すでにメディアで報道されており、ご存じの方も多いと思いますが、聟島で回収されたアホウドリの卵の分析結果についてご報告します。
山階鳥類研究所では、絶滅危惧種アホウドリのいっそう確実な復活のため、伊 豆諸島鳥島のアホウドリのヒナを小笠原諸島聟島に移送し、新しい繁殖地を形成 する事業に取り組んでおります。
人工飼育により巣立った個体(オス)と野生個体 (メス)との間に 2012 年 11 月 14 日に初めて産卵があったことや、抱卵されていた卵の発生が進んでいなかったことはすでにご報告していますが、その卵を回収して採取したミトコンドリアDNAを分析した結果、卵を産んだメスが尖閣諸島で生まれた個体の可能性が高いことが示唆されました。
報道発表資料はこちらです(9月12日)。
この研究は、北海道大学理学部の泉洋江氏、同大学総合博物館の江田真毅氏との共同研究として、2013年9月14日に日本鳥学会2013年度大会で発表しました。この事業は、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金ほかの支援をえて山階鳥研が実施しています。
※画像は手前がオス親(Y01)、奥がメス親。オス親の足もとにあるのが1月に回収して今回分析結果が出た初産卵の卵です。
山階鳥類研究所のアホウドリのウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらをご覧ください。