生態」カテゴリーアーカイブ

アメリカの大学で研究している日本人研究者がセミナーを行いました

seminar_suzuki_yasuko今日来所したのは、オレゴン州立大学魚類・野生生物学科で博士研究員として仕事をされている、鈴木康子さんです。
セミナーは「米国コロンビア川における魚食性鳥類のサケ稚魚への食害と対策」というタイトルで、鈴木さんは、地元の漁業や釣りの重要な対象種であるサケ科の魚類にたいする、オニアジサシとミミヒメウによる食害について、科学的な方法で食害の状況を明らかにし、それぞれの種の生態に応じた対策を研究している状況を紹介しました。

自動販売機を使った絶滅危惧種ヤンバルクイナ生態調査プロジェクトの関係者が来所しました

yamabarukuina日本コカ・コーラ(株)、沖縄コカ・コーラボトリング(株)とNPO法人どうぶつたちの病院は、清涼飲料の自動販売機に設置したICレコーダーで、年間を通じてヤンバルクイナの声を録音するプロジェクトに協働して取り組んでいます。
これは本種の音声を周年録音することで、生態に不明な点の多い絶滅危惧種ヤンバルクイナの生態を明らかにし保護に役立てようとするものです。山階鳥研では企画段階からこのプロジェクトに協力していますが、本日、プロジェクトの関係者が経過報告のため山階鳥研を訪れました。
来訪したのは、音声データの分析によってこのプロジェクトに協力している沖縄工業高等専門学校の蔵屋英介先生と、宇根健一郎さん、蔵屋沙那恵さんの学生さん2名、日本コカ・コーラ(株)技術・サプライチェーン本部の中村遂彦さん、沖縄コカ・コーラボトリング(株)CSR推進課の比嘉まゆみさんです。長時間にわたる録音データからヤンバルクイナの音声を選び出すプログラムの開発の経過や、その結果わかってきた生態についての報告があり、ヤンバルクイナを研究している尾崎副所長と今後の課題や方向について討議しました。

7月のテーマトークは「ズグロカモメはどんな鳥?」(7月13日(土))です

zugurokamome関東地方は例年よりずいぶん早い梅雨明けのあと、毎日猛暑が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、7月は下記の要領で今週末です。
今回のトークは、世界で東アジアだけでしか見られないズグロカモメのお話です。この、ユリカモメに姿は似ているものの、分布や生態はかなり異なっていて、環境省レッドデータブックの絶滅危惧II類に指定されているズグロカモメについて、その個体数増減の謎や、繁殖地の状況、渡りの実態の最新知見をご紹介します。講師は、中国各地や日本国内の生息地での本種の調査経験が豊富な尾崎清明 副所長・保全研究室長です。
第27回「ズグロカモメはどんな鳥?」
【講師】尾崎清明 山階鳥研副所長
【日付】7月13日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
中国の繁殖地でのズグロカモメの標識調査(遼寧省、2012年6月)のようすはこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
我孫子市鳥の博物館では、7月13日から「鳥の骨展」(我孫子市鳥の博物館・山階鳥類研究所 共催)も始まります!

6月のテーマトークは「鳥の行動から放射能被曝を予測する〜海鳥オオミズナギドリを例に考える〜」(6月8日(土))です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、6月は下記の要領で今週末です。
今回のトークは、放射性物質と海鳥の関係のお話です。母なる海は放射性物質の終着地です。セシウムなどの放射性物質は海底土や粒子に付いて生物の体に入り、生物間を循環します。ミズナギドリ類の生態を長く研究している、岡奈理子・上席研究員が、東日本で繁殖するオオミズナギドリが福島原発の放射能汚染にどう直面したかを彼らの行動からお話します。
第26回「鳥の行動から放射能被爆を予測する 〜海鳥オオミズナギドリを例に考える〜」
【講師】岡奈理子 山階鳥研自然誌研究室上席研究員
【日付】6月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所で行っている東日本大震災関連の活動などの紹介はこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

2月のテーマトークは「農耕地に暮らすタカ〜トビの生態〜」(2月9日(土))です

tobi_iwami_s山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、2月は下記の要領で今週末です。
「鳶が鷹を生む」ということわざがありますが、トビも立派なタカの仲間です。身近でありながら、生態があまり知られていないトビの暮らしを、北海道十勝地方で調査してきた岩見恭子研究員がご紹介します。あわせてその他の猛禽類の暮らしについてもお話が聞けると思います。
「農耕地に暮らすタカ〜トビの生態〜」
【講師】岩見恭子 山階鳥研自然誌研究室研究員
【日付】2月9日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

1月6日放送のNHK『ダーウィンが来た!』(華麗なる海鳥 森の奮闘記)に協力しました

イルカと一緒に泳げる島として有名な、伊豆諸島御蔵島(みくらじま)は、日本近海を中心に東アジアだけで繁殖する、オオミズナギドリという海鳥の世界最大の繁殖地でもあり、その個体数はかつて175〜350万羽と推定されたこともあります。
オオミズナギドリは島で子育てをする間、何日かかけて洋上で餌を採っては、夜間に島に帰り、未明にはまた洋上に餌を採りにでかけてゆきます。夜になると島は鳥たちの帰還でラッシュアワーとなります。この鳥の洋上と島での生態を、NHKがほこる高感度カメラと赤外線カメラでとらえました。
番組制作に、長年に亘りミズナギドリ類を研究してきた山階鳥類研究所の岡奈理子・上席研究員が協力しました。
ダーウィンが来た!生きもの新伝説『華麗なる海鳥 森の奮闘記』
NHK総合・地上デジタル
2013年1月6日(日)19:30〜20:00
オオミズナギドリの繁殖地は日本近海に御蔵島以外にもありますが、すべて離島です。鳥の帰還が夜間であることもあり、今回紹介される光景はなかなか見ることが難しいものでしょう。ぜひご覧ください。
ダーウィンが来た!番組サイトによる次回放送予告はこちらです。
ダーウィンが来た!番組サイトの次回放送「ウラ日記」はこちらです。
※再放送は1月11日(金)午後4時05分~4時36分 の予定です(1月9日追記)
★       ☆       ★
さて、このブログも今年はこの記事で仕事納めといたします。今年の1月からスタートして、週に1回の更新を目標にしてきましたが、1年間の記事数は59件になりました。時期による疎密はありましたが、おおむね目標のペースは達成できたようです。ご愛読ありがとうございました。また山階鳥類研究所へのご理解とご支援大変ありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。
新年の始業は1月7日(月)からとなりますのでよろしくお願いいたします。それでは皆様よいお年をお迎えください。

12月のテーマトークは「兄弟げんかをやわらげる親の思い〜ウミネコの卵の話」(12月8日(土))です

1212_s山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、12月は下記の要領で今週末です。

巣の中のヒナが兄弟げんかをするとき、ヒナ同士がおなじ日に孵化して同じ大きさか、間隔をあけて孵化して大きさに差があるかによってけんかの激しさが変わってきます。そして孵化日が一斉かずれるかは、親鳥の抱卵行動や卵の特性によってかわってきます。これらのことをカモメの仲間のウミネコで調べた結果を富田直樹・研究員がお話しします。

第20回「兄弟げんかをやわらげる親の思い〜ウミネコの卵の話」
【講師】富田直樹 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】12月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。