IUCN(国際自然保護連合)が2016年12月8日に発表したIUCNレッドリストの2016年版の中で、新たに絶滅危惧種に指定された種のうち、日本に生息する種として、日本では冬鳥として越冬のために渡来するカシラダカが、絶滅危惧II類(VU)に位置づけられました。
カシラダカはホオジロ科の小鳥で、ユーラシアの西端のスカンジナビア半島から東端の極東ロシアまで広く繁殖し、ユーラシアの温帯地方の農耕地で越冬します。今回の指定は、スウェーデンの研究者らとともに、尾崎清明副所長・保全研究室長が共著者として加わった、日本での鳥類標識調査によるモニタリング結果を含む論文で、過去30年の間に75‒87%もの個体数が減少したことが明らかにされたことがきっかけになっています。
尾崎副所長は、「カシラダカのような普通種でも、個体数の減少率が大きいと絶滅危惧に指定されるという例として注目したい。」と話しています。
IUCN(国際自然保護連合)は、1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワークです。
※ 写真は、カシラダカ(撮影:西巻実氏/我孫子野鳥を守る会)