7月21日(水)は一斉休業します

山階鳥研は、本年も夏季の節電対策として、照明、空調の使用抑制等に加えて、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その1回目を 7月21日(水)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです。

献本ありがとうございます。『鳥類のデザイン 骨格・筋肉が語る生態と進化』

出版社から、広報にお送りいただいた書籍です。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

カトリーナ・ファン・グラウ(著) 川上和人(監訳) 鍛原多惠子(訳)
『鳥類のデザイン 骨格・筋肉が語る生態と進化 THE UNFEATHERED BIRD』

みすず書房, 東京. (2021年7月20日発行予定, 384ページ. 6,930円 (本体:6,300円). ISBN-978-4-622-08989-6)
→ 版元ページはこちら

山階鳥類学雑誌(第53巻第1号)をご紹介します。

山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2020年6月30日付けで発行された、2021(令和3)年度の第1号についてご紹介します。今号から投稿規定が変わり、規定と手引きにわかれました。また、新しい分野を創設したため、これを周知する巻頭言がつきました。それぞれ下記のリンクから山階鳥研のウェブサイトに飛んでご覧いただけます。

巻頭言 p.1 → 「山階鳥類学雑誌についてお知らせ」

● 原著論文
伊関文隆・三上かつら・佐藤達夫: 独特で複雑なツミの風切の換羽様式(英文) pp.3-23

● 短報
藤巻裕蔵: 北海道におけるエゾライチョウの分布(英文) pp.25-32

● 報告
長谷川恵一: 野外逸出した飼育個体と思われる足革を着けたオオタカの観察記録 pp.33-38
富田直樹・成田 章: ウミネコ繁殖地蕪島における2012年から2020年の繁殖モニタリング pp.39-43
仲村 昇・油田照秋・千田万里子・水田 拓: 2018~2020年に福島県で行われた繁殖鳥モニタリング(MAPS)調査 pp.44-56

誌碑 pp.57-58

投稿規定 pp.59-60
投稿規定(英文) pp.61-62
投稿の手引き pp.63-67
投稿の手引き(英文)pp.68-72

<編集長 綿貫豊北海道大学水産科学研究院教授の編集後記から>
53巻1号をお届けします。換羽は鳥類の特性で、その羽ごとに時期が決まっていたり、また変異したりします。それ自体興味深い研究対象ですし、また羽は伸びている時期に食べた餌の化学成分を反映するので、換羽時期がわかればその時の餌に関する情報についても語ってくれそうです。報告が3報寄せられています。今後、報告の内容をさらに充実させ、投稿していただきやすいようにカテゴリーを分けることとしました。皆様の投稿をお待ちしています。山階鳥類学雑誌は多様な原稿を歓迎いたします。

*「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。

※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

今日、7月5日は山階芳麿博士の誕生日です

※ 東海・関東地方の大雨による災害で亡くなられた皆様にお悔やみ申し上げますとともに、行方不明の皆様が一刻も早く救出されることをお祈り致します。また被災された皆様にお見舞い申し上げます。引き続いて降雨が予想されております。ご無事をお祈りいたします。どうぞお気をつけてお過ごしください。

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山階鳥研の創立者、山階芳麿は、121年前の今日、1900年7月5日に当時の東京市麹町で生まれ、鳥類の研究と保護に一生を捧げました。

戦前にはアジア・太平洋地域の鳥類の分類学に多大な貢献をした山階芳麿でしたが、戦後は鳥類保護に力点を移し、日本の鳥類保護のリーダーとして日本およびアジアの鳥の保全のために尽力しました。その中で、研究、保護を含め、海外の研究者や保護関係者との交流や情報交換も行いました。

写真は、1958年1月に、前年末にバンコクであった国際会議の帰途、日本に立ち寄った、アメリカ合衆国の鳥類研究者ロバート・クシュマン・マーフィ夫妻との東京での記念撮影の1コマです。マーフィ氏は、アメリカ自然史博物館に所属する海鳥研究の大家で、鳥類保護にも熱心に取り組んだ研究者です。アメリカ鳥学会(American Ornithologists’ Union)やナショナル・オーデュボン協会の会長を歴任しました。

山階芳麿は、この時のマーフィ夫妻の来日について書いた記事の中で、氏が海鳥研究の大家である一方で、「アメリカ第一流のコンサベーショニストである」と紹介しています。これに続けて、コンサベーショニストというと「保存する人」といった意味に取れるが、近年はアメリカ合衆国や欧米各国でひとつの特別な意味を持たせるようになってきた、すなわちコンサベーションは、「自然物を大切にし、これを利用する場合には自然のバランスを破壊しないように巧みに永続的にこれを利用する」という意味で、コンサベーショニストはこの実践の普及に努力する人であると解説しています(「野鳥」23巻2号p. 32., 1958)。

