保全」カテゴリーアーカイブ

テーマトーク再開です。2月は、「アホウドリ 小笠原での繁殖成功が意味するもの」(2月11日(土))です

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」は昨年11月からお休みをいただいていましたが、鳥の博物館の空調工事も終了しましたので、今月から再開します。今月は2月11日(土)に、出口智広・保全研究室研究員に、アホウドリの再導入事業について話してもらいます。

2016年11月末、アホウドリ再導入事業のこれまでの成果を、ロンドン動物学会発刊の学術雑誌「アニマルコンサベーション」に発表しました。今回のレクチャーでは、出口研究員が掲載内容をわかりやすく解説する他、今回の発表がどの程度世界から注目を集めているかについてもお話しします。

第62回「アホウドリ 小笠原での繁殖成功が意味するもの」
【講師】出口智広(山階鳥研保全研究室研究員)
【日程】2月11日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 画像は、2016 年2月に小笠原諸島聟島で確認されたアホウドリの親子です。
※ 学術雑誌への論文掲載をご報告したブログ記事「小笠原諸島のアホウドリ繁殖地が 80 年ぶりに復活したことを国際学術誌に論文発表しました」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

「ナホトカ号油流出事故から20年 シンポジウム・私たちは海洋環境災害にどう対処すべきか」(1/28(土)東京・市ヶ谷)が開催されます。

多くの海鳥が影響を受けた「ナホトカ号油流出事故」から20年を迎えることを記念したシンポジウムが開催され、山階鳥研の綿貫豊特任研究員が基調講演とパネルディスカッションをします。

事故を契機に海鳥の油事故に対する法律や、救護の専門施設の設置、人材育成の仕組みの整備など様々な対策の強化が行なわれました。海洋環境災害が起きた際どのように対処すべきか、今一度見つめ直す機会になると考えます。

山階鳥研ではこのシンポジウムを後援しています。

ナホトカ号油流出事故から20年
シンポジウム・私たちは海洋環境災害にどう対処すべきか
【日時】2017年1月28日(土)13:00~17:30(12:30開場)
【会場】法政大学 市ヶ谷キャンパス58年館 834教室 アクセス交通案内(外部サイト)
【定員】300名
【参加費】無料
【事前申込】不要(直接会場にお越しください)
【主催】(公財)日本野鳥の会、日本環境災害情報センター、法政大学人間環境学部
【後援】(公財)WWFジャパン、(公財)山階鳥類研究所、(公財)日本鳥類保護連盟、(一財)海上災害防止センター、(NPO)野生動物救護獣医師協会
【基調講演】海鳥の現状とリスク
綿貫 豊 (山階鳥研特任研究員・北海道大学水産科学研究院教授)
【詳細・プログラム・問合せ先】日本野鳥の会のページでご確認ください。

※ 山階鳥研のイベント情報ページはこちらです。

冬鳥のカシラダカがIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種に加えられました

%e3%82%ab%e3%82%b7%e3%83%a9%e3%83%80%e3%82%ab%e5%8c%97%e6%9c%ac%e8%87%aa%e7%84%b6%e5%85%ac%e5%9c%92070118-112-233%e8%a5%bf%e5%b7%bb%e5%ae%9f_sIUCN(国際自然保護連合)が2016年12月8日に発表したIUCNレッドリストの2016年版の中で、新たに絶滅危惧種に指定された種のうち、日本に生息する種として、日本では冬鳥として越冬のために渡来するカシラダカが、絶滅危惧II類(VU)に位置づけられました。

カシラダカはホオジロ科の小鳥で、ユーラシアの西端のスカンジナビア半島から東端の極東ロシアまで広く繁殖し、ユーラシアの温帯地方の農耕地で越冬します。今回の指定は、スウェーデンの研究者らとともに、尾崎清明副所長・保全研究室長が共著者として加わった、日本での鳥類標識調査によるモニタリング結果を含む論文で、過去30年の間に75‒87%もの個体数が減少したことが明らかにされたことがきっかけになっています。

尾崎らによるカシラダカの減少に関する論文(Edenius et al. 2016. The next common and widespread bunting to go? Global population decline in the Rustic Bunting Emberiza rustica. Bird Conservation International.)の要旨(英文)はこちらをご覧ください。

尾崎副所長は、「カシラダカのような普通種でも、個体数の減少率が大きいと絶滅危惧に指定されるという例として注目したい。」と話しています。

IUCN(国際自然保護連合)は、1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワークです。

※ 写真は、カシラダカ(撮影:西巻実氏/我孫子野鳥を守る会)

尾崎副所長が沖縄県国頭村で開かれるヤンバルクイナの講演会でお話をします(12/20)

