カテゴリー別アーカイブ: 保全

BIRDR 1月号をご覧ください〜標本室・オオトラツグミ、山階鳥研関係の記事2件をお読みいただけます

現在書店に並んでいる、バードウォッチングの雑誌「バーダー」(Birder)誌1月号に山階鳥研関係の記事が2件掲載されています。

「元・『幻の鳥』オオトラツグミの暮らし」(水田拓・山階鳥研保全研究室長)(pp. 30-31)
「”日本の至宝”に会いにいく!〜山階鳥類研究所・標本室見学」(神戸宇孝)(pp. 40-41)

前者の記事は、長らく環境省の奄美野生生物保護センターに勤務してきた水田保全研究室長が、九州以北産の亜種トラツグミのヒー、ヒョーという不気味なさえずりとことなり、抑揚のある澄んださえずりをもつ、奄美大島特産の亜種オオトラツグミの生態や現状について紹介しています。

後者の記事は、日本鳥学会で行われた我孫子市鳥の博物館と山階鳥研へのエクスカーションの同行記としてライターの神戸宇孝さんが山階鳥研の標本室を紹介したもので、中のようすや、貴重標本、標本はどのように研究に役立てられているか等が写真入りで紹介されています。

1/16には次の2月号の販売開始になります。ぜひ急いで書店で1月号をご覧ください。   



1月のテーマトークは「絶滅寸前?オガサワラカワラヒワの特徴とその保全」(1/18(土))です

写真:オガサワラカワラヒワ雄成鳥

我孫子市鳥の博物館で開催する、第3土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は1月18日(土)に、齋藤武馬山階鳥研自然誌研究室研究員が、小笠原諸島に生息するオガサワラカワラヒワについてお話しします。

同じ種なのだけれど、場所によって少しずつ特徴が違うときに、分類学者が検討して、区別して名前をつけたものを亜種と呼びます。カワラヒワの亜種、オガサワラカワラヒワは小笠原諸島固有の亜種ですが、近年個体数が減少し絶滅の危険性が高まっています。今回は齋藤研究員が、オガサワラカワラヒワはどんな鳥なのか、遺伝的、形態的特徴から紹介します。さらに、減少している個体数の現状や原因についても保全の立場から報告します。

多くの皆様のご来場をお待ちしています。

第91回「絶滅寸前?オガサワラカワラヒワの特徴とその保全」
【講師】齋藤武馬(山階鳥研自然誌研究室研究員)
    → この人
【日程】1月18日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
    → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名 
【主催・問い合わせ先】山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ テーマトークでのこれまでの講演実績はこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです



 

12月のテーマトークは「実は日本のカモメ類が減っています」(12/21(土))です

我孫子市鳥の博物館で開催する、第3土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は12月21日(土)に、富田直樹山階鳥研保全研究室研究員が、カモメ類の普通種の減少についてお話しします。

日本で見られるカモメ類の多くは国外に繁殖地がありますが、ウミネコとオオセグロカモメは、繁殖地が日本にあり、1年中どこかの漁港で観察できる馴染みの海鳥です。そんなウミネコとオオセグロカモメが近年,減少していることが分かりました.過去30年間のデータ解析から見えてきた日本の海鳥の現状についてお話しします。

多くの皆様のご参加をお待ちしています。

第90回「実は日本のカモメ類が減っています」

http://www.yamashina.or.jp/hp/event/event_log/theme_talk.html【講師】富田直樹(山階鳥研保全研究室研究員)
    → この人
【日程】12月21日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
    → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】各回とも先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 画像は、 ウミネコです。
※ テーマトークでのこれまでの講演実績はこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです

日本で繁殖する海鳥類の長期的な個体数変化を調べたところ、ウミネコやオオセグロカモメのような広く分布して数が多いと思われていた種類も減少していました

山階鳥研の富田直樹 研究員と佐藤文男 研究員(現・フェロー)は、北海道大学大学院地球環境科学研究院の先崎理之 助教、同水産科学研究員の綿貫豊 教授らの研究グループに参加して、日本で繁殖する海鳥10種類の過去36年間の個体数変化を解析しました。その結果が論文として発表されましたので、この9月2日にこのことについて北海道大学と山階鳥研の共同でプレスリリースを行いました

