日別アーカイブ: 2016年10月28日

「山階鳥類学雑誌」(第48巻1号)のご案内

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山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2016年9月30日付けで発行された、2016(平成28)年度の第1号についてご紹介します。

● 短報
鈴木惟司: 南関東における有毒性小低木オニシバリDaphne pseudomezereum(ジンチョウゲ科Thymelaeaceae)の果実食者と種子食者. pp. 1-11.
● 報告
吉原隆太・後藤義仁・北浦賢次・水田拓: 鹿児島県奄美大島におけるヤイロチョウPitta nymphaの記録. pp. 12-15.
説田健一: 山階鳥類研究所の籾山鳥類コレクションから見つかった柳原要二による鳥類標本. pp. 16-28.
川路則友ほか: 東京近郊におけるオスヤマドリの行動圏および環境利用様式(英文). pp. 29-35.

● 誌碑  pp. 36-37.
● 書評 pp. 38.
● 正誤表 p. 39.
● 投稿される方へ(和文・英文)pp. 40-49.

<編集長の中村浩志信州大学名誉教授の編集後記から>
「自動撮影カメラが鳥の研究に役立つことを示す論文がまた本号に掲載された。鈴木惟司氏による有毒性小低木オニシバリの果実採食者に関する論文である。この植物は夏に赤い果実をつけるが、自動撮影カメラでその採食者はヒヨドリとカワラヒワで、前者は果肉を、後者は種子を食べることを示した。若い頃にカワラヒワの生態を研究した私にとって、林床でしかもこんなマイナーな植物の種子を採食している写真は、大きな驚きであった。いくら時間をかけて、野外観察しても、このような事実を明らかにすることは不可能である。昼夜を問わず監視を続ける自動撮影カメラのなせる威力と言えるだろう。
私は最近、ライチョウの生息する各地の山岳に自動撮影カメラを設置し、高山に侵入したニホンジカ、ニホンザル、イノシシ、キツネ、テン、カラス等が、日本の高山の生態系を破壊しつつある現状を監視し続けている。野外調査では、見えるものだけでなく、見えないものを見ることもまた重要である。」

「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
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アホウドリの保全活動と無人島生活を体験して/台湾のフクロウ類の目玉模様/絶滅危惧種ヘラシギ人工孵化個体の渡来確認2例に 「山階鳥研NEWS」9月号

news_1609_s大変遅くなりましたが、山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」9月号をご紹介します。

3頁には、この1月に山階鳥研の調査隊に同行して、アホウドリの再導入プロジェクトの一環で行われているモニタリング調査にたずさわった学生レポーターのおひとり、篠原直登さんに体験記をお願いしました。5頁では、2000年代に急激に減少して、風前の灯と考えられている東アジア特産のシギ・チドリ類ヘラシギのロシアの繁殖地での保全活動が少しずつ効果を現す兆しを示していることが、鳥類標識調査により判明したことをご報告しました。

鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「からすの行水」です。

「山階鳥研NEWS」2016年9月号 目次
1面 表紙写真(シジュウカラ)賛助会員孝橋貞樹
2面 上田恵介博士に山階賞を贈呈/第19回山階芳麿賞記念シンポジウム
3面  アホウドリの保全活動と無人島生活を体験して 東京大学大学院篠原直登
4面  Q&A 台湾のフクロウ類の目玉模様の意味は?
5面  絶滅危惧種ヘラシギ人工孵化個体の渡来確認2例に
6面  東日本地区賛助会員の集い開催報告/テーマトークご案内
7面  イベントご案内(足立区教養講座「アホウドリ保全研究の最前線」/手賀沼流域フォーラム/鳥学講座「コアジサシ保全の現場から」/JBF 2016「山階鳥研見にレクチャー8」)
8面  訃報(橘川次郎氏)/事務局から(新賛助会員・ご寄付)/とりのことば「からすの行水」/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。

※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
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