山階鳥研の地元、我孫子市内に設置された巣箱で、今年もフクロウが子育てしました。先週末からいちばん大きなヒナが入り口から顔を出して、ときに愛らしい動作を見せています。
フクロウは、関東地方南部ですと、ゴールデンウィーク明け頃には巣立ちを迎える巣もあるようですが、よそでいろいろ聞く事例にくらべて、この巣箱の巣は例年かなり遅いようです。そのことに何かこの場所の環境などに関係した生態的な要因があるのか、ここの親鳥の個性なのかはわかりません。
フクロウの繁殖には餌が豊富な田園地帯や森林と、巣をつくるための樹洞のある大木が欠かせません。このうち、餌生物のいる環境はあるけれども繁殖できる大木がない場所では、巣箱をかけて巣の場所を提供してやることで、フクロウが増えることが可能になります。もちろんその大前提は巣箱で安心してフクロウが繁殖を成功させられることです。フクロウに限りませんが、みなさんも、営巣中の野鳥を見つけたら、鳥をびっくりさせて繁殖が途中でだめになってしまったりすることのないよう、そっとしておいてあげてください。
フクロウ成鳥の鳴き声(「桜咲きフクロウ鳴く我孫子」)はこちらです。
関東南部でもう一種類声が聞かれるフクロウの仲間、アオバズクの話題はこちらです。