小笠原群島聟島(むこじま)におけるアホウドリ新繁殖地形成事業において、2008年に聟島を巣立った人工飼育個体と野生個体のつがいの間で産卵・孵化に成功してヒナが初確認され、本日環境省、東京都と同時で報道発表を行いました。
このつがいは2008(平成20)年に巣立った個体(カラーリング番号赤色Y01、8歳、雄)いわゆる「イチローくん」と、野生個体(足環なし、雌)「ユキちゃん」です※。これまで3シーズン続けて巣作りし産卵が確認されていましたが、孵化するまでにはいたりませんでした。今回4度目の挑戦で初めてのヒナの誕生です。
ついに!やりましたね!おめでとう!!
このプロジェクトは、過去にアホウドリの繁殖地があった小笠原群島にふたたび繁殖地を作ることを目標にして行ってきたものです。山階鳥類研究所などが伊豆諸島鳥島から小笠原群島聟島に移送して人工飼育し巣立ったアホウドリが、繁殖年齢に達して小笠原に戻り、繁殖が成功した事例としては、2014年春に聟島の隣の媒島(なこうどじま)から巣立った1羽がありました。
今回飼育地の聟島でも繁殖が確認されたことで、アホウドリ完全復活という目標にまた一歩近づいたものと関係者一同、喜びもひとしおです。これまでご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。引き続きこのプロジェクトにご関心をお寄せいただき、ご支援いただけますようお願いいたします。
※ このつがいはNHK「ダーウィンが来た!」「NHKスペシャル「小笠原の海にはばたけ~アホウドリ移住計画~」」などで、「ユキ」と「イチロー」と呼ばれています。
※ この事業は、(公財)山階鳥類研究所が、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金等の支援を得て、新しい繁殖地を形成する目的で、伊豆諸島鳥島のアホウドリのヒナを小笠原群島聟島に移送(2008~2012年)し、その後モニタリングを実施しているものです。