投稿者「山階鳥研広報」のアーカイブ

「山階鳥類学雑誌」(第45巻1号)のご案内

chogakuzasshi45_1山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2013年9月30日付けで発行された、2013(平成25)年度の第1号についてご紹介します。
(編集長の中村浩志信州大学名誉教授の編集後記から)
「今号では、江戸時代の文献資料に記載されているツル類の名称の考察からタンチョウの名称を再検討した久井貴世さんの論文を掲載いたしました。査読いだたく古文献に詳しい方がおられるか当初苦慮したのですが、幸い適任の方に快く引き受けていただき、掲載に至りました。文献資料から過去の日本における鳥類の分布や生息状況を知ることは、現在の生息状況や保護を考える上で、重要な問題です。今後、古文献に基づいたこのような論文の投稿も歓迎したいと思います。」

山階鳥類学雑誌 第45巻1号(No. 129)
● 原著論文
平山琢二,福田 真,平川守彦: ヤンバルクイナ(Gallirallus okinawae)の鳴き声の季節変化につて pp.1-8
久井貴世: 江戸時代の文献史料に記載されるツル類の同定─タンチョウに係る名称の再考察─ pp.9-38
● 短報
藤巻裕蔵: 北海道におけるクマゲラの繁殖期の分布 pp.39-45
風間健太郎,岩本麻未,堀 由紀子,新妻靖章: 外気温が人工飼育されたカワウ亜成鳥の摂餌量に及ぼす影響(英文) pp.46-52
中村雅彦,R. S. Rakotosoa, H. Rakotomanana: チェバートオオハシモズとシリアカオオハシモズの繁殖生態の追加報告(英文) pp.53-58
● 報告
西出 隆,小笠原 暠: 秋田県に渡来したハクガンの長期記録(1971/72 年冬~2010/11 年冬) pp.59-64
● 誌碑  吉井正・山階鳥類研究所前標識研究室長 pp.65-66
● 投稿される方へ pp.67-71
● 投稿される方へ(英文) pp.72-76

「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

新年のご挨拶/大きく変わった鳥の分類ー日本鳥類目録改訂第7版ー/聟島のアホウドリ今シーズンも産卵〜「山階鳥研NEWS」1月号

news201401山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」1月号が発行になりました。
2012年9月に日本鳥学会の「日本鳥類目録」改訂第7版が出版され、新記録の鳥が多数、日本産鳥類として加えられるとともに、分類についても大幅な改訂が行われ、研究者やバードウォッチャー、図鑑を発行している出版社等にも大きな波紋が広がりました。4〜5頁の「大きく変わった鳥の分類ー日本鳥類目録改訂第7版ー」では、この改訂について、作業に携わった山崎剛史・研究員に解説してもらいました。
鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「千鳥格子」です。
「山階鳥研NEWS」2014年1月号 目次
1面  表紙写真(キクイタダキ) 賛助会員 大浦晴壽
2面  新年のご挨拶   理事長 島津久永/
山階武彦助成事業応募受付のお知らせ/NEWS表紙写真募集のお知らせ
3面  JBF2013報告・全日本カービングコンクール所長賞/テーマトークのご案内
4〜5面   大きく変わった鳥の分類ー日本鳥類目録改訂第7版ー 山崎剛史
6面  聟島のアホウドリ今シーズンも産卵/
所員の著書「折居彪二郎採集日誌」/
手賀沼流域フォーラムで所長が講演しました
7面  中部地区賛助会員の集い報告/九州地区賛助会員の集いのお知らせ/訂正
8面  事務局から/とりのことば
「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

明けましておめでとうございます

kuroganemochi02皆様、明けましておめでとうございます。旧年中は、多くの皆様に山階鳥類研究所の活動にご理解とご支援をいただき大変ありがとうございました。
山階鳥類研究所ウェブサイトに、島津久永理事長の「新年のご挨拶」を掲載いたしました。
本年も引き続き山階鳥類研究所への応援よろしくお願いいたします。
昨年のブログの更新回数は63回でした。今年も極力間をあけないよう更新してゆきたいと思います。こちらもよろしくお願いいたします。