%e3%83%a4%e3%83%b3%e3%83%90%e3%83%ab%e3%82%af%e3%82%a4%e3%83%8a2%e7%be%bd%e5%a1%92ss世界中の飛べないクイナはすでに13種が絶滅し、現存する種もほとんどが絶滅の危機にあり、沖縄のヤンバルクイナも同様です。世界のクイナの生態と保全状況について山階鳥研の尾崎副所長がお話します。

講演会「世界の飛べないクイナ類とヤンバルクイナ」
【日時】2016年12月20日(火)19時~20時30分
【場所】国頭村保健センター(沖縄県国頭郡国頭村辺土名1437)
【主催・お問合せ】NPO法人 どうぶつたちの病院 沖縄
【後援】環境省那覇自然環境事務所/国頭村
【入場】無料
【プログラム】
1.世界の飛べないクイナを求めて(尾崎清明 (公財)山階鳥類研究所副所長
2.ヤンバルクイナの繁殖確認 大宜味村で確認!(金城道男 どうぶつたちの病院沖縄)
3.やんばる国立公園とヤンバルクイナ(山本以智人 環境省やんばる野生生物保護センター

※ この講演会は東京動物園協会野生生物保全基金の助成により開催されます。
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。

佐藤研究員が長野県でアホウドリのお話をします(12/18)

アホウドリ飛翔light佐藤_light
直前のご案内になってしまいましたが、日本野鳥の会諏訪支部の講演会で、佐藤文男研究員がアホウドリを絶滅の危機から救う活動についてお話をしますのでご案内いたします。

創立60周年記念講演「アホウドリの復活大作戦」
【日時】2016年12月18日(日)14:00〜16:00
【場所】下諏訪総合文化センター(長野県諏訪郡下諏訪町西鷹野町4611−40)
→ 交通案内(外部サイト)
【講師】佐藤文男(山階鳥研保全研究室研究員)
【入場】無料
【主催】日本野鳥の会諏訪支部(外部サイト)
【問合せ先】日本野鳥の会諏訪支部 支部長林正敏氏(0266-22-8907)

※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。

東京大学ほかの研究者が来所しました

%e5%ae%ae%e4%b8%8b%e7%9b%b4%e6%b0%8f%e6%9d%a5%e6%89%80s12月2日、東京大学大学院農学生命科学研究科の宮下直教授、森林総合研究所の亘悠哉主任研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科の安積紗羅々さんが来所しました。

一行は、学生の安積さんの指導のための挨拶に来所されたものです。

※ 写真は向かって右から、亘 主任研究員、岡 上席研究員、宮下 教授、安積さんです。

 

国際シンポジウム「コウノトリの生息域拡大に向けて」(12/10(土)東京)参加申込み受付中です

konotori_img_6302_s

12月10日(土)に都内でコウノトリの保全に関する国際シンポジウムが開催されます。ふるってご参加ください(要申込み)。

コウノトリ保全国際シンポジウム
「コウノトリの生息域拡大に向けて 全国へ、そして世界へ──日韓からの野生復帰と個体群管理の現状報告」
【日付】 2016年12月10日(土)
【場所】 井の頭自然文化園
【定員】 120名
【詳細・参加申込み方法】★東京ズーネットのリンク をご覧ください。
【応募締切】2016年12月4日(日)当日消印有効(ハガキ)、当日送信分有効(メール) 
※締切が延長されています。

2015年、日本でのコウノトリ野生復帰事業が10年を迎えました。これまでに兵庫県の豊岡市以外に、千葉県野田市、福井県越前市でも放鳥が行われています。また韓国でも放鳥が開始されました。

かつて東アジアに広く分布していたコウノトリの復活のために、それぞれ国内だけでものを考えるだけではなく、国境を越えた連携が不可欠です。このために、山岸哲 山階鳥研名誉所長・兵庫県立コウノトリの郷公園長が代表をつとめる「コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)」では韓国の研究者を招聘し、知見の共有を図り、コウノトリの保全について考える国際シンポジウムを開催する運びとなったものです。

今回の催しは、東京で開催される、一般市民が参加可能なコウノトリについての催しとしても重要です。コウノトリの保全は長く兵庫県豊岡市を中心に進められてきており、首都圏でもコウノトリ保全について知る催しは開催されてきたものの、相対的にコウノトリ保全についての情報に接する機会が乏しかったうらみがありました。環境保全、生物多様性保全のために日本で行われている代表的なプロジェクトのひとつといえる、コウノトリ野生復帰について、どんな現状なのか、どんな検討のもとに進められているのかを知ることのできる良い機会です。多くの皆様に参加いただければ幸いです。

第26回鳥学講座「コアジサシ保全活動の現場から」(11月5日(土)、我孫子)JBFで開催します

20111224190130d0e
我孫子市で開かれる鳥のお祭り「ジャパンバードフェスティバル2016」に合わせ今年も鳥学講座を開催します。多くのみなさまのご来場をお待ちしております。

