2015年5月22日に、「2011 年に使用されたツバメの巣を調査したところ全国 21 都道府県中、1 都 12 県の巣から放射性セシウムが検出されました 」のタイトルでプレスリリースを行い、複数のメディアによって取り上げられました。その結果、報道をご覧になった多くの皆様からお問い合わせをいただきました。
今回の発表に関して、山階鳥類研究所所長より補足とお願いがあります。下記リンクをご覧ください。
2015年5月22日に、「2011 年に使用されたツバメの巣を調査したところ全国 21 都道府県中、1 都 12 県の巣から放射性セシウムが検出されました 」のタイトルでプレスリリースを行い、複数のメディアによって取り上げられました。その結果、報道をご覧になった多くの皆様からお問い合わせをいただきました。
今回の発表に関して、山階鳥類研究所所長より補足とお願いがあります。下記リンクをご覧ください。
このたび、福島第一原子力発電所事故による鳥類の棲息環境への影響調査として、2011年に使用されたツバメの巣の放射性セシウム濃度をを調査した結果がまとまり、論文発表しました。
プレスリリース
2011年に使用されたツバメの巣を調査したところ、全国21都道府県中、1都12県の巣から放射性セシウムが検出されました
リリースの資料はこちらのリンクから、5月22日の内容をご覧ください。
今回の結果でえられたツバメの巣に含まれる放射性セシウムの濃度は、通常の生活を営んでいる限り、人体に直ちに影響が出るレベルではありません。今年もツバメの繁殖期が始まっていますが、繁殖中であったり、これから繁殖しようとしているツバメの巣を壊さないようお願いします。
巣の収集にあたっては、多くの皆様から巣の情報をお寄せいただき、また巣の提供をいただきました。大変ありがとうございました。この調査は、三井物産環境基金2011年度東日本大震災復興助成を受けて実施しました。
※ 山階鳥研の東日本大震災関連の活動の一部はこちらでご紹介しています。
鳥類標識調査は、カスミ網などを使って鳥類を捕獲し、個体識別用の足環を装着して放鳥するもので、始まった当初は、鳥類の渡りや寿命などの生態を明らかにすることが主な目的でした。近年、人為的な要因による環境の変動が問題になってきたことにともない、鳥類の生息状況のモニタリングへの活用が世界的に探られています。
日本での鳥類標識調査はすでに戦前から開始されていましたが、山階鳥研では1961年に林野庁によって再開されたときから携わっており、現在は環境省の委託事業として、多くのボランティアの協力を得て実施しています。1961年以降、足環を装着して放鳥した500万羽以上のデータが蓄積されています。
このたび、この鳥類標識調査データなどを分析し、地球温暖化に対する鳥類の応答について検討した結果がまとまり、報道発表しましたのでご案内します。
プレスリリース
東南アジアから日本に渡ってくる夏鳥4種のうち、3種で渡来と繁殖時期が早期化している傾向が見いだされました。
リリースの資料はこちらのリンクから、5月13日の内容をご覧ください。
※ 鳥類標識調査についてはこちらの「渡り鳥と足環」をご覧ください。
バードウィークにちなんで、山階鳥研の地元、手賀沼で探鳥会が開催されます。1時間コース(~10:30)と2時間コース(~11:30)のどちらかを選んでいただき、手賀沼遊歩道沿いで、水辺の鳥、田んぼの鳥を観察します。小グループに分かれた参加者に、我孫子野鳥を守る会のベテランリーダーが付きますので、「これからバードウオッチングを始めたい」という方にぴったりです。ご家族連れも大歓迎です。
※当日は、我孫子市鳥の博物館の無料開放日です。探鳥会の後は、ぜひ鳥の博物館にもお立ち寄りください。
Enjoy手賀沼! 第26回バードウィーク手賀沼探鳥会
【日時】2015年5月10日(日)9:00~12:00(受付開始8:30)
※雨天の場合は鳥の博物館見学
【集合場所】千葉県手賀沼親水広場水の館玄関前(我孫子市高野山新田193)
アクセスはこちらです
【定員】100人 ※小学校低学年は保護者同伴
【申込】不要(当日受付) 【参加費】無料
【主催】我孫子野鳥を守る会・我孫子市鳥の博物館
【後援】(公財)山階鳥類研究所
【問合せ先】我孫子市鳥の博物館 Tel. 04-7185-2212