こういった海外の研究者や「コンサベーショニスト」との情報交換は、環境破壊や鳥類の減少を目の当たりにして、鳥類保護に取り組んだ山階芳麿自身の活動にも非常に大きな意味があったものと思われます。

※写真は、前列左から、黒田長禮(ながみち)、ロバート・クシュマン・マーフィ、グレース・マーフィ(夫人)。後列左から、鷹司信輔、徳見泰、中西悟堂、コーン中佐、黒田長久、山階芳麿が写っています。

※山階鳥研では、この写真も含め、従来、整理の手が回っていなかった、古い書類、書簡、写真などの資料類の整理に着手しています。

標本データベース拡充中/組織サンプル提供/アホウドリ 聟島・鳥島の状況 ほか「山階鳥研NEWS」7月号

山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」2021年7月号(No.296)が発行されました。

巻頭は、文部科学省科学研究費の支援を受けて充実を図っている、標本データベースと組織サンプルの話題。昨年度はお隣「我孫子市鳥の博物館」の標本も合わせて新規に登録し、山階鳥研のデータベースで双方の標本を検索することが可能になりました。また、2016年から行っている組織サンプルの研究用への提供についても改めてご紹介しています。
*山階鳥研 データベースは → こちら
*山階鳥研 組織サンプルのページは → こちら

続いて読み物を2本。山階鳥研の臨時職員、上沖正欣さんによるモーリシャスレポート。昨年モーリシャスで座礁した日本の貨物船による重油流出事故を受け、(株)商船三井が立ち上げたモーリシャス自然環境保護・回復プロジェクトの一環として、現地に滞在して鳥類への影響を調査しました。

また、保全研究室の澤研究員によるカリガネの現状と捕獲調査のようすを。世界的に見ると個体数を大きく減らしているカリガネですが、日本で越冬する個体数はここ数年増え続けているそうです。

巻末の「鳥のモニュメント」は、「野の鳥は野に 中西悟堂胸像」(長野県軽井沢町)。そのほか、聟島と鳥島のアホウドリの現状、寄附金・賛助会員ご報告、所員の著書やイベント告知などを掲載しました。

「山階鳥研NEWS」2021年7月号(第296号) 目次
1面
表紙写真(イカル) 賛助会員 孝橋貞樹
2面 標本データベース拡充中/組織サンプルを研究用に提供しています
3面 オガサワラカワラヒワのパンフレット/山階鳥研が協力した展覧会(群馬県・沖縄県)
4面 ドードーの島・モーリシャスでの保全活動 臨時職員 上沖正欣
5面 減っている?増えている?カリガネの今を追う 保全研究室研究員 澤 祐介
6面 アホウドリ聟島と鳥島の状況
7面 令和2年度寄附金・賛助会費収入及び会員数のご報告/我孫子市教育委員会と連携協定を締結
8面 テーマトーク/所員の著書/鳥のモニュメント/事務局から(新賛助会員・ご寄附)/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
* 賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

こちらも合わせてごらんください。
山階鳥研ウェブサイト イベント情報ページ

今日6/19は世界アルバトロスデーです

「世界アルバトロスデー」は、アホウドリ類・ミズナギドリ類の繁殖地を擁する13カ国が加盟した「アホウドリ類とミズナギドリ類の保全に関する協定(ACAP; Agreement on the Conservation of Albatrosses and Petrels; エイキャップ。未加盟の日本からは研究者や保護団体関係者がオブザーバーとして参加しています)が、同協定が2001年に初めて調印された日付である6月19日と定めて 2020 年から開始したもので、世界の海洋を生息地とするアホウドリ類が、漁業による混獲や海洋 汚染などの人間活動由来の原因によって危機にさらされていることから、国際的な協力を必要とするこの仲間の保全について普及啓発することを目的としています。

初めての世界アルバトロスデーだった昨年のテーマは「有害外来生物の根絶」でしたが、今年のテーマは「アホウドリにやさしい漁業の確立」です。そもそも、漁業の混獲(漁業で目的とする以外の生物が捕獲されること)で多数のアホウドリ類やミズナギドリ類などが命を落とすことへの対策の必要性の認識が、20年前にACAPが協定された主要な動機でした。このことは現在でも引き続きこの協定の主要な課題です。



世界アルバトロスデーは日本でも実行委員会が組織されており、山階鳥研も実行委員として参加しています。日本の実行委員会として、本日、記念イベントの開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、会場イベントは中止となり、オンラインの特別講演会が開催されます。本日、長谷川博東邦大学名誉教授・NPO法人OWS会長、油田照秋山階鳥研保全研究室研究員ほかによる6題の講演が行われます。多数の皆様のお申し込みをいただき、申込は締め切りとなりました。大変ありがとうございました。

