東日本大震災関連」カテゴリーアーカイブ

福島の動物の現状について考えるシンポジウム(2月11日(木・祝)、東京)に研究員が講演します

ツバメ_8304改_f_blog原発事故後の福島の動物たちの現状を考えるシンポジウムで、自然誌研究室の岩見恭子研究員が2011年のツバメの巣のセシウム濃度にかんするお話をします。山階鳥研はこの催しを後援しています。

シンポジウム「「生きものの記録」福島の再生と未来に向けて」
東日本大震災・福島原発事故から5年 長期低レベル放射線の影響を考える

【日時】2016年2月11日(木・祝)13:00~17:00(開場12:00)
【懇親会】17:00~
【会場】東京大学農学部 弥生講堂(文京区弥生1-1-1)
【入場料】無料(当日参加可)
【岩見恭子研究員講演】「福島第一原子力発電所事故によるツバメの巣の放射性セシウム汚染状況」
【主催】特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会
【共催】一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会
【後援】公益財団法人 山階鳥類研究所
【申込・問合せ】動物愛護社会化推進協会ウェブサイト 参加申込書・プログラム案内

山階鳥類研究所の、東日本大震災関連の活動を紹介するページはこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

繁殖中のツバメの巣を壊さないようにお願いいたします

swallow_nest_abiko_for_blog
2015年5月22日に、「2011 年に使用されたツバメの巣を調査したところ全国 21 都道府県中、1 都 12 県の巣から放射性セシウムが検出されました 」のタイトルでプレスリリースを行い、複数のメディアによって取り上げられました。その結果、報道をご覧になった多くの皆様からお問い合わせをいただきました。

今回の発表に関して、山階鳥類研究所所長より補足とお願いがあります。下記リンクをご覧ください。

プレスリリースについての補足とお願い
繁殖中のツバメの巣を壊さないようにお願いいたします

津波で被災した文化財・標本レスキューの報告書に所員が執筆しました

大津波被災文化財保存修復技術連繋プロジェクト_安定化処理s

明日で東日本大震災から4年が経つことになりますが、震災による津波によって被災した文化財・標本の修復活動についてまとめた報告書が昨年暮れに刊行になりましたのでご紹介します。

『大津波被災文化財保存修復技術連繋プロジェクト 安定化処理』
被災した保存修復技術の構築と専門機関の連携に関するプロジェクト実行委員会
赤沼英男・鈴木まほろ(編)
同実行委員会・(公財)日本博物館協会・ICOM日本委員会(発行)
2014年12月26日発行. 255pp. 210×299mm.
価格:1,500円(税込み)

この報告書では自然史標本も文化財と位置づけられ、さまざまな標本の修復技術についてまとめて紹介されています。このような書籍の刊行は国内では初めてと思われます。この中で、山階鳥研から岩見恭子研究員が、陸前高田市立博物館の鳥類標本の修復について報告しました(166-169ページ)。この修復活動は、三井物産環境基金2011年度東日本大震災復興助成を得ておこなったものです。

本書『大津波被災文化財保存修復技術連繋プロジェクト 安定化処理』は東京国立博物館のミュージアムショップでお求めになれます。

さらに、津波によって被災した標本や文化財の救出および修復活動についての展示が東京国立博物館で、3月15日(日)まで開催されており、上記の活動についてもパネルで紹介されています。

特別展「3.11大津波と文化財の再生」 
東京国立博物館 本館 特別2室・特別4室   開催中~ 2015年3月15日(日)

