投稿者「平岡考」のアーカイブ

アホウドリが大人の羽色になるのは何歳か、ご存じですか?〜「アホウドリ展」があと2日、今週日曜日までです!

ageing_STALこの夏、我孫子市鳥の博物館で開催されてご好評をいただいている「アホウドリ展ー復活への挑戦ー」もいよいよ会期が残すところあとこの土日のみになりました。

アホウドリの歴史、生態、保護活動などさまざまな情報を展示物で紹介した見応えのある展示です。まだご覧になっていないかたはぜひお急ぎください。

展示の中から今日は少し、マニアごのみの話題を・・。アホウドリは大人の羽色になるのに時間がかかることが知られていますが、本によって5年以上とか、7〜8年といったことが書いてあることもあると思います。今回の展示では、足環で個体識別して年齢がわかっている個体の写真が年齢ごとに展示してあります。それを見ると驚いたことに、こんな年になってもまだ完全な大人の羽色にならないのか、というのがわかります(写真上;詳細は実際に展示をご覧ください)。

さらに、最近、遺伝的に相当距離が離れていることが明らかにされた、尖閣諸島の個体群の鳥と、従来から知られていた鳥島の鳥の「顔が違う」という話題も展示になっています(写真下)。
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第72回鳥の博物館企画展「アホウドリ展-復活への挑戦-」

【期間】2015年7月11日(土)〜 9月6日(日)
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階企画展示室 → 交通案内
【共催】公益財団法人山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館
【料金】無料(入館料がかかります)
【問合せ】電話04-7185-2212(我孫子市鳥の博物館)

※ 山階鳥研ウェブサイトの「アホウドリ最新情報」はこちらです。
※ 同じく「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

 

またの名をトケン類、カッコウの仲間が、越冬地への旅立ち前に無言のまま我孫子を通過してゆきます

tsutsudori01山階鳥研のすぐ目の前に広がる手賀沼沿いにある遊歩道の桜並木に、ふだんは見慣れない鳥がとまっています。

この鳥はツツドリといって、日本には夏鳥として、つまり初夏に繁殖のために渡ってくる鳥です。日本の山地の森林での繁殖を終えて、東南アジアなどの越冬地への旅立ち前に、平野部を通過してゆくのです。

山登りをする方は、5月から6月のころ、緑の深い森のなかから、ポポ、ポポ、・・・というこの鳥の声がするのを聞かれたことがあるでしょう。この鳥はカッコウ科という、カッコウやホトトギスの仲間で、カッコウやホトトギスと同様、自分では巣を作らず、他の種の鳥の巣に卵を産みこんで育てさせる「托卵」という習性を持っています。

カッコウの仲間の鳥たちはガの幼虫(毛虫)が好物です。このツツドリがとまっているサクラの木も、毛虫のせいで、丸坊主になってしまっているのが写真でおわかりと思います。

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毛虫がたくさんいて、彼らにはご馳走なのでしょう、遊歩道にはあちらこちらと何羽もツツドリがいるようです。地元の熱心な鳥好きの方たちによるとホトトギスも観察されたとのこと。この仲間は姿が互いにそっくりで、識別に役立つ声も今は出すことがなく、見分けが非常に難しいのですが、そこがまたたまらない、という鳥好きもいそうです。

これから南の越冬地へ旅立つカッコウ類たちの毛虫パーティはひとときのこととは思いますが、いつごろまで見られるでしょうか。個体が入れ替わっているのか、同じ個体が長くいるのかなども興味深いところです。

※ 「トケン(杜鵑)」とはホトトギスのことで、杜鵑類とは、現在はカッコウ科と言われているこの仲間の古い呼び方です。

奥野卓司副所長就任/鳥類標識調査の最近の成果(長寿記録と驚くべき移動、そして地球温暖化に対する鳥類の応答)/オンライン蔵書検索リニューアル〜「山階鳥研NEWS」9月号

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山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」9月号の内容紹介です。

この号は、さながら鳥類標識調査の小特集のようになりました。足環による個体識別をする標識調査はまず渡りの調査というイメージがあるでしょうが、寿命のデータを得ることも大きな目的です。近年は渡り経路を知るためには各種の発信器やロガーと呼ばれるハイテクな器機も使われていますが、野鳥の寿命については足環に代わるハイテク器機は存在しないのです。今回わかったホウロクシギの20年3ヶ月の記録も足環でしか得られない重要なデータです。さらに移動、渡りの新情報としてマミジロアジサシとマミチャジナイでめざましい成果が得られました。さらにこの号ではこういった標識調査の古典的な成果にくわえ、再捕獲のデータに限らず、最初に捕獲した際のデータをもとに、地球温暖化への鳥類の応答を探った、新しいタイプの成果もお知らせすることができました。この地球温暖化への応答に関する成果については、5月に報道発表して、メディアにも取り上げられました。

鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「若い燕」です。至ってまじめな内容です(^^)のでご一読ください。

「山階鳥研NEWS」2015年9月号 目次

1面 表紙写真(カンムリワシ) 賛助会員 佐野昌男
2面 奥野卓司副所長就任/ホウロクシギの長寿記録/イランからマミジロアジサシが飛来
3面 マミチャジナイがボルネオで越冬
4面 東南アジアからの渡り鳥 渡来と繁殖時期早期化の傾向
5面 オンライン蔵書検索リニューアル/野田市でコウノトリが放鳥
6面 イベント告知(「鳥の道を越えて」上映会/JBF鳥学講座スペシャル/JBF見にレクチャー)
7面 関西地区賛助会員集い報告/イベント告知(手賀沼流域フォーラム/テーマトーク)
8面 事務局から/とりのことば

鳥類標識調査については、山階鳥研のウェブサイトから「渡り鳥と足環」をご覧ください。

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。

※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
※山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

新旧理事長のご挨拶/タマシギの繁殖生態/ツバメの巣の放射性セシウム調査/H26年度寄附金・賛助会員収入と会員数ご報告〜「山階鳥研NEWS」7月号

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山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」7月号の内容紹介をまだ掲載していませんでした。

6月12日をもって島津久永理事長が退任し、壬生基博理事長が就任いたしましたので、それぞれ「退任のごあいさつ」「就任のごあいさつ」を掲載しました。さらに、2015年3月末をもって定年退職した、米田研究員が執筆したタマシギの繁殖生態の記事を掲載しました。鳥はほとんどが一夫一妻ですが、一夫多妻、一妻多夫、多夫多妻などの繁殖形態もあります。米田研究員はまずさまざまな繁殖形態について概観してから、一妻多夫とされるタマシギの事例を考察しており、わかりやすい記事になっていると思います。ツバメの巣の放射性セシウム調査は5月に報道発表して、メディアにも取り上げられた内容です。

鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「アルバトロス」です。

「山階鳥研NEWS」2015年7月号 目次
1面 表紙写真(ヤマガラ) 賛助会員 大浦晴壽
2面 退任のご挨拶  島津久永
3面 就任のご挨拶  壬生基博/アホウドリ展を見にきませんか
4〜5面 タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」米田重玄 元保全研究室研究員
6面 全国のツバメの巣の放射性セシウムを調査/平成26年度寄附金・賛助会員収入と会員数ご報告
7面 平成26年度決算報告/中国地区賛助会員の集い報告/イベント告知(テーマトーク)
8面 事務局から/とりのことば
壬生新理事長の「就任のごあいさつ」はこちらからご覧になれます。

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。

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8月14日(金)は一斉休業します

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2011年以降実施しておりますが、夏季の節電対策として山階鳥研は、照明、空調の使用抑制等に加えて、今夏も2度の一斉休業を行い、その2度目を8月14日(金)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご了承ください。

「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです.

8月のテーマトークは「小笠原へのアホウドリ再導入作戦のこれまでの成果」(8月8日(土))です

H26報告書図6-4連日、あちらで38度、こちらで39度と、びっくりするような気温の報道がされていますが、皆様、夏ばてされていないでしょうか?

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、8月は今週末、8月8日の開催です。

7月26日放送のNHKスペシャル「小笠原の海にはばたけ 〜アホウドリ移住計画〜」は、手強い裏番組(^^)もあるなか、多くの皆さんに視聴していただき大変好評だったようです。大変ありがとうございます。今回のテーマトークは、この番組でも小笠原での仕事の中心人物として紹介された、出口智広・保全研究室研究員に登場してもらいます。

出口研究員を中心とする研究チームは、2008年から2012年まで小笠原諸島の聟島(むこじま)で毎年ヒナを飼育して巣立たせたわけですが、昨冬にはこのヒナたちの最後の世代が島に帰り始めるようになりました。今回のお話では、これまでの小笠原におけるアホウドリの飛来や繁殖の状況と、今後の取り組みについて説明してもらいます。

第50回「小笠原へのアホウドリ再導入作戦のこれまでの成果」
【講師】出口智広 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】8月8日(土)
【時間】13時30分~  ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール  → 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

会場の我孫子市鳥の博物館では、現在「アホウドリ展 −復活への挑戦−」を開催中です(〜9月6日(日))。出口研究員のトークとあわせてご覧になると一層興味深いと思います。多くの皆様のご来場をお待ちしています。

※ 山階鳥研ウェブサイトの「アホウドリ最新情報」はこちらです。
※ 同じく
「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

※ 写真は、聟島のアホウドリのつがい、Y01(イチロー)(左)と 尖閣個体(ユキ)(右)です。

★なお、テーマトークの今年のこれからの予定ですが、9月、11月はお休みさせていただき、次回は10月10日(土)、その次は、12月12日(土)の開催です。よろしくお願いします。

