国で行われてさまざまな成果を挙げています。日本では山階鳥類研究所がバンディングのとりまとめのセンターとなっており、全国で多数のアマチュアの協力調査員(バンダー)がボランティアで参加して行われています。多数の当事者がかかわって渡り鳥の移動や寿命についてデータを集めるバンディングのあらましをご紹介します。

第47回「バンディングってなあに?」
【講師】吉安京子 山階鳥研保全研究室専門員
【日付】5月9日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 山階鳥研ウェブサイトの標識調査紹介ページ「渡り鳥と足環」はこちらです。
※ 同じく「鳥類標識調査 仕事の実際と近年の成果」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。