11月のテーマトークは「標識調査による陸鳥の繁殖モニタリング調査(MAPS)」(11月9日(土))です

mapsfuukei_revジャパン・バード・フェスティバル(JBF)の興奮もまださめやりませんが、今週の土曜日は、JBFの「山階鳥研 見にレクチャー」では野外調査のためお話をしなかった、仲村昇・保全研究室研究員がお話しします。
福島第一原子力発電所の事故で拡散した放射性物質が鳥類に与える影響が心配されています。こういった環境の汚染や変化について把握する方法として、広い範囲で長期間、鳥の繁殖成功の割合などに変化がないかを調べることがが考えられます。鳥類標識調査は、もともと、足環を装着して放した野鳥が再度発見された場合に、渡りや寿命についての情報がわかることを期待して始められたものですが、こういったモニタリングの手法としても期待されるようになってきています。今回ご紹介する調査は、全国の複数箇所の調査地で、決まった努力量で繁殖期に長期間調査し、幼鳥の捕獲割合など繁殖の指標となるデータを取ることで、環境の変化を把握しようというもので、イギリスやアメリカでも同様な調査が行われています。昨年から開始したこの調査について、予備的な結果を紹介します。
第31回 標識調査による陸鳥の繁殖モニタリング調査(MAPS)
【講師】仲村昇 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】11月9日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】各回とも先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

6月のテーマトークは「鳥の行動から放射能被曝を予測する〜海鳥オオミズナギドリを例に考える〜」(6月8日(土))です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、6月は下記の要領で今週末です。
今回のトークは、放射性物質と海鳥の関係のお話です。母なる海は放射性物質の終着地です。セシウムなどの放射性物質は海底土や粒子に付いて生物の体に入り、生物間を循環します。ミズナギドリ類の生態を長く研究している、岡奈理子・上席研究員が、東日本で繁殖するオオミズナギドリが福島原発の放射能汚染にどう直面したかを彼らの行動からお話します。
第26回「鳥の行動から放射能被爆を予測する 〜海鳥オオミズナギドリを例に考える〜」
【講師】岡奈理子 山階鳥研自然誌研究室上席研究員
【日付】6月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所で行っている東日本大震災関連の活動などの紹介はこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

ツバメの巣の放射性物質汚染状況の調査がNHKラジオで紹介されます(2月22日(金))

swallow_on_wire_03山階鳥研が、福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質の鳥類への影響調査の一環として行っている、ツバメの巣の放射性物質汚染状況に関する研究について、NHKラジオに研究員が出演してお話しします。
「私も一言!夕方ニュース」の中の、早川信夫NHK解説委員が担当する下記コーナーでは、震災から2年を前に、1週間のテーマを「震災2年を前に」として震災関連の話題をとりあげ、そのひとつとしてツバメの巣の調査が紹介されることになりました。岩見恭子・自然誌研究室研究員が早川解説委員とキャスターの問いかけに答える形でお話しします。
 「放射線量 ツバメの巣が語りかけるもの」
【番組】NHKラジオ第一放送「私も一言!夕方ニュース」(17:30〜18:50)
「早川解説委員の“ここに注目!”」のコーナー
「私も一言!夕方ニュース」のサイトはこちらです。
【日時】2013年2月22日(金)18:30ごろ〜(15分間)
(生放送なので時間は多少前後します)
【出演】岩見恭子・山階鳥研自然誌研究室研究員
※ラジオがそばにない場合、パソコンで聞くにはこちら
山階鳥研で行っているツバメの巣の調査についてはこちらをご覧ください。
山階鳥研のイベント情報についてはこちらです。