献本いつもありがとうございます

皆さん、年末年始はどんな計画をたてていらっしゃるでしょうか。ことによると、どこにもでかけず読書三昧を楽しまれる計画の方もいらっしゃるでしょうか。
そんな方に、ということもかねて、ここでは出版社や著者から紹介の依頼を付して献本いただいた書籍を紹介します。ご寄贈くださった皆様、大変ありがとうございました。
★    ☆    ★
百瀬淳子『アビ鳥を知っていますか 人と鳥の文化動物学』福村出版, 東京.(2011年9月15日発行、 258頁、2,400円+税、ISBN 978-4-571-51005-2)→版元ページはこちら

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三上修『スズメの謎 身近な野鳥が減っている?』誠文堂新光社, 東京. (2012年12月31日発行、144頁、1,500円+税、ISBN 978-4-416-21269-1)→版元ページはこちら

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藤井幹・井上雅英『野鳥が集まる庭を作ろう』誠文堂新光社, 東京. (2013年2月28日発行、144頁、1,500円+税、ISBN 978-4-416-11317-2)→版元ページはこちら

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川上和人『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』技術評論社, 東京. (2013年4月25日発行、272頁、1,880円+税、ISBN 978-4-7741-5565-4)→版元ページはこちら

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樋口広芳『鳥・人・自然 いのちのにぎわいを求めて』東京大学出版会, 東京. (2013年5月15日発行、xi+233+5頁、2,800円+税、ISBN 978-4-13-063336-9)→版元ページはこちら

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三上修『スズメ つかず・はなれず・二千年』岩波科学ライブラリー213. 岩波書店, 東京. (2013年10月4日発行、119頁、1,500円+税、ISBN 978-4-00-029613-7)→版元ページはこちら

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綿貫豊『ペンギンはなぜ飛ばないのか?海を選んだ鳥たちの姿』(もっと知りたい!海の生きものシリーズ(6))恒星社厚生閣, 東京. (2013年10月10日発行, 128頁、2,600円+税、ISBN 978-4-7699-1464-8)→版元ページはこちら

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Rob Hume [樋口広芳監訳・嶋田香訳]『地上を走る鳥のなかま』(知られざる動物の世界9)朝倉書店, 東京. (2013年10月20日発行、113頁、3,400円+税、ISBN 978-4-17769-5)→版元ページはこちら

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児童文学の国松俊英さんが来所されました

kunimatsu_san_sasagawa_san児童文学者の国松俊英さんが、取材のため来所されました。
国松さんは鳥に関係する児童文学やノンフィクションを多数出版されていますが、今回は山階鳥研で資料を所蔵している鳥類生態写真家 下村兼史(しもむら・けんじ)に関連する取材でした。
野鳥生態写真の先駆者下村兼史資料 についてはこちらをご覧ください。
※ 写真は、下村兼史の縁戚にあたる旧職員の笹川昭雄さん(右)から話を聞く国松さんです。

今年もアホウドリが産卵しました!〜小笠原群島聟島

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● 今年も聟島でアホウドリが産卵しました!
絶滅危惧種アホウドリの小笠原再導入のため、2008年から2012年まで5年間、伊豆諸島鳥島から合計70羽のヒナを移送し、人工飼育によって69羽の巣立ちに成功していた、小笠原群島聟島(むこじま)で、昨年に引き続き、1卵の産卵が確認されました。
産卵が確認されたのは、昨年とおなじ、2008年に巣立った個体(色足環番号Y01、5歳、雄)と野生個体(足環なし)のつがいです。
山階鳥類研究所とNHKが共同で設置している監視カメラの画像を精査したところ、11月9日の映像でこのつがいの巣内に卵が確認されたものです。
報道発表資料はこちらです(2013年12月13日)。

● これまでの成果が、保全生物学の学術雑誌Oryxに掲載されています
アホウドリの小笠原再導入のこれまでの成果を報告した論文です。こちらのリンクで、英文要旨を読むことができます
Deguchi et al. 2013. Translocation and hand-rearing of the short-tailed albatross Phoebastria albatrus: early indicators of success for species conservation and island restoration. Oryx The International Journal of Conservation.
● 「鳥類保護のモデルケースに – アホウドリ回復プロジェクト」もお読みください
このプロジェクトを進めてきた出口智広研究員による解説を、科学技術振興機構のウェブサイト「サイエンス・ポータル」で読むことができます。こちらから、「鳥類保護のモデルケースに – アホウドリ回復プロジェクト」(2013年1月8日)をぜひお読みください。
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山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

