月別アーカイブ: 2017年10月

最近いらっしゃったお客様から

10月11日、ニュージーランドのスティーブン・ペイトン(Stephen Payton)駐日特命全権大使夫妻一行が、山階鳥研を訪問し、所内を見学しました。ペイトン大使は、ニュージーランドのシギ類は北極圏まで飛んで行くが、それは日本も通過するのかといった専門的な質問をされたり、キーウィの標本を目にするとキーウィの夜間調査を見学した経験を話されたりと、鳥類や自然環境にも関心をお持ちで、興味をもって見学していらっしゃるようすでした(写真は、右からペイトン大使、キャロリン・ガイ(Carolyn Guy)参事官、山崎剛史 自然史研究室長、ジャネット・ロー(Janet Lowe)大使夫人、壬生基博 理事長、北條政利 事務局長です)。

10月17日、日橋一昭 井の頭自然文化園園長と、埼玉県こども動物自然公園のスタッフ4名が、山階鳥研を訪問し所内を見学しました。実際にさまざまの鳥に日常的に接している動物園のスタッフの方たちは、口々に感想を話しながら、興味深そうに説明を受けたり、いろいろな資料を見学していました(写真は右奥が日橋園長、手前がこども動物自然公園のスタッフのみなさん、左奥は山崎 自然誌研究室長です)。

10月30日、雑誌エコノミスト(The Economist)誌のアジア地区の編集者、ドミニック・ツィーグラー(Dominic Ziegler)さんが、日本の鳥類学や鳥類保護の取材のため、山階鳥研を訪れました。日本の鳥類学や山階鳥研の鳥類標識調査、アホウドリ保護の歴史と現状、標本コレクションの成り立ちなどについて熱心に取材してゆかれました(写真は右から、同行したバードライフ・インターナショナル東京のシンバ・チャン(Simba Chan)さん、ツィーグラーさん、尾崎清明 副所長、平岡考 広報コミュニケーションディレクターです)。

第27回鳥学講座「夢を運べ、北の島から日本の空へ −絶滅から復活への道を歩むシジュウカラガン」(11月4日(土)、我孫子)JBFで開催します


我孫子市で開かれる鳥と環境のお祭り「ジャパンバードフェスティバル2017」に合わせ今年も鳥学講座を開催します。多くのみなさまのご来場をお待ちしております。

第27回鳥学講座
「夢を運べ、北の島から日本の空へ −絶滅から復活への道を歩むシジュウカラガン」
【講師】呉地正行(日本雁を保護する会会長)
【日時】2017年11月4日(土)14時30分〜16時00分(開場:14時00分)
ジャパンバードフェスティバル2017との同時開催
【場所】アビスタ(我孫子市生涯学習センター)(定員:120 名)(千葉県我孫子市若松26-4)
地図(外部サイト)
【会場までの交通】JR我孫子駅南口から「アビスタ・市役所経由」のバスでアビスタ前下車すぐ
【参加費】無料(事前申し込み不要・先着順)
【主催・問い合わせ】我孫子市鳥の博物館(電話 04-7185-2212)/(公財)山階鳥類研究所(電話 04-7182-1101)

レジュメ(+講師プロフィール)はこちらのリンクからご覧になれます。

かつて大群が日本に渡来していたシジュウカラガンですが、20世紀初頭、繁殖地の千島列島に、毛皮を採る目的でキツネが放されたために激減し、日本への渡来もほとんどなくなってしまいました。1980年代に「日本雁を保護する会」を中心として始まったシジュウカラガンをよみがえらせようという取り組みが近年実を結んで、現在は3000羽ほどが北日本を中心に渡来するまでになっています。同会会長の呉地さんにこの取り組みの経緯と成果、さらに課題や教訓についてお話しいただきます。

ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)のサイトはこちらです。

【時間割掲載!】「山階鳥研 見にレクチャー9」@ジャパン・バード・フェスティバル(11/4-5)へのご来場お待ちしています!