第26回鳥学講座「コアジサシ保全活動の現場から」
【日時】2016年11月5日(土)13:30〜15:00(開場13:00)
【場所】アビスタ(我孫子市生涯学習センター)ホール(千葉県我孫子市若松26-4)
JR我孫子駅南口から「アビスタ・市役所経由」のバスで「アビスタ前」下車すぐ
地図(外部サイト)
【講師】北村 亘(NPO法人リトルターン・プロジェクト代表/東京都市大学講師)
【参加費】無料 【定員】120名(事前申込不要・先着順)
【主催・問合せ】我孫子市鳥の博物館(電話04-7182-2212)
(公財)山階鳥類研究所(電話04-7182-1101)

レジュメ(+講師プロフィール)はこちらからダウンロード可能です。

浜辺でキリッキリッと鳴きながら海に急降下して魚を採るコアジサシは、夏の海辺の風物詩でしたが、自然の海岸線の減少やアウトドアレジャーでの砂浜への立ち入りなど様々な要因から絶滅危惧種になっています。東京都大田区の海に近い下水処理場の屋上で繁殖するようになったコアジサシの保護活動の実際を、市民参加型の活動で進めるリトルターン・プロジェクトの代表を務める北村さんに紹介していただきます。

研究成果発表会「環境研究の最前線」で、山階鳥研の所員が携わった研究成果を、「再導入による希少鳥類の保全:トキ、コウノトリ、ヤンバルクイナの事例から」と題して発表します(10/19(水)、東京)

%e3%83%a4%e3%83%b3%e3%83%90%e3%83%ab%e3%82%af%e3%82%a4%e3%83%8a2%e7%be%bd%e5%a1%92ss
環境研究総合推進費は、持続可能な社会構築のための環境保全に資することを目的とした政策貢献型の競争的研究資金です。平成27年度に終了した環境研究総合推進費の研究課題の中から、一般の方々にわかりやすく、関心も高いテーマについてとりあげた、研究成果発表会「環境研究の最前線」が開催されます (要申し込み)。山階鳥研の尾崎清明副所長が参加した研究について永田尚志(ながた・ひさし)新潟大学教授が発表します。

発表会の対象は、環境研究の最前線に関心をお持ちの皆様、研究成果の活用を検討されている自治体・企業の皆様、環境研 究総合推進費への応募をお考えの研究者の皆様などです。数多くの皆様のご参加をお待ちしています。

平成28年度環境研究総合推進費 研究成果発表会
「環境研究の最前線」
【日時】10月19日(水)13:00~16:30(開場 12:30)
【場所】全日通霞が関ビル 8階大会議室A(東京都千代田区霞が関3-3-3) アクセス交通案内
【定員】120名(先着順) 【参加費】無料
【主催】環境省
【講演】「再導入による希少鳥類の保全:トキ、コウノトリ、ヤンバルクイナの事例から」
(永田 尚志 新潟大学 朱鷺・自然再生学研究センター 教授)他
【詳細・申込】環境省 環境研究・技術・情報総合サイトをご覧の上、FAXまたはe-mailでお申込みください。

※ 「飛べないクイナ『ウェカ』を訪ねて」(山階鳥研協力調査員 渡久地豊)はこちらです。環境省の環境研究総合推進費「再導入による希少鳥類の保全手法の確立に関する研究」での調査を紹介したものです。
※ 山階鳥研のヤンバルクイナのページ「ヤンバルクイナ その命名・生態・危機」はこちらです。

山階鳥研所員がアホウドリ保護活動について、足立区生涯学習センターでお話をします(9/11(日)、要申込)。

アホウドリ飛翔light佐藤_light
1991年春、山階鳥研では壮大なアホウドリ保全プロジェクトをスタートさせました。以来、鳥島内で個体数を増やすデコイ作戦に15年、小笠原に移す大作戦に10年。今、やっと1羽の雛が、移送先の小笠原の飼育地で繁殖した親鳥から巣立ちました。

1991年に鳥島でアホウドリ保全の活動を開始した当初からこのプロジェクトに関わってきた佐藤文男研究員が、孤高の海鳥アホウドリの魅力と保全活動の最前線をご紹介します。

集団で繁殖する性質を利用して、アホウドリをおびき寄せるために使用されたデコイ(プラスチック製のアホウドリの実物大の模型)も展示予定です。

足立区生涯学習センター山階鳥類研究所連携教養講座
「アホウドリ保全研究の最前線」
【日時】2016年9月11日(日)14:00〜16:00
【場所】足立区生涯学習センター5階 研修室1(東京都足立区千住5-13-5)
交通案内(外部サイト)
【講師】佐藤文男(山階鳥研 保全研究室研究員)
【定員】60人(16歳以上)要申込
【料金】無料
【申込】2016年7月26日(火)~9月4日(日)
足立区生涯学習センター 公式ウェブサイト(外部サイト)
電話 03-5813-3730

山階鳥研のアホウドリ保護のページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。