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
2012年5月23日、2014年5月14日に通勤途上の千葉県我孫子市内でアオバズクが鳴いているのに会ったことをこのブログでご紹介していますが、また今年も残業帰りの帰宅途中にアオバズクの鳴き声を聞くことができました。
場所は3年前、昨年と同じ付近です。今年の個体は、昨年の個体のように落ち着いておらず、いつもの緑地と、すぐ近くを走る街道沿いのマンションの屋上など、ときにより場所を移りながら鳴いていました。
マンションの回りは緑や土が少なくて人工物に囲まれていますが、屋上のアンテナで鳴くと、人工物に囲まれている分、人間の耳には響きがよく感じられることもあり、鳴いているアオバズク自身もあんがい気持ちよいのかもしれません(本人(本鳥?)に聞いてみないとわかりませんが・・)。ただ街道沿いですので車の騒音がうるさいのが難点です。
こちらの録音は街道から少し外れた緑地でのものです。
【音声】アオバズクの声(2015年5月7日21時半ごろ 我孫子市内、59秒)
我孫子市内でもまだ繁殖している場所はあるかもしれませんが、この付近に限っていえば、今はアオバズクは繁殖していません。それでもこうして毎年のようにアオバズクに出会えるのはうれしいものです。
ゴールデンウィーク、関東地方は連日の晴天にめぐまれましたが、皆様楽しい休日を過ごされたでしょうか。
山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、5月は今週末、5月9日の開催です。吉安京子・保全研究室専門員にバンディング(鳥類標識調査)について話してもらいます。
野生鳥類の生態を調べる手法のひとつにバンディング(鳥類標識調査)があり、世界各国で行われてさまざまな成果を挙げています。日本では山階鳥類研究所がバンディングのとりまとめのセンターとなっており、全国で多数のアマチュアの協力調査員(バンダー)がボランティアで参加して行われています。多数の当事者がかかわって渡り鳥の移動や寿命についてデータを集めるバンディングのあらましをご紹介します。
第47回「バンディングってなあに?」
【講師】吉安京子 山階鳥研保全研究室専門員
【日付】5月9日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
※ 山階鳥研ウェブサイトの標識調査紹介ページ「渡り鳥と足環」はこちらです。
※ 同じく「鳥類標識調査 仕事の実際と近年の成果」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」5月号の内容をご案内します。
1月号でもご紹介した話題ですが、今号では、オオミズナギドリの世界最大の繁殖地、御蔵島で、ノネコの持ち出しプロジェクトを行っている岡奈理子主任研究員が、今年2月に行った活動について報告しました。また、ヤンバルクイナの保全のための情報収集を目的として、尾崎清明副所長とともにニュージーランドの飛べないクイナ「ウェカ」(ニュージーランドクイナ)の野生復帰状況を視察した渡久地豊さんに視察のようすをレポートしてもらいました。
さらに、アホウドリの小笠原再導入プロジェクトの大きな一歩、移送個体が初めて媒島(なこうどじま)で繁殖したニュースを掲載しました。
鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「白鳥の歌」です。
「山階鳥研NEWS」2015年5月号 目次
1面 表紙写真(アカガシラサギ) 賛助会員 吉田正明
2面 オオミズナギドリと島の生態系の保全活動 上席研究員 岡奈理子
3面 飛べないクイナ「ウェカ」を訪ねて 標識調査協力調査員 渡久地豊
4面 アホウドリ小笠原再導入 移送個体の繁殖を初確認
5面 道北オホーツク海沿岸で観察されたアホウドリ/四国地区賛助会員報告
6面 平成27年度事業計画と収支予算
7面 イベント告知(関西地区賛助会員の集い/テーマトーク/バードウィーク手賀沼探鳥会/鳥の博物館25周年記念講演会/オープンフォレストin松戸)/山階鳥類学雑誌46(2)目次
8面 事務局から/とりのことば
「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