年に1回、山階鳥研の地元、千葉県我孫子市で開催される、鳥と環境のお祭り「ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)」は今年は、この週末、11/4(土)、11/5(日)です。
山階鳥研では一般の方から見学のご希望が多いことに応えて、今年も、JBF期間中、山階鳥研の講堂で所員が交代でミニレクチャーを行います。スライドによる、研究所紹介や研究紹介です。ご入場には当日配布の整理券が必要です。下記注意事項をお読みいただきご来場ください。皆様のお越しをお待ちしております。

ジャパンバードフェスティバル(JBF)2017
山階鳥研 見にレクチャー9
【日程】2017年11月4日(土)5日(日)
【時間】
11/4(土)10:00〜16:00(整理券配布 9:50〜)
11/5(日)10:00〜15:00(整理券配布 9:50〜)
※ 昨年より開始時間が30分遅くなっています。
【場所】山階鳥研 講堂(千葉県我孫子市高野山115)
【参加費】無料 【定員】毎回40名 整理券による入場

【ご注意】
※ 各回講演時間25分、定員40人(一斉入場、一斉退出)
※ ご入場には整理券が必要です。定員に達しましたら整理券の配布は終了致します。
※ 整理券は当日分のみを9時50分より山階鳥研の玄関で配布致します。
※ 整理券はお一人様5枚までの配布となります。一度に複数回の整理券はお出しできません。複数の講演をご希望の方は、お持ちの整理券の回が終了してから次のご希望の回の整理券をお取りください。
※ 「山階鳥類研究所紹介」はスライドを使って研究所の活動を紹介する講演です。研究所全体の見学は行いません。玄関ロビー内と一部廊下のポスター展示は整理券なしでもご自由にご覧いただけます。
※ 駐車場の用意はありません。なるべく公共交通機関をご利用ください。
時間割・講演内容の紹介・会場へのアクセス等の詳細はこちらのリンク(イベント情報)をご覧ください。
ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)のサイトはこちらです。

※ 写真は昨年の「見にレクチャー」の中の講演のようすです。

10月のテーマトークは「ハヤブサはワルぶったインコなのか」(10/14(土))です

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」は今月は10月14日(土)に、山崎剛史・自然誌研究室長が、鳥類の類縁関係の新知見から興味深い話題を紹介します。

鳥類学者は古くから鳥たちの類縁関係について考えてきました。最近、DNAの配列を読み取る技術が目覚しく進歩しましたが、このブレイクスルーにおかげで、鳥たちの類縁関係について、意外な事実が次々と明らかになってきています。ハヤブサはタカではなく、インコやスズメに近い。カワセミはあの鳥やあの鳥の仲間だ-そんな面白いトピックスを紹介してもらいます。

ぜひ多くの皆さんのご来場をお待ちしております。

第69回「鳥の系統学の今 〜ハヤブサはワルぶったインコなのか」
【講師】山崎剛史 山階鳥研自然誌研究室長
【日程】10月14日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

会場の我孫子市鳥の博物館では、山階鳥研と同博物館共催の企画展「鳥・酉・鶏・とり〜酉年はトリで楽しむ〜」を開催中です。あわせてお楽しみください。

※ テーマトークのこれまでの開催実績(PDF)はこちらです。
※   山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

※ 画像はハヤブサです(写真:我孫子市鳥の博物館)。

10/8 (日)の「ダーウィンが来た!」、山階鳥研所員の協力で、誰も知らない山の上のヒバリの生態があきらかに!

