月別アーカイブ: 2016年4月

「山階鳥類学雑誌」(第47巻2号)のご案内

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山階鳥類研究所の学術雑誌「山階鳥類学雑誌」は年に2冊の発行です。2016年3月20日付けで発行された、2015(平成27)年度の第2号についてご紹介します。

● 総説
川田伸一郎: アラン・オーストン基礎資料 pp.59-93

● 原著論文
由井正敏,江頭 優: 球体モデルに基づく区画法による風車への鳥類衝突数の推定 pp.95-121

● 短報
富田直樹,佐藤文男,岩見恭子: 山形県飛島のウミネコ繁殖地のネコによる被害状況 pp.123-129
村松康太,山本 潤,阿部拓三,西澤文吾,星 直樹,大和田真紀,綿貫 豊,桜井泰憲: 海鳥は飛んでいるイカを捕える─アカアシカツオドリの観察例─(英文) pp.130-136
● 報告
富田直樹,成田 章: ウミネコ繁殖地蕪島における2012年から2015年の繁殖モニタリング pp.136-139
千田万里子,仲村 昇,尾崎清明: 2012 ~ 2015 年に福島県で行われた繁殖鳥モニタリング調査の結果報告 pp.140-155
田崎駿平,比嘉瑞希,福田 真,山本以智人,國吉沙和子,平山琢二:野生下におけるヤンバルクイナGallirallus okinawaeの営巣行動の一例 pp.156-160

<編集長の中村浩志信州大学名誉教授の編集後記から>
「昨年3月発行の2号では、投稿規定を改訂いたしましたが、現在編集委員会では、雑誌の表紙デザインとサイズの変更についての検討を始めています。現在の表紙のデザインは、山階鳥研のシンボルマークであるヤマショウビン等3羽の鳥の白黒の絵が使われており、その下に各号の掲載論文等の目次がつけられています。
シンボルマークを継続使用するか、その下の目次を今まで通りここに付けるか、別の場所に移し、ここには写真等の別なものを付けるか、現在の薄黄色を別な色にするか、B5サイズから大きくしA4にするか等を検討中です。今のところ、ここでより見栄えのよい雑誌にするのがよいか、それよりも雑誌の質の向上に一層努めるべきか意見が分かれているところです。表紙デザインとサイズの変更は極めて重要な問題ですので、少なくとも一年程度かけて慎重に検討を進めて行きたいと思います。
投稿いただく皆様もこれらの問題についてのご意見がありましたら浅井編集庶務幹事までお寄せいただけたらと思います。これからも皆様の投稿をお待ちしています。」

● 投稿論文校閲者一覧 p.161
● 投稿される方へ pp.162-166
● 投稿される方へ(英文)pp.167-171

「山階鳥類学雑誌」は、鳥類の研究論文を掲載する学術雑誌です。1952年に「山階鳥類研究所研究報告」のタイトルで創刊され、2003年に現在の誌名に改めました。山階鳥研の研究論文を掲載するとともに、所外の研究者の研究発表の場としても貢献しています。
賛助会員に入会され、「山階鳥類学雑誌」を購読するコースを希望された方にお送りしています(そのほかに広報紙「山階鳥研NEWS」を購読するコースもあります)。
※ 山階鳥類学雑誌の解説はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌の目次(1992年以降)はこちらです。
※ 山階鳥類学雑誌掲載論文(刊行後2年を経過したもの)のPDFはこちらです。
※ 賛助会員のご案内はこちらです。

海鳥の今を知る/祖父が教えてくれた渡り鳥/聟島アホウドリのヒナ孵化/アメリカコアジサシの日本初記録/「山階鳥研NEWS」3月号

news_1603s山階鳥類研究所の広報紙「山階鳥研NEWS」3月号の内容紹介です。

冒頭の「海鳥の今を知る」では、山階鳥研が環境省「モニタリングサイト1000」の一環として行っている島嶼の海鳥の繁殖地の調査の実際を、富田直樹研究員に紹介してもらいました。また、佐藤文男研究員が監修した、記録映画「鳥の道を越えて」の今井友樹監督に、映画を作るきっかけや、作品に込めた鳥と自然に対する思いを紹介していただきました。アホウドリの再導入プロジェクト、鳥類標識調査での成果もご報告しています。

