所蔵名品から20「アイビス誌」/ 山階武彦助成金「国際生態学会議に参加して」/ハワイで足環をつけられたコアホウドリ/白瀬中尉のペンギン〜「山階鳥研NEWS」3月号

news_1403s山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」3月号が発行になりました。
「所蔵名品から」では、150年以上の歴史をほこり、日本の鳥とも深いかかわりのある、イギリス鳥学会発行の学術雑誌「アイビス(Ibis)誌」について、鶴見みや古・自然誌研究室長に紹介してもらいました。同誌上で1887年に新種として発表されたノグチゲラの原色図版がご覧になれます。また、2013年度の山階武彦助成事業により助成を受けた方のなかから、イギリスで開催された生態学の国際会議に参加された大学院生の方に活動報告をお願いしました。
鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「目白押し」です。
「山階鳥研NEWS」2014年3月号 目次
1面   表紙写真(ハシビロガモ) 賛助会員 小林隆成
2-3面  所蔵名品から20「THE IBIS(アイビス)誌」 鶴見みや古
4面   山階武彦助成金活動レポート「国際生態学会議に参加して」 松葉史紗子
5面   ハワイで足環をつけられたコアホウドリ保護後放鳥/テーマトークのご案内
6面   明治の南極探検家 白瀬中尉のペンギン/聟島のアホウドリ卵は
孵化しませんでした
7面  ドイツから渡り鳥研究者来所/シンポジウム「希少鳥類の未来を考える」
のご案内/所員の著書「進化学事典」/鳩レースに帰還率賞贈呈
8面   事務局から/とりのことば/編集後記
「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

長谷川博東邦大学教授の退職記念講演会が開催されます(3月8日(土))

albatross02アホウドリの保全に尽力されてきた長谷川博教授の退職記念講演をかねて、希少鳥類の保全研究に焦点を当てたシンポジウムが開催されます。山階鳥研からは尾崎清明副所長がヤンバルクイナについてお話しします。山階鳥研はこの催しを後援しています。

東邦大学理学部野生生物保全研究センター設立記念シンポジウム
「希少鳥類の未来を考える」

【日時】3月8日(土)13:00〜17:15
【会場】東邦大学習志野キャンパス 薬学部C館101号室
→ アクセスはこちらです。
【参加費】無料
【プログラム】
「飛べない鳥、ヤンバルクイナの保全」
尾崎清明(山階鳥類研究所)
「日本に生息するライチョウの現状と保護の展望」
小林篤(東邦大学理学部)
「今タンチョウに起きていること」
百瀬邦和(NPO法人タンチョウ保護研究グループ)
「コウノトリの野生復帰に向けて -”つながり”を運ぶコウノトリ-」
武田弘子((株)野田自然共生ファーム)
(退職記念講演)「アホウドリからオキノタユウへ」
長谷川博(東邦大学理学部)
◆総合討論
【主催】東邦大学 理学部生物学科
【問合せ】東邦大学 地理生態学研究室 電話:047-472-1162 東邦大学
→ 東邦大学のプレスリリースはこちらです
【後援】(公財)山階鳥類研究所ほか
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

3月のテーマトークは「採集人折居彪二郎と山階鳥類研究所」(3月8日(土))です

theme_talk201403山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、3月は今週末、3月8日の開催です。自然誌研究室専門員の平岡考が、戦前に活躍した鳥獣採集人の折居彪二郎(おりい・ひょうじろう、1883-1970)についてお話しします。
オリイヤマガラ、オリイオオコウモリなど鳥類や哺乳類の名前に「オリイ」とついているものがあることを聞いたことがあるかもしれません。これらはこういった鳥や獣の採集に尽力した、折居彪二郎を記念して名付けられたものです。鳥類標本の採集が研究の中心だった時代の研究はどのようだったのか、折居彪二郎は鳥類研究にどんな貢献をしたのか、山階鳥類研究所に残されている採集品はどのくらいの数があり、どんなものなかについてご紹介します。
第35回 採集人折居彪二郎と山階鳥類研究所
【講師】平岡考 山階鳥研自然誌研究室専門員
【日付】3月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所の標本についてはこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
※ 画像は1913年 30歳ごろの折居彪二郎(写真提供:大畑孝二氏)

