山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」9月号の内容紹介です。
この号は、さながら鳥類標識調査の小特集のようになりました。足環による個体識別をする標識調査はまず渡りの調査というイメージがあるでしょうが、寿命のデータを得ることも大きな目的です。近年は渡り経路を知るためには各種の発信器やロガーと呼ばれるハイテクな器機も使われていますが、野鳥の寿命については足環に代わるハイテク器機は存在しないのです。今回わかったホウロクシギの20年3ヶ月の記録も足環でしか得られない重要なデータです。さらに移動、渡りの新情報としてマミジロアジサシとマミチャジナイでめざましい成果が得られました。さらにこの号ではこういった標識調査の古典的な成果にくわえ、再捕獲のデータに限らず、最初に捕獲した際のデータをもとに、地球温暖化への鳥類の応答を探った、新しいタイプの成果もお知らせすることができました。この地球温暖化への応答に関する成果については、5月に報道発表して、メディアにも取り上げられました。
鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「若い燕」です。至ってまじめな内容です(^^)のでご一読ください。
1面 表紙写真(カンムリワシ) 賛助会員 佐野昌男
2面 奥野卓司副所長就任/ホウロクシギの長寿記録/イランからマミジロアジサシが飛来
3面 マミチャジナイがボルネオで越冬
4面 東南アジアからの渡り鳥 渡来と繁殖時期早期化の傾向
5面 オンライン蔵書検索リニューアル/野田市でコウノトリが放鳥
6面 イベント告知(「鳥の道を越えて」上映会/JBF鳥学講座スペシャル/JBF見にレクチャー)
7面 関西地区賛助会員集い報告/イベント告知(手賀沼流域フォーラム/テーマトーク)
8面 事務局から/とりのことば
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