海鳥の個体数は世界的に長期的に減少し続けており、日本で繁殖している海鳥40種についても半数以上の22種類が環境省レッドリストの絶滅危惧種に指定されています。ですが、日本産の海鳥類の個体数が長期的にどのように変化してきたかは詳しく分かっていませんでした。

今回の研究の結果、ウミガラスやエトピリカといった絶滅危惧種だけでなく、ウミネコやオオセグロカモメといった分布が広く個体数が多いと思われていた種類も長期的に減少していることが明らかになりました。

佐藤研究員(現・フェロー)、富田研究員らは環境省の「モニタリングサイト1000」の一環として島嶼の海鳥の繁殖地の調査を行ってきており、結果は環境省の日本海鳥コロニーデータベースに反映されています。今回の分析はこのデータベースのデータに基づいて実施されました。

研究論文は、Senzaki, M. et al. (2019) Long-term declines in common breeding seabirds in Japan. Bird Conservation International, pp. 1-13.  として2019年8月29日に発表されました。

※ 画像は、今回の分析で長期的な減少が認められた4種(ウミガラス(左上)、エトピリカ(右上)、ウミネコ(左下)、オオセグロカモメ(右下))です。

海鳥が食べていたプラスチックから紫外線吸収剤や臭素系難燃剤などの添加物を検出し報道発表を行いました

国立大学法人東京農工大学の高田秀重教授をはじめとする国際研究グループは、海鳥が食べていたプラスチック片から添加剤が検出されたことを、このたび国際誌Marine Pollution Bulletinに発表しました。この研究グループには、出口智広・前保全研究室長(現在、兵庫県立大学大学院准教授)が参加しています。

これまでの研究から、 プラスチックから添加剤が移行して、海鳥の体内に蓄積することは確認されていることから、今回の 結果と併せて、食べたプラスチックから溶出した添加剤が、海鳥の体内に蓄積する実態が明らかとなりました。

東京農工大と共同発表の形で、本日報道発表資料を公開しました。

※ リリース資料はこちら(8/19付け)をご覧ください。

※ 論文(Kosuke Tanaka et al. 2019. Piece-by-piece analysis of additives and manufacturing byproducts in plastics
ingested by seabirds: Implication for risk of exposure to seabirds. Marine Pollution Bulletin, Volume 145, August 2019, Pages 36-41. )はこちら
をご覧ください。





BIRDR 7月号をご覧ください〜絶滅危惧種の特集・山階鳥研関係者の執筆3件

現在書店に並んでいる、BIRDR誌(文一総合出版)7月号では「絶滅の危機に立たされた鳥たち」という特集を組んでおり、山階鳥研所員、元所員の下記の執筆記事がお読みいただけます。

「レッドリストって何だろう?」小林さやか(自然誌研究室専門員)
「シマアオジと同じ路を辿ることになるのか カシラダカ」尾崎清明(副所長)
「乱獲から保護へ、新繁殖地は定着するか アホウドリ」出口智広(前保全研究室長、現在 兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科准教授)

7月16日には次の8月号が出ますので、お読みになりたい方は書店にお急ぎください。ご案内が遅くなり申し訳ありません。

(株)モンベルよりテント、レインウェアなどの調査装備をご寄贈いただきました

山階鳥研では環境省「モニタリングサイト1000」の一環として、全国の島嶼にある海鳥繁殖地の調査を行っているのをはじめ、各種の野外調査に従事しています。こういった調査でのテントやレインウェア等のアウトドア用品は基本的に個人装備ですが、過酷な使用のために消耗が激しく、所員や協力調査員の個人負担が大きいのが実情でした。
このたび、アウトドア用品メーカーの(株)モンベル(本社大阪)でこういった実情にご理解をいただき、本年1月、テント各種6張、タープ2張、レインウェア20着、背負子3点その他付属品を、山階鳥研の野外調査のためにご寄附いただきました。

そのお礼として、2月7日に東京都内に開催された同社の展示会にて、辰野勇(株)モンベル代表取締役会長に、壬生基博理事長名の感謝状を、出口智広保全研究室長から贈呈させていただきました。
「モニタリングサイト1000海鳥調査」を担当している富田直樹研究員は、「離島や岩礁などでの調査ではテントやレインウェアが必需品なので、ご寄贈いただいた装備はありがたく使わせていただきます。ご支援に感謝しています」と話しています。