12月のテーマトークは「南西諸島の南北で異なるリュウキュウキビタキの羽色」(12月14日(土))です

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皆様、山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」は明日、12月14日の開催です。茂田良光・保全研究室研究員が、リュウキュウキビタキの研究についてお話しします。
キビタキは九州以北にも夏鳥として渡来しますが、今回はキビタキのなかの、南西諸島に分布する亜種リュウキュウキビタキについてです。南西諸島にバードウォッチングに行かれた方は、九州以北のキビタキとはちょっと違った鳥をご覧になったことがある方もいらっしゃるでしょう。その亜種リュウキュウキビタキは、以前はもっと細かく、亜種ヤクシマキビタキと亜種アマミキビタキ,および亜種リュウキュウキビタキの3つに分けられていました。今回のお話は、現在のようにまとめられている分類が妥当なのか、以前の細かい分類に対応した違いがあるかについてお話しします。
第32回 南西諸島の南北で異なるリュウキュウキビタキの特徴
【講師】茂田良光 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】12月14日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】各回とも先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

ドイツから渡りの研究者が来所しました

seminar_wikelski0111月29日、ドイツの渡り鳥研究者ら3名が来所しました。ドイツのマックス・プランク鳥類学研究所が中心になって進めている、人工衛星を使った新しい渡り鳥研究の国際プロジェクトについて、日本の渡り研究者との協力関係構築の可能性を探りに来訪したものです。
同研究所の渡り・免疫生態学部の、マーティン・ヴィケルスキ(Martin Wikelski)教授がセミナーを行い、小鳥類にも応用可能で、取得できるデータも多い、人工衛星を利用した地球規模の研究プロジェクトについて紹介し、尾崎清明・保全研究室長らと意見交換しました。

11月のテーマトークは「標識調査による陸鳥の繁殖モニタリング調査(MAPS)」(11月9日(土))です

mapsfuukei_revジャパン・バード・フェスティバル(JBF)の興奮もまださめやりませんが、今週の土曜日は、JBFの「山階鳥研 見にレクチャー」では野外調査のためお話をしなかった、仲村昇・保全研究室研究員がお話しします。
福島第一原子力発電所の事故で拡散した放射性物質が鳥類に与える影響が心配されています。こういった環境の汚染や変化について把握する方法として、広い範囲で長期間、鳥の繁殖成功の割合などに変化がないかを調べることがが考えられます。鳥類標識調査は、もともと、足環を装着して放した野鳥が再度発見された場合に、渡りや寿命についての情報がわかることを期待して始められたものですが、こういったモニタリングの手法としても期待されるようになってきています。今回ご紹介する調査は、全国の複数箇所の調査地で、決まった努力量で繁殖期に長期間調査し、幼鳥の捕獲割合など繁殖の指標となるデータを取ることで、環境の変化を把握しようというもので、イギリスやアメリカでも同様な調査が行われています。昨年から開始したこの調査について、予備的な結果を紹介します。
第31回 標識調査による陸鳥の繁殖モニタリング調査(MAPS)
【講師】仲村昇 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】11月9日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】各回とも先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

JBFでの催しに多数のご来場をいただきありがとうございました

jbf201311月2・3日に開催された、ジャパン・バード・フェスティバル2013(JBF2013)に多数のご来場をいただき大変ありがとうございました。
山階鳥研で開催した、「山階鳥研 見にレクチャー」(2・3日の両日)、「鳥学講座」(2日午後、我孫子市鳥の博物館と共催)にも大変たくさんのご来場をいただきました。
当日記入いただいたアンケートは集計中ですが、毎年楽しみに訪れてくださるリピーターの方もいらっしゃる一方、初めて参加された方もたくさんいらっしゃるようです。
引き続きご関心をおよせいただき、ご支援いただけるよう努力してきたいと思います。
当日のようすについては、「山階鳥研NEWS」来年1月号でご報告いたします。
山階鳥研のイベント情報はこちらです。
ご支援のお願いはこちらです。
※ 画像は、11月3日朝の「山階鳥研 見にレクチャー」会場での整理券配布のようすです。