月別アーカイブ: 2015年12月

標識調査講習会を実施しました

koshukai151212月21日から23日の日程で、鳥類標識調査の従事者(バンダー)になるための講義講習会を山階鳥類研究所で実施しました。鳥類標識調査は、鳥類の移動や寿命などを番号つきの足環を使って調べる調査で、山階鳥研が環境省の委託を受けて実施しています。

今回参加したのは、北海道、東北、関東、中国からの合計7名です。講習生は、資格のあるバンダーのもとで一定のトレーニングを積んだ上で、山階鳥研の職員の野外調査に参加して実技講習を受けて今回の講義講習会に臨んだもので、標識調査に必要な知識や技術、関連法規などの講義を受けています。

現在、全国で約450名が調査に従事しており、年間約15万羽が標識放鳥(捕獲し足環をつけて放すこと)されています。

標識調査のあらまし(「渡り鳥と足環」)はこちらをご覧ください。

※ 画像はパソコンを使ったデータ入力の実習のようすです。

高校生も標本を利用しています

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12月15日、標本室に高校生の研究者が訪れました。

市川高校の2年生の田谷昌仁(たたにまさのり)君です。市川高校は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けていて、田谷君は、自身のテーマである、翼の形態学の研究のために、山階鳥類研究所の標本の計測に訪れたものです。

話をうかがいましたが、興味深い研究が進んでいるようです。そのうち成果を聞けるのを楽しみにしています。

ロシアから研究者が研究の打ち合わせに来所しました

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12月10日、ロシアの動物学研究者アレクセイ・クリュコフ(Dr. Alexey Kryukov)さんが、共同研究の打ち合わせのため来所しました。

クリュコフさんは、ウラジオストックにあるロシア科学アカデミー極東支所生物学土壌学研究所の進化動物学遺伝学研究室長で、これまでも山階鳥研の研究者と共同研究してきましたが、今回、ユーラシアから日本に分布する鳥類の系統研究の打ち合わせのため、来所したものです。当日は山崎剛史、齋藤武馬両研究員と打ち合わせをおこない、また標本室などを見学しました。

※ 写真は奄美諸島特産のルリカケスの研究用剥製標本を手に、山崎研究員から説明を受けるクリュコフさんです。

岡 上席研究員が東アジア特産の海鳥オオミズナギドリのお話をします。

omizunagidori03今週末の土曜日ですので、日程がテーマトークと重なってしまいましたが、岡奈理子上席研究員が、足立区の講座で、東アジア特産の海鳥、オオミズナギドリのお話をします。

オオミズナギドリはかつては伊豆諸島のほとんどの島で繁殖していた海鳥です。毎年9ヶ月をかけて育てるのはたった一羽のヒナ。最新の研究から分かった親子の不思議な生態と、オオミズナギドリが今、直面する問題を取り上げます。

★申込みが必要ですのでご注意ください。

足立区生涯学習センター教養講座
「山階鳥類研究所連携 オオミズナギドリの不思議な子育て」
【日時】2015年12月12日(土)14:00〜15:30
【場所】足立区生涯学習センター5階 研修室1(東京都足立区千住5-13-5 学びピア21)
(北千住駅西口より徒歩15分 →アクセス交通案内) TEL:03-5813-3730
【講師】岡奈理子(山階鳥研 自然誌研究室 上席研究員)
【参加費】無料
【対象】16歳以上の方
【定員】50名(申込先着順)
【申込み】足立区生涯学習センターへ電話または窓口・インターネットで
【主催・問合せ】足立区生涯学習センター

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

※ 画像は海上を飛ぶオオミズナギドリの群れです。

12月のテーマトークは「鳥類学とバイオミメティクス 〜鳥をまねした物づくり〜」(12月12日(土))です

3572371650_3843cd141c_c山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、11月はお休みをいただきましたが、12月は今週末、12月12日(土)の開催です。山崎剛史・自然誌研究室研究員に、「バイオミメティクス」について話してもらいます。

生き物たちは地球上の様々な場所で長い年月をかけて進化してきました。彼らは生きるために優れた機能を持っています。いま、生物学者と工学者がタッグを組むことで、そういった機能を真似し、私たちの暮らしに活かそうという試み—バイオミメティクス—に注目が集まっています。

講演では、鳥を対象にしたバイオミメティクス研究の最前線を紹介します。

第52回「鳥類学とバイオミメティクス 〜鳥をまねした物づくり」
【日程】2015年12月12日(土)
【講師】山崎剛史(山階鳥研自然誌研究室研究員)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
→ 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
※ テーマトークの過去の講演実績リスト(PDF)はこちらです。