献本ありがとうございます。『鳥類保護の最前線〜絶滅の危機に瀕する鳥類の未来のために〜』

日本家禽学会から、広報にお送りいただいた書籍です。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

日本家禽学会(編)
『鳥類保護の最前線〜絶滅の危機に瀕する鳥類の未来のために〜』

日本家禽学会編集委員会, 茨城. (2021年4月25日発行, 33ページ. 500円+税. ISBN-978-4-9911896-0-9)
→ 日本家禽学会ウェブサイトはこちら

献本ありがとうございます。『日本自然科学写真協会会報 No.78』

「白いスズメの観察を始めて」の著者から、広報にお送りいただいた会報誌です。こちらでご紹介するとともに、書庫に納めて活用いたします。ご寄贈大変ありがとうございました。

日本自然科学写真協会編集委員会(編)
『一般社団法人 日本自然科学写真協会会報 No.78』

東京. (2021年5月15日発行, 52ページ. )
→ 日本自然科学写真協会ウェブサイトはこちら

森本研究員が監修した「ツバメのせかい」が6月3日(木)に出版されました。

6月3日に出版される所員の著書をご紹介します。

この本は、昨年発行された「ツバメのひみつ」の姉妹書です。今回は「ツバメが見て感じている世界とはどのようなものなのか」に焦点を当てた内容となっています。人々にとってもっとも身近な野鳥であるツバメについて、本書のみでも最新の研究知見を知ることができますし、前刊と合わせてお読みいただくことで、より広く深くツバメについて知ることができる1冊です。山階鳥研の森本元(もりもと・げん)研究員(自然誌研究室・保全研究室兼務)が監修を務めました。

是非書店などでお求めください。また、各販売サイトでも購入ができます。

<書籍情報>
書名: ツバメのせかい
監修:森本 元
著者:長谷川 克
発行:緑書房(公式サイト
定価:1,980円(税込)
判型/頁:B6判/272頁
発行日:2021/6/3
ISBN:978-4895315654

*山階鳥研ウェブサイト「所員の著書」ページもあわせてご覧ください。 → こちら

文科省特定奨励費研究成果発表会報告/山階武彦助成金レポート/周はじめ・吉田元の業績をたどる ほか「山階鳥研NEWS」5月号

山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」2021年5月号(No.295)が発行されました。

巻頭は、1月にオンラインで開催した、文部科学省科学研究費補助金(特定奨励費)研究成果発表会の報告を。昨年度は平成30年度から3年計画で行われた研究事業の最終年度で、その成果報告と、整備資料を活用した事例報告などを行いました。

山階鳥研が実施している山階武彦助成事業は、野生鳥獣の保護に関する学術の振興に資する国際会議等に出席する研究者に対し、渡航費用を助成しています。一昨年度助成金を受けた方の中から、アザラシの研究者、水野米利子さんに、スペインで開催された国際会議に出席し、ポスター発表をされた際のレポートをお願いしました。

続いてエッセイを1本。2018年と2020年に開催された、野鳥生態写真家下村兼史の写真展。ここに至るひとつのきっかけを作ったのが、周はじめ(後に吉田元※と改名)という、ご自身も野鳥生態写真家として知られた方でした。氏の示唆を受けて、山階鳥研で下村兼史資料の整理保存と写真展開催に尽力された塚本洋三さんに、周はじめ氏について書いていただきました。
※ 吉田の吉の部首は上が士ではなく、土の「つちよし」を使います。このページではブログのデータベースの関係で、便宜上、吉の字を使わせていただきました。

山階鳥研の地元、我孫子市で毎年開催される鳥と環境保全のお祭り、ジャパンバードフェスティバル(JBF、実行委員長:奥野卓司 山階鳥研所長)が第25回ふるさとイベント大賞(主催:(一財)地域活性化センター)の大賞(内閣総理大臣賞)を受賞しました。表彰式はオンラインで開催され、その模様をレポートしました。

巻末の「鳥のモニュメント」は、「身近な飼い鳥を供養 小鳥供養塔」(東京都墨田区)です。また、令和3年度の事業計画と収支予算や、イベント報告と告知などもお届けしました。

「山階鳥研NEWS」2021年5月号(第295号) 目次
1面
表紙写真(ヒヨドリ) 賛助会員 野元彰
2面 文部科学省科学研究費補助金(特定奨励費)研究成果発表会を開催
3面 山階武彦助成金活動レポート 水野 米利子
4面 周はじめ・吉田元※の業績をたどる 塚本洋三
5面 ジャパンバードフェスティバル 内閣総理大臣賞受賞/所員の著書
6面 オガサワラカワラヒワの保全計画作りWSと講演会に所員が参加/「希少ガン類のシンポジウム」で所員が講演
7面 京都市動物園の講演会で所員が講演/令和3年度事業計画と収支予算
8面 テーマトーク/あびベジからご寄附/事務局から(山階武彦助成事業対象者・賛助会員・ご寄附)/鳥のモニュメント/編集後記

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
* 賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

こちらも合わせてごらんください。
山階鳥研ウェブサイト イベント情報ページ