鳥にまつわる言葉を紹介する小コラム「とりのことば」、今号は禅の言葉という、ちょっと難しい「啐琢同時」です。

「山階鳥研NEWS」2016年1月号 目次
1面 表紙写真(ビロードキンクロ) 賛助会員 神崎高歩
2〜3面 海鳥の今を知る〜環境省モニタリングサイト1000〜 保全研究室 富田直樹
4面 寄稿エッセー「祖父が教えてくれた渡り鳥」映画監督 今井友樹
5面 小笠原諸島聟島アホウドリのヒナ孵化/鳥類標識調査アメリカコアジサシの日本初記録
6面 各種講習会・セミナー開催
7面 中部地区賛助会員の集い報告/九州地区賛助会員の集い案内/テーマトーク案内/所員の著書
8面 山階賞候補者公募/Facebook Twitter始めました/事務局から(賛助会員/ご寄附)/とりのことば

「山階鳥研NEWS」は、山階鳥研の活動や、鳥学研究や鳥の話題をやさしく紹介するニュースレターです。賛助会員に入会いただきますと、隔月でお送りいたします。

※賛助会員のご入会は「ご支援のお願い」をご覧ください。
山階鳥研NEWSのこれまでの号の目次はこちらです。

平成28年熊本地震で被災された皆さまへ

4月14日以降発生しております平成28年熊本地震により犠牲になられた方々及びご遺族の方々に対し衷心よりお悔み申し上げます。また、負傷された方々、被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。

一人でも多くの方のご無事と、一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

なお、4月25日に開催を予定しておりました山階鳥類研究所の「九州地区賛助会員の集い」は延期いたします。新日程につきましては改めてご案内いたします 。

(公財)山階鳥類研究所

4/10(日)深夜24時J-WAVE「Growing Reed(グローイングリード)」に出口研究員が出演してアホウドリの人工飼育のお話をします

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この週末の日曜深夜のFMラジオ、J-WAVEの岡田准一さんの番組で、出口智広研究員がアホウドリの人工飼育のお話をします。「ある一つのテーマの専門家をお呼びして徹底的に質問」する番組とのことです。

聴取可能な範囲は東京とその周辺地域に限られますが、パソコンやスマートフォンでラジオが聴けるradiko経由で、関東の1都6県では無料で聴取できるそうです。また有料になりますが、radiko premiumでは日本全国での聴取が可能とのことです。

ぜひお楽しみください。

Growing Reed (グローイング・リード) J-WAVE (81.3MHz)
【放送日時】2016年4月10日(日)深夜24:00〜25:00 (4月11日(月)午前0:00〜1:00 )
【タイトル】何故アホウドリを人工飼育することになったんですか?
【番組ウェブサイト】Growing Reed (グローイングリード)

※ J-WAVEを、radikoなど、ラジオ以外で聴く方法は、こちらのJ-WAVE「聴く」のページをご覧ください。

※ 山階鳥類研究所のアホウドリ保護のページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

国立科学博物館でバイオミメティクス(生物模倣)の企画展と講演会があります

企画展「生き物に学びくらしに活かす―博物館

山階鳥研は、国立科学博物館ほかと共催で、バイオミメティクス(生物模倣)の企画展を開催します。

バイオミメティクスというのはちょっと聞き慣れない言葉ですが、生物に学びながら、私たちのくらしをより良くすることを目指す、生物学と工学が連携、恊働する新しい学問分野です。

たとえば、ハスの葉が水をはじく能力は、身近な品物に役立てられないでしょうか?フクロウが暗闇の中を静かに飛ぶしくみは、騒音の大きなプロペラなどに応用できないのでしょうか?

こういった関心をもとにした製品の研究開発がバイオミメティクスです。こういった研究開発は実際に行われるようになってきており、一部は実用化されているものもあります。この展示では、昆虫・魚類・鳥類を中心に、バイオミメティクスの実例とそのモデルになった生物、生物標本を所蔵する博物館や研究機関が果たす役割などを紹介します。

企画展 生き物に学び、くらしに生かすー博物館とバイオミメティクス
【日時】2016 年4 月19 日(火)〜6 月12 日(日)
【休館日】毎週月曜日※月曜日が祝休日の場合は翌火曜日/
ただし、5 月2 日(月)と6月6 日(月)は開館
【場所】国立科学博物館(東京・上野)日本館1 階
【入館料】一般・大学生:620 円、高校生以下・65 歳以上: 無料
【主催】(独)国立科学博物館 科研費新学術領域「生物規範工学」
【共催】(公財)山階鳥類研究所、高分子学会バイオミメティクス研究会
★ 詳細は国立科学博物館のウェブページでご確認ください。