明治の南極探検家白瀬矗採集のペンギンをIMTで展示中です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA東京駅前のJPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク(IMT)で、3月2日まで、明治の探検家で陸軍中尉だった白瀬矗(のぶ)が採集し、明治天皇に献上したシュレーターペンギン(写真)を特別展示中です。
IMTに寄託されている山階鳥研所蔵のペンギン標本1点が、白瀬矗が採集したものであることわかったのは、ペンギン研究家である、大島潤一・ひとみ夫妻の調査によるものです。
献上時の書類や標本台座裏に貼られたラベルの照合の結果、このペンギン標本は、白瀬が、1911(明治44)年にニュージーランド沖で採集し、剥製として持ち帰ったもので、南極探検を後援していた大隈重信伯爵を通じて明治天皇に献上されたものであることが判明しました。この標本は、昭和天皇の没後の1995年に皇居内の生物学御研究所から山階鳥研に寄贈された鳥類標本コレクションの中の一点です。
この標本は、これまでイワトビペンギンとされてきましたが、山階鳥研の調査の結果、国内での標本所蔵数が少ないシュレーターペンギンであることもわかりました。
【タイトル】特別展示_STUDIOLO あるペンギンの辿った歴史
【会期】  2014年1月19日〜3月2日
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
【開館時間】11:00-18:00(木・金は20:00まで)入館は閉館時間の30分前まで
【場所】  JPタワー学術文化総合ミュージアム・インターメディアテク
100-7003 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー 2〜3F
(JR東京駅徒歩1分・東京メトロ丸の内線東京駅地下より直結)
アクセスはこちら
【入館料】 無料
【主催】  東京大学総合研究博物館
【協力】  山階鳥類研究所・人鳥堂本舗
【問い合せ】 03-5777-8600(ハローダイヤル)
2013年3月に開館したIMTには、東京大学と山階鳥研の所蔵する学術標本が展示されています。山階鳥研からは、本剥製(展示用の剥製)約300点が寄託されています。今回の特別展示は、IMT3階の山階鳥研の標本を展示したスペースに、シュレーターペンギンと、関連の資料を展示して小コーナーを作ったものです。
IMTサイト「特別展示_STUDIOLO あるペンギンの辿った歴史」ページはこちらです
IMTサイトのトップページはこちらです
山階鳥研ブログでのIMT開業のお知らせ(2013年3月25日)はこちらです

2月のテーマトークは「鳥の死体は語る 〜解剖してみて分かること〜」(2月8日(土))です

theme_talk山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、2月は今週末、2月8日の開催です。岩見恭子・自然誌研究室研究員が、鳥の死体からわかることについてお話しします。
山階鳥類研究所の重要な研究資産のひとつは膨大な鳥類標本のコレクションですが、現在もコレクションの充実のため、拾得された鳥の死体などから、剥製標本その他の標本を作製し保存しています。標本作製の過程で解剖を行いますが、野外で生きた鳥を観察するのとは違ったいろいろな情報が得られます。剥製標本作製を行っている岩見研究員が、解剖してみて初めてわかる情報や、鳥の死体が語る様々の事柄をご紹介します。
※ 降雪の予報が出ております。万一大雪の場合には、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)に電話で確認の上お出かけください。
第34回 鳥の死体は語る ー解剖してみて分かることー
【講師】岩見恭子 山階鳥研自然誌研究室研究員
【日付】2月8日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
※ 画像は、奄美諸島にしか生息しない、ルリカケス(カラス科)の斃死体です。

昨年11月に産卵された聟島のアホウドリの卵は孵りませんでした

昨年11月9日に小笠原群島聟島でアホウドリの産卵が確認されましたが、孵化予定日の1月12日に山階鳥研の研究員が卵の状態を確認したところ、腐敗していることが判明しましたので、報道発表を行いました。
報道発表資料はこちらです(2014年1月21日)。
昨年11月の産卵についてはこちらをご覧ください。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