毎週日曜日にNHKで放送される「ダーウィンが来た!」、生き物好きの方はご覧になっている方が多いと思います。

10/8 (日)放送の「ダーウィンが来た!」は「なぜ富士山に?草原のヒバリ」です。

ヒバリという鳥の名前は皆さんよく聞かれるでしょうし、実際に農村地帯では身近な鳥です。しかし、その生態は意外と知られていません。今回の番組では、そのヒバリの繁殖生態をじっくりと紹介しています。平地での普通のヒバリの生態だけでなく、面白い点は、山の上で繁殖する通称「高山ヒバリ」を初めて紹介していることです。山の高い場所でヒバリが繁殖しているというのは、ほとんど知られていませんでした。ルリビタキの研究で知られる山階鳥研の森本元(もりもと・げん)研究員の長年の調査地である富士山にて、その手伝いに訪れた上田恵介立教大学名誉教授/山階鳥研特任研究員が、その存在に気付き、学会に報告したことで広く知られることとなりました。今回の番組でも、上田名誉教授が出演すると共に、森本研究員は現地で1ヶ月近く密着した協力と監修を行っています。誰も知らない山の上でのヒバリの生活を、お楽しみください。

生きもの新伝説 ダーウィンが来た!「なぜ富士山に?草原のヒバリ」
2017年10月8日(日)19:30〜20:00 NHK総合

※ 生きもの新伝説 ダーウィンが来た!の番組ウェブサイトはこちらです。
※ なお、上田名誉教授は画面に登場しますが、森本研究員の画面への出演はありません。
※ 写真は森本研究員が「高山ヒバリ」の生息地での撮影時に撮ったものです。

 

アカヒゲとコマドリの学名はなぜ入れ替わってる?その原因になった本が今だけ見られます!

我孫子市鳥の博物館で開催中の「鳥・酉・鶏・とり 〜酉年はトリで楽しむ〜」(共催:山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館)、会期がすでに半分を過ぎましたが、皆様ご覧になっていただけましたでしょうか。

今回写真をご紹介するのは、18〜19世紀のオランダの動物学者、オランダ自然史博物館の初代館長コンラート・ヤーコプ・テミンクの著作「新編彩色鳥類図譜」(山階鳥研所蔵)です。

作品保護のため、5日ごとにページをめくって違うページをお見せしていますが、10月8日(日)の夕方までは日本の南西諸島産のアカヒゲのページが開かれています。鳥好きの方はご存じのトリビア、よく似た日本産の小鳥、アカヒゲとコマドリの学名がいれかわっていて、アカヒゲの種小名はkomadori、コマドリの種小名はakahigeであるのは、テミンクがこれらの小鳥に学名を与えたこの「新編彩色鳥類図譜」の間違いに起因しているのです。アカヒゲのあと、10月9日(月)から10月15日(日)までの5日間こんどはコマドリのページが開かれますのでこちらもぜひご覧になってください。


日本の江戸時代に海を越えてヨーロッパに世界中から鳥の標本がもたらされ、学名が与えられ、分類されて徐々に体系だてて整理されてゆきます。今、私たちが使っている図鑑もその頃から営々と続けられてきた生物学者たちの営みの結果としてあることが、この「新編彩色鳥類図譜」を見ても思いおこされますが、今回の企画展ではそのほかにも、鳥と人の関係をさぐるさまざまな展示をお見せしています。ぜひご来場ください。

我孫子市鳥の博物館第78回企画展「鳥・酉・鶏・とり 〜酉年はトリで楽しむ〜」
【会期】 2017年7月15日(土)〜11月26日(日)
【場所】 我孫子市鳥の博物館 千葉県我孫子市高野山234-3 Tel. 04-7185-2212
【休館日】毎週月曜日(祝日の場合は開館し、その直後の平日が休館日となります)
【時間】9:30 〜16:30
【料金】通常の入館料でご覧になれます。(一般300円、高校・大学生200円、中学生以下・70歳以上の方・障がい者の方 無料)
【詳細・公式サイト】我孫子市鳥の博物館企画展ページ
【主催】我孫子市鳥の博物館・(公財)山階鳥類研究所

第78回企画展「鳥・酉・鶏・とり展」チラシPDF

※ 「新編彩色鳥類図譜」の展示は10月28日(日)までで、10月31日(火)からは、セルビィの「英国鳥類学図譜」を展示します。
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。