この企画展に付随して講演会がふたつ開催され、山階鳥研の研究員2名を含む4名の講師が講演します。

講演会1(対象:小学校5年生以上)
【日時】4月23日(土)14:00~15:20
【場所】国立科学博物館日本館2階講堂
【講演内容と講師】
昆虫とバイオミメティクス 国立科学博物館 動物研究部 野村 周平
鳥の動きのバイオミメティクス 山階鳥類研究所 山崎 剛史
★ 要申込み(4月8日 17時締切、申込多数の場合は抽選;国立科学博物館のウェブページから申し込んでください)

講演会2(対象:小学校5年生以上)
【日時】5月21日(土)14:00~15:20
【場所】国立科学博物館日本館2階講堂
【講演内容と講師】
海洋生物とバイオミメティクス 国立科学博物館 動物研究部 篠原 現人
鳥の色のバイオミメティクス 山階鳥類研究所 森本 元
★ 要申込み(5月6日 17時締切、申込多数の場合は抽選;国立科学博物館のウェブページから申し込んでください)

多数の皆様のご来場をお待ちしています。

※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。

4月のテーマトークは「オス?メス?見た目でわかる?雄化(ゆうか)する鳥の謎」(4月9日(土))です

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山階鳥研の地元我孫子では、ソメイヨシノが8〜9分咲き程度というところで空模様がはっきりしないという、これぞ典型的なサクラの季節という状況ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は、4月9日(土)の開催です。岩見恭子・自然誌研究室研究員に、雄化(ゆうか)という現象について話してもらいます。

鳥は雄が綺麗で雌は地味など、外見で見分けられる種類がいますが、雄だと思っているその鳥はほんとに雄でしょうか?いやそうじゃない、という事例があるそうです。雄の姿をした雌、つまり雄化した美しい雌について紹介してもらいます。

第56回「オス?メス?見た目でわかる?雄化する鳥の謎」
【日程】2016年4月9日(土)
【講師】岩見恭子(山階鳥研自然誌研究室・研究員)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

カレドニアガラスの嘴が道具を使いやすい特殊な形に進化していることを発見しました

crow_7_s02南太平洋のニューカレドニアだけに生息するカレドニアガラスは、先端を鈎状に整えた小枝や葉を嘴でくわえ、木の穴などにつっこんで中から昆虫やその幼虫を引っぱりだして食べる、道具を使う鳥であることが知られています。慶應義塾大学ほかの国際共同研究チームは、さまざまな種のカラス類の嘴の三次元形態を比較解析して、カレドニアガラスが道具の使用に適した特殊な形態に進化していることを発見しました。この研究チームには山階鳥研の山崎剛史研究員が参加しています。

詳細は、慶應義塾大学のプレスリリース「道具を使うカラスの嘴が特殊な形に進化していることを発見」(2016年3月10日)をご覧ください。

この結果は、2016 年3月9日に「Scientific Reports」オンライン版にMatsui et al. 2016. Adaptive bill morphology for enhanced tool manipulation in New Caledonian crows. として発表されました。

※ 画像は、木の中に潜むカミキリムシの幼虫を道具を使って捕まえるカレドニアガラス(写真:オークランド大学Gavin R.Hunt 博士)

「ナショナルジオグラフィック日本版」4月号に学生レポーターの聟島でのアホウドリ調査体験記が掲載されています

アホウドリ学生レポート_ナショナルジオグラフィックs山階鳥研では、アホウドリのいっそうたしかな復活のために、小笠原への再導入のプロジェクトに取り組んでいます。

この1月に、このプロジェクトに助成いただいている三井物産環境基金の企画で、小笠原諸島聟島でのアホウドリの調査に、公募で選ばれた学生レポーター2名に同行してもらい、その体験記が「ナショナルジオグラフィック日本版」4月号(140〜143ページ)に掲載されました。

使われている写真は写真家の南俊夫さんが撮影されたものです。

雑誌に掲載された体験記は一部で、全文はナショナルジオグラフィック日本版のウェブページでお読みただけます。

三井物産環境コミュニケーションリポート 三井物産環境基金の10年「アホウドリの繁殖地復活を生き物保護のモデルケースに」

ぜひご覧ください。

※ 山階鳥研のウェブサイト「アホウドリ復活への展望」アホウドリ最新ニュース の目次はこちらです。