(写真上)寄贈いただいた装備
(写真下)東京都大田区で開催されたモンベルの展示会で、同社への感謝状を持つ辰野勇(株)モンベル代表取締役会長と出口智広保全研究室長(2月7日)

日本鳥学会2018年度大会が始まっています

日本で最大の鳥類研究者団体である、日本鳥学会の2018年度大会が、9月14日〜17日の日程で、新潟大学で始まりました。

日本鳥学会の2018年度大会
【会期】2018年9月14日(金)~17日(月・祝日)
【会場】新潟大学五十嵐キャンパス(14〜16日)新潟コンベンションセンター 朱鷺メッセ (17日)

山階鳥研のメンバーは、こちらの一覧表のとおり、公開シンポジウムでの講演2件、口頭発表6件、ポスター発表6件、1件の自由集会の主催と自由集会の中の話題提供5件、自由集会でのコメンタリー1件などに参加します。

日本鳥学会2018年度大会の概要はこちらをご覧ください。会員以外の方でも、参加費を支払えば発表を聞くことが可能です。

また、公開シンポジウム「トキの放鳥から10年:再導入による希少性鳥類の保全」は公開で行われ、誰でも無料・事前申し込みなしで参加可能です。出口智広・保全研究室長が「アホウドリ移住計画はどこまで進んだか」、尾崎清明・副所長が「太平洋諸島のクイナ類の再導入」のタイトルでそれぞれ講演します。ご関心のある方はぜひふるってご参加ください。

興和光学株式会社から海鳥の繁殖地調査用望遠鏡3セットを寄贈いただきました

山階鳥研では環境省の「モニタリングサイト1000」の一環として、島嶼(とうしょ)の海鳥の繁殖地で調査を行っています。日本全国の30ヶ所(77島嶼)の海鳥繁殖地をそれぞれ3年から5年の調査間隔で回って、個体数や繁殖数のモニタリングをするものですが、海鳥の繁殖地は離島や岩礁などが多く、接近が難しいことも多いことから、高性能の望遠鏡が調査には欠かせません。またアホウドリの繁殖状況のモニタリングにも望遠鏡が必須です。

現在このプロジェクトで使用している望遠鏡3本はすでに15年以上使用しているもので、潮風や直射日光にさらされ、場所によって火山性の細かい砂なども吹きつける、劣悪な使用環境での長時間の使用によって老朽化が進み、性能も落ちてきていました。ところが高性能で堅牢な望遠鏡は大変高価なため、新規に購入することができず、苦慮していました。

興和光学株式会社にこの状況をお話ししたところ、このたび、「TSN-884 プロミナー」1台、「TSN-774 プロミナー」2台(いずれも、TE-11WZ25〜60倍ワイドズームアイピースつき)をご寄贈いただきました。

寄贈された望遠鏡を前にする富田直樹研究員。

「モニタリングサイト1000」を担当している富田直樹研究員は、「これまで愛用してきた興和光学製の望遠鏡が、長年の使用でさすがに見え方が低下してきているなど、しばらく前から更新の時期を迎えていると感じていました。このたび、新たに、ヘビーユースに耐えるハイエンドの機種を3台ご寄贈いただき、大変ありがたく思っています。この機材で良いデータを集めたいと思います」と話しています。

2018年3月、伊豆諸島鳥島、初寝崎コロニーの定点観察地で早速活躍しました。

ご寄贈いただいた望遠鏡で初寝崎でのアホウドリ飛来状況を観察(右奥の白い点々がアホウドリ)

興和光学株式会社公式ウェブサイト

あわせて山階鳥研ウェブサイトのこちらのページもご覧ください。
アホウドリ 復活への展望
海鳥の今を知る〜環境省モニタリングサイト1000〜
富田研究員紹介ページ

日ロ渡り鳥等保護条約会議に参加しました

2017年11月7〜8日、第11回日ロ渡り鳥等保護条約会議がモスクワで開催され、尾崎副所長が参加しました。詳しくは下記リンクから山階鳥研ウェブサイトでご覧ください。

日ロ渡り鳥等保護条約会議のようす。この条約は旧ソビエト連邦時代の1973年に署名され、今回で11回目の会議となった。

山階鳥研ウェブサイト「日ロ渡り鳥等保護条約会議に参加」

尾崎副所長紹介ページ