自然史標本の国際学会で、震災後の標本レスキューなどについて発表しました

iwami_poster_36月11〜16日にアメリカ合衆国コネチカット州ニューヘイヴンにある、イェール大学ピーボディ博物館で開催された自然史標本の保存に関する国際学会の年次大会に、岩見恭子、小林さやかの2名の所員が参加しました。
kobayashi_poster_3岩見研究員は、東日本大震災の津波で破壊された鳥類標本の救出について、また小林専門員は、山階鳥類研究所の標本コレクションの管理と収集活動についてポスター発表しました。学会大会では、自然史標本の分野の最先端の成果や技術について情報収集するとともに、海外の標本担当者ほかと交流を深めることができたようです。
ogasawaramashiko2人はこの学会の終了後、世界最大級の鳥類標本コレクションを所蔵するアメリカ自然史博物館(ニューヨーク)に足を運び、標本収集管理や修復の現状について研修しました。
※学会の英文名称と発表タイトル等はつぎのとおりです。
The 27th Annual Meeting of the Society for the Preservation of Natural History Collections (June 11-16, 2012, Yale University, New Haven, Conneticut USA)
Iwami, Y., Kumagai, M., Tomioka, N., and Yamasaki, T.
Salvage and restoration activity for the bird specimens destroyed by tsunami in the Tohoku Earthquake, Japan.
Kobayashi, S., Yamasaki, T., Saitoh, T., Asai, S., and Iwami, Y.
The bird collection and the management at the Yamashina Institute for Ornithology: Overview.
(この学会参加は、コロラド大学自然史博物館・コレクションマネージャーで同学会の評議員でもある蔭山麻里子さんの勧めで実現しました。また、山階武彦助成事業から助成を受けています)
※画像は、(上)学会会場のポスターの前の岩見研究員、(中)小林専門員と蔭山麻里子さん(向かって左)、そして、(下)アメリカ自然史博物館希少鳥類コレクション所蔵の、小笠原の絶滅鳥で日本には標本のないオガサワラマシコを手に取る小林専門員です。
「山階鳥類研究所の標本について」はこちらをご覧ください。
山階鳥類研究所標本データベースはこちらをご覧ください。

ツバメの巣回収は3月末で終了します。ご協力ありがとうございました。

swallow_nest_research_01_4
3月も下旬に入り、そろそろツバメが南の国から戻り始めるころです。放射性物質の鳥類への影響調査の一環として行っているツバメの巣の回収ですが、繁殖を妨げないために、3月末日で終了いたします。なお、すでに採集された巣をお持ちの場合は、4月以降もお受けいたします。
「ツバメの巣回収のお願い」はこちら
おかげさまで皆様から多数のツバメの巣をお送りいただきました(写真上)。また多くの励ましのお言葉を頂戴しました。大変ありがとうございました。
写真下は、石川県在住の女性が、巣と一緒に送ってくださった自作の花瓶です。お心遣いに厚く御礼申し上げます。
皆さんからお送りいただいた巣は現在順次分析中です。結果が出ましたらご報告いたします。
vase_w_camelia_01_2

放射性物質の生態系への影響を研究する海外研究者が来所しました

mousseau__moller_s2月15日、福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の、野鳥その他の野生生物への影響を研究するために来日している、生物学者のP. A. メラーさん(P. A. Moller、パリ南大学; 写真後方)とT. A. ムソーさん(T. A. Mousseau、サウスカロライナ大学)が山階鳥研を訪れました。
ふたりは、これまでチェルノブイリと福島で行ってきた研究について発表を行うとともに、山階鳥研の関係者と、研究上の協力が可能かについて協議しました。
地震・津波・原子力災害についての、山階鳥類研究所による、「東日本大震災に関する鳥類の保全に向けての提言」はこちらをご覧ください。

「東日本大震災が三陸沿岸の海鳥繁殖地に与えた影響」についてトークを行いました

sato
毎月第2土曜日に、山階鳥類研究所の所員が研究について、我孫子市鳥の博物館で出前トークを行う「テーマトーク」、今月は、1月14日(土)に佐藤文男研究員が、上記のテーマでお話ししました。30名以上の来聴者が熱心に耳を傾けていました。
山階鳥類研究所は、東日本大震災を受けて、「東日本大震災に関する鳥類の保全に向けての提言」を文部科学省と環境省に提出していますが、当日はこの提言に沿って昨年夏に実施した、三陸沿岸の海鳥繁殖地の緊急調査の結果を報告したものです。
鳥の博物館で開催している「テーマトーク」の今後の予定は、イベント情報のページに順次掲載してゆきます。