NHKスペシャルで「小笠原の海にはばたけ ~アホウドリ移住計画~」を放送します(7/26(日))

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今週の日曜日、7月26日の夜放送のNHKスペシャルでアホウドリの小笠原再導入プロジェクトが取り上げられます。

山階鳥研では、絶滅危惧種アホウドリのいっそう確実な復活のために、小笠原再導入のプロジェクトを進めてきました。2008年から5年間、アホウドリのヒナを小笠原諸島聟島(むこじま)に移送して人工飼育して育て、69羽のヒナを巣立たせてきましたが、2014年にその中の1羽がお隣の媒島(なこうどじま)で繁殖してヒナを巣立たせたことが、最近確認されました。

過去にアホウドリの繁殖地があった小笠原諸島にふたたび繁殖地を作ることを目標にして行ってきた再導入プロジェクトから、まだたった1羽ですが、大きな成果が出たことを受けて、これまで8年間の取材の総まとめとして、今回の番組が企画されました。「伊豆・小笠原の自然のダイナミックさ、そして不思議さあふれるアホウドリの生態が満載の内容」ということです。ぜひご家族でお楽しみください。

NHKスペシャル「小笠原の海にはばたけ 〜アホウドリ移住計画〜」
7月26日(日)21:00〜21:49 NHK総合テレビ
(再放送)7月29日(水)0:10〜0:59 (28日(火)深夜)

アホウドリの小笠原再導入は、山階鳥研が、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金、朝日新聞社、キヤノン株式会社ほかの支援を得ておこなっています。

※ 予告動画(NHKスペシャルのページ)はこちらです。
※ 媒島での人工飼育個体の繁殖のニュースはこちらです。

★ この夏、我孫子市鳥の博物館では「アホウドリ展-復活への挑戦-」を開催しています。テレビを見て関心を持たれた皆さんは我孫子鳥博へ!もちろん、展示を見てからテレビを見るのもOKです!
※ 「アホウドリ展」(於:我孫子市鳥の博物館、〜9/6(日))のご案内はこちら(鳥の博物館のページ)です。

※ 山階鳥研のアホウドリページ「アホウドリ復活への展望」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

7月21日(火)は一斉休業します

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2011年以降実施しておりますが、夏季の節電対策として山階鳥研は、照明、空調の使用抑制等に加えて、今夏も2度の一斉休業を行い、その1度目を7月21日(火)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご了承ください。

「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです.

関西地区賛助会員の集いを開催しました

tsudoi_osaka_IMG_5214縮小7月2日、大阪市内で、関西地区賛助会員の集いを開催しました。詳しくは「山階鳥研NEWS」9月号でご報告します。

多くの皆様に賛助会員になっていただけるようお願いしています。入会については「ご支援のお願い」をご覧ください。
「山階鳥研NEWS」についてはこちらをご覧ください。

7/11(土)から我孫子市鳥の博物館で「アホウドリ展」、連動して、開催初日に、7月のテーマトーク「アホウドリ復活から学ぶこと」を行います。

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今年の夏は、我孫子市鳥の博物館で「アホウドリ展」が開催されます。この企画展では、山階鳥研がこれまで組織的に取り組んできた「鳥島でのデコイ作戦」と「小笠原への再導入作戦」を中心に、アホウドリの保護活動の歴史を紹介します。

第72回鳥の博物館企画展「アホウドリ展-復活への挑戦-」

【期間】2015年7月11日(土)〜 9月6日(日)
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階企画展示室 → 交通案内
【共催】公益財団法人山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館
【料金】無料(入館料がかかります)
【問合せ】電話04-7185-2212(我孫子市鳥の博物館)

この「アホウドリ展」に連動して、山階鳥研の所員が同博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」は、7、8月とアホウドリ2連発です。まず7月は、アホウドリの保護活動に長年携わってきた佐藤文男・研究員がお話しします。

佐藤研究員による内容紹介は次のようです。

「再発見から65年、アホウドリは復活の道を歩み始めました。この間、保護活動は多くの人々の情熱に支えられてきましたが、今も多くの困難な問題を抱えています。解決にはアホウドリのためにという思いを持ち続けることが大事です。近年、鳥類の絶滅危惧種数は増加の一方で、多くの種でその未来は明るくありません。山階鳥類研究所の25年間のアホウドリ保護活動から見える希少種保護について考えて見ます。」

第49回「アホウドリ復活から学ぶこと」

【講師】佐藤文男 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】7月11日(土)
【時間】 13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

ぜひお楽しみに!

※ 山階鳥研ウェブサイトの「アホウドリ最新情報」はこちらです。
※ 同じく「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

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