※山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。
山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2015年3月20日付けで発行された、2014(平成26)年度の第2号についてご紹介します。
山階鳥類学雑誌 第46巻2号 (No. 132)
● 原著論文
山本誉士,河野裕美,水谷 晃,依田 憲: 仲ノ神島におけるオオミズナギドリの巣穴構造と繁殖個体数推定 pp.67-81
● 短報
黒沢令子,堀本富宏: 北海道胆振地方におけるカササギの分布の変遷 pp.83-88
栄村奈緒子,古谷 亘,安藤温子,出口智広: 小笠原諸島聟島の鳥類相のモニタリング ―自然再生事業による影響評価(英文) pp.89-100
出口翔大,千葉 晃,中田 誠: 海岸クロマツ林における繁殖期のアオジの植生構造に関連した生息場所選択 pp.101-107
河野裕美,水谷 晃: 日本におけるシロガシラカツオドリSula leucogaster brewsteri の初繁殖行動(英文) pp.108-118
川路則友,川路仁子: 北海道西部におけるツツドリCuculus optatus によるアオジEmberiza spodocephala 巣への赤褐色卵托卵例 pp.119-126
● 報告
姉崎 悟: 大東諸島北大東島で2013年7月に確認した鳥類 pp.127-140
新田啓子: オシドリ雄の雌への付き添い行動 pp.141-145
● 誌碑 pp.146-147
● 投稿論文校閲者一覧p.148
● 正誤表 p.149
● 投稿規定 pp.150-154
● 投稿規定(英文)pp.155-159
(投稿規定の改訂<編集長の中村浩志信州大学名誉教授の編集後記から>)
「山階鳥類学雑誌の投稿規定が、この3月から改訂されることになりました。主な改正点は、原著論文と短報の扱いです。これまで両者は、はじめに、方法、結果、論議等の見出しを付けるか付けないかによって違いが分かるようにしてきましたが、考察や論議にあたるものは付けない報告とそれをつける短報との区別が極めて曖昧で、混乱が生じていました。そのため、短報にも原著論文と同様に論議等の見出しを付けることにしました。その上で、原著論文と短報の区別は、主に論文の長さによることにし、短報は印刷ページ数が10ページ以内を目安とすることにしました。
今後は、この新たな基準に従って原著論文、短報、報告のどのカテゴリーの論文かを明記して投稿していただくことになります。今回の号に掲載した一部の短報については、この新たな投稿規定に沿って論議等の見出しをつけましたので、参考にしていただけたらと思います。
これからも皆様からの投稿をお待ちしております。(中村浩志)」
「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。
出版社から紹介の依頼を付して献本いただいた書籍です。ご寄贈大変ありがとうございました。
藤田祐樹(著)『ハトはなぜ首を振って歩くのか』岩波書店,東京.(2015年4月17日発行、viii+115+3ページ、1,200円+税、ISBN978-4-00-029697-3)→ 版元ページはこちら
4月21日、エギディユス・メイルーナス駐日リトアニア特命全権大使が山階鳥研を訪れました。
大使が我孫子を訪れたのは、星野順一郎・我孫子市長を表敬訪問するためで、これは、リトアニアの大学との交流を進めている(公財)日本鳥類保護連盟を経由して、大使が、我孫子市で毎年開催されている「ジャパンバードフェスティバル(JBF)」に関心を持たれたことがきっかけで実現したものです。大使は表敬訪問のあと、我孫子市鳥の博物館と山階鳥類研究所を訪れました。
山階鳥研には約1時間滞在して、尾崎清明副所長ほかの案内で、標本収集やDNAを用いた研究、アホウドリの保護活動などについて説明を受けました。見学を終えた大使は、「山階鳥研を見学して、重要な活動を行っていることを知り感銘を受けた。本国の関係者にも伝えたい」と述べました。
※ 画像は尾崎清明・副所長(左手前)、鶴見みや古・自然誌研究室長(左奥)ほかから歓待を受けるメイル−ナス大使(右から2人め)。その隣(右から3人目)は室伏友三・日本鳥類保護連盟専務理事、右手前は北條政利・山階鳥研事務局長。