アカヒゲとコマドリの学名はなぜ入れ替わってる?その原因になった本が今だけ見られます!

我孫子市鳥の博物館で開催中の「鳥・酉・鶏・とり 〜酉年はトリで楽しむ〜」(共催:山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館)、会期がすでに半分を過ぎましたが、皆様ご覧になっていただけましたでしょうか。

今回写真をご紹介するのは、18〜19世紀のオランダの動物学者、オランダ自然史博物館の初代館長コンラート・ヤーコプ・テミンクの著作「新編彩色鳥類図譜」(山階鳥研所蔵)です。

作品保護のため、5日ごとにページをめくって違うページをお見せしていますが、10月8日(日)の夕方までは日本の南西諸島産のアカヒゲのページが開かれています。鳥好きの方はご存じのトリビア、よく似た日本産の小鳥、アカヒゲとコマドリの学名がいれかわっていて、アカヒゲの種小名はkomadori、コマドリの種小名はakahigeであるのは、テミンクがこれらの小鳥に学名を与えたこの「新編彩色鳥類図譜」の間違いに起因しているのです。アカヒゲのあと、10月9日(月)から10月15日(日)までの5日間こんどはコマドリのページが開かれますのでこちらもぜひご覧になってください。


日本の江戸時代に海を越えてヨーロッパに世界中から鳥の標本がもたらされ、学名が与えられ、分類されて徐々に体系だてて整理されてゆきます。今、私たちが使っている図鑑もその頃から営々と続けられてきた生物学者たちの営みの結果としてあることが、この「新編彩色鳥類図譜」を見ても思いおこされますが、今回の企画展ではそのほかにも、鳥と人の関係をさぐるさまざまな展示をお見せしています。ぜひご来場ください。

我孫子市鳥の博物館第78回企画展「鳥・酉・鶏・とり 〜酉年はトリで楽しむ〜」
【会期】 2017年7月15日(土)〜11月26日(日)
【場所】 我孫子市鳥の博物館 千葉県我孫子市高野山234-3 Tel. 04-7185-2212
【休館日】毎週月曜日(祝日の場合は開館し、その直後の平日が休館日となります)
【時間】9:30 〜16:30
【料金】通常の入館料でご覧になれます。(一般300円、高校・大学生200円、中学生以下・70歳以上の方・障がい者の方 無料)
【詳細・公式サイト】我孫子市鳥の博物館企画展ページ
【主催】我孫子市鳥の博物館・(公財)山階鳥類研究所

第78回企画展「鳥・酉・鶏・とり展」チラシPDF

※ 「新編彩色鳥類図譜」の展示は10月28日(日)までで、10月31日(火)からは、セルビィの「英国鳥類学図譜」を展示します。
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。