1月のテーマトークは「海鳥とノネコの仁義なき戦い 〜伊豆諸島御蔵島の今〜」(1月11日(土))です

theme_talk201401例年より少し長いお正月休みが終わり、仕事にもどって数日たったという皆さんが多いのではと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。学生さんのお休みはいつも通りだったのでしょうか?
山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、新年の1回目は今週末、1月11日の開催です。岡奈理子・自然誌研究室上席研究員が、御蔵島の海鳥とノネコについてお話しします。
伊豆諸島の御蔵島は、オオミズナギドリという日本周辺に特産の海鳥が生息する世界最大の海鳥の繁殖地の一つですが、人間が持ち込んだネコがオオミズナギドリを捕食して増殖し、ネコの島になりました。珍しい海鳥の動画を交えて、紹介します。どうしたら良いか、ネコ好きな人も、鳥好きな人も、現状を知って一緒に考えてみませんか?
第33回 海鳥とノネコの仁義なき戦い ー伊豆諸島御蔵島の今ー
【講師】岡奈理子 山階鳥研自然誌研究室上席研究員
【日付】1月11日(土)
【時間】13時15分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内はこちら
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

「山階鳥類学雑誌」(第45巻1号)のご案内

chogakuzasshi45_1山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2013年9月30日付けで発行された、2013(平成25)年度の第1号についてご紹介します。
(編集長の中村浩志信州大学名誉教授の編集後記から)
「今号では、江戸時代の文献資料に記載されているツル類の名称の考察からタンチョウの名称を再検討した久井貴世さんの論文を掲載いたしました。査読いだたく古文献に詳しい方がおられるか当初苦慮したのですが、幸い適任の方に快く引き受けていただき、掲載に至りました。文献資料から過去の日本における鳥類の分布や生息状況を知ることは、現在の生息状況や保護を考える上で、重要な問題です。今後、古文献に基づいたこのような論文の投稿も歓迎したいと思います。」

山階鳥類学雑誌 第45巻1号(No. 129)
● 原著論文
平山琢二,福田 真,平川守彦: ヤンバルクイナ(Gallirallus okinawae)の鳴き声の季節変化につて pp.1-8
久井貴世: 江戸時代の文献史料に記載されるツル類の同定─タンチョウに係る名称の再考察─ pp.9-38
● 短報
藤巻裕蔵: 北海道におけるクマゲラの繁殖期の分布 pp.39-45
風間健太郎,岩本麻未,堀 由紀子,新妻靖章: 外気温が人工飼育されたカワウ亜成鳥の摂餌量に及ぼす影響(英文) pp.46-52
中村雅彦,R. S. Rakotosoa, H. Rakotomanana: チェバートオオハシモズとシリアカオオハシモズの繁殖生態の追加報告(英文) pp.53-58
● 報告
西出 隆,小笠原 暠: 秋田県に渡来したハクガンの長期記録(1971/72 年冬~2010/11 年冬) pp.59-64
● 誌碑  吉井正・山階鳥類研究所前標識研究室長 pp.65-66
● 投稿される方へ pp.67-71
● 投稿される方へ(英文) pp.72-76

「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

新年のご挨拶/大きく変わった鳥の分類ー日本鳥類目録改訂第7版ー/聟島のアホウドリ今シーズンも産卵〜「山階鳥研NEWS」1月号

news201401山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」1月号が発行になりました。
2012年9月に日本鳥学会の「日本鳥類目録」改訂第7版が出版され、新記録の鳥が多数、日本産鳥類として加えられるとともに、分類についても大幅な改訂が行われ、研究者やバードウォッチャー、図鑑を発行している出版社等にも大きな波紋が広がりました。4〜5頁の「大きく変わった鳥の分類ー日本鳥類目録改訂第7版ー」では、この改訂について、作業に携わった山崎剛史・研究員に解説してもらいました。
鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は「千鳥格子」です。
「山階鳥研NEWS」2014年1月号 目次
1面  表紙写真(キクイタダキ) 賛助会員 大浦晴壽
2面  新年のご挨拶   理事長 島津久永/
山階武彦助成事業応募受付のお知らせ/NEWS表紙写真募集のお知らせ
3面  JBF2013報告・全日本カービングコンクール所長賞/テーマトークのご案内
4〜5面   大きく変わった鳥の分類ー日本鳥類目録改訂第7版ー 山崎剛史
6面  聟島のアホウドリ今シーズンも産卵/
所員の著書「折居彪二郎採集日誌」/
手賀沼流域フォーラムで所長が講演しました
7面  中部地区賛助会員の集い報告/九州地区賛助会員の集いのお知らせ/訂正
8面  事務局から/とりのことば
「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。
※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。