月別アーカイブ: 2016年8月

北海道のノビタキが大陸経由で南下して中国南部やインドシナ半島で越冬することを明らかにしました

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国立研究開発法人森林総合研究所、北海道大学、山階鳥類研究所ほかの国際共同研究チームは、北海道のノビタキが大陸経由で南下して中国南部やインドシナ半島で越冬することを明らかにしました。本日、森林総合研究所、北海道大学、山階鳥研が共同で報道発表を行いました。プレスリリースの資料は下記リンクからご覧ください。

山階鳥類研究所 プレスリリース(2016年8月22日)

また論文の要旨(英文)は下記リンクからご覧ください(論文の本文は有料です)。

Yamaura, Y. et al. 2016. Tracking the Stejneger’s stonechat Saxicola stejnegeri along the East Asian–Australian Flyway from Japan via China to southeast Asia. Journal of Avian Biology: DOI: 10.1111/jav.01054.

ノビタキは日本では北海道と本州の草原に春に渡来して初夏に繁殖する小鳥です。越冬地は中国南部から東南アジア周辺であることが知られていますが、日本産のノビタキがどんなルートで渡りを行い、越冬地のうちどのあたりで越冬するかの詳細は知られていませんでした。

この研究は、ジオロケータ−という、日の出と日の入りを記録することで地球上の位置を推定する、小型軽量の器機を装着しておこなったものです。ジオロケータ−の軽量化による小鳥類への応用はごく最近可能になったもので、体重15gという小型の小鳥の渡り経路を明らかにしたのは、東アジア地域としては初めての事例です。

繁殖期に北海道でジオロケーターを装着されたノビタキは、大陸に移動して中国を経由し、中国南部とインドシナ半島で越冬していました。従来日本の渡り鳥は本州づたいに南下して大陸に渡ると考えられていましたが、本研究により、異なる渡りルートの存在が初めて確かめられました。

8月12日(金)は一斉休業します

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本年も、夏季の節電対策として、山階鳥研は、照明、空調の使用抑制等に加え、通常は職員がそれぞれの都合で取る夏期休暇のうち2日間について、一斉休業し、その2回目を 8月12日(金)に実施します。ご関係の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご承知おきください。

「夏季一斉休業のお知らせ」はこちらです.

ポスターできました!山階賞記念シンポジウム「子を他人に預ける鳥、カッコウ類研究の最前線」

ポスター・チラシ
山階芳麿賞記念シンポジウム「子を他人に預ける鳥、カッコウ類研究の最前線」
のポスターとチラシができました!今日すでに一部を、東京周辺の鳥類関係機関、博物館等に発送しました。

9月24日(土)東京大学弥生講堂です!

※ 山階芳麿賞記念シンポジウム「子を他人に預ける鳥、カッコウ類研究の最前線」の詳細はこちらです。

8月のテーマトークは「ミソサザイってどんな鳥?こんな鳥」(8月13日(土))です

ミソサザイ囀り夏まっ盛りですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は、8月13日(土)の開催です。齋藤武馬・自然誌研究室研究員に、ミソサザイについて話してもらいます。

ミソサザイは日本最小クラスの鳥のひとつで、体重はスズメの半分以下しかない鳥です。夏にはよくしげった山の渓流ぞいですばらしい囀りを聞くことができますし、冬にはやや低い山の暗い林床などで出会うことができますが、意外とその生態は知られていません。今回のテーマトークでは、齋藤研究員が、その分類や繁殖生態、最近の分布の変化等について紹介し、この渓流の小さな歌い手の生態や魅力についてお話しします。

第60回「ミソサザイってどんな鳥?こんな鳥」
【講師】齋藤武馬 山階鳥研自然誌研究室研究員
【日程】8月13日(土)

【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。
※ テーマトークは8月13日(土)のあと、9月はお休みして、次は10月8日(土)の開催です。