こんどの日・月とアホウドリに関心がある皆さんには見逃せない番組ふたつをお知らせします。
ひとつは今週末の日曜日、7月17日(日)放送のNHK「ダーウィンが来た!」です。「ダーウィンが来た!」では、アホウドリの「小笠原再導入」のプロジェクトに当初から密着し、何度も取り上げてくれていますが、今回は、小笠原諸島聟島(むこじま)で、人の手で育てられたアホウドリ「イチロー」と野生の「ユキ」のつがいに生まれたヒナの、巣立ちに至るまでの様子が放送されます。
この「小笠原再導入」プロジェクトは、アホウドリの一層たしかな復活のため、山階鳥研が、アメリカ合衆国魚類野生生物局や日本の環境省などと共同で、アホウドリが昔生息していた小笠原にもういちど戻ってくるよう、2008年から5年間、現在の繁殖地の伊豆諸島鳥島から聟島に合計70羽のヒナを移送して育てたものです。「イチロー」は2008年、つまりこのプロジェクトの最初の年に移送され、巣立ったヒナです。プロジェクトのこれまでを振り返りながら、プロジェクトの飼育地だった聟島で初めて、人工飼育個体から生まれたヒナの成長を、ご家族みなさまでご覧ください。
NHK総合「生き物新伝説 ダーウィンが来た!」
第467回「悲願達成!? アホウドリ移住計画」
【放送日時】2016年7月17日(日)19:30〜19:58
【再放送】2016年 7月19日 8月2日(火)16:20〜16:48
* 山階鳥研のアホウドリのページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
* 番組公式ウェブサイト(外部サイト)はこちらです。
* 写真は、5月13日に聟島で撮影された巣立ち直前のヒナのようすです。
この翌日、7月18日(月)のBSプレミアムでは、俳優の池内博之さんが、アホウドリの世界最大の繁殖地である伊豆諸島鳥島を訪ねます。鳥島には、江戸時代に何組もの漂流民が黒潮に流されて漂着しています。中にはアホウドリを食べて何年も生き延びて生還した例もあるのです。この番組は、江戸時代の漂流記を手がかりに、池内さんが鳥島を訪ねるドキュメンタリーで、
この中で、山階鳥研の創立者、山階芳麿が1930年に撮影した、鳥島のようすの短い動画が紹介されます。戦後、絶滅してしまったらしいと発表される以前の、アホウドリが激減はしていたものの、まだ推定で2000羽いた頃の動画として極めて貴重なものです。番組の内容について細かい情報はいただいていませんが、現在でも山階鳥研の研究者が毎年調査に訪れている鳥島がどんなところか、アホウドリの保護活動の報道とは違った視点からの紹介もあるかもしれません。関心がおありの方はこちらもぜひご覧ください。
池内博之の漂流アドベンチャー 黒潮に乗って奇跡の無人島へ(NHK BS プレミアム)
【放送日時】2016年7月18日(月)21時00分~22時29分
* 番組公式ウェブサイト(外部サイト)はこちらです。
*「鳥島ウォーカー」はこちらです(山階鳥研のアホウドリのページ「アホウドリ 復活への展望」から) 。