山階鳥研は本日をもって年内の業務を終了しました。新年の始業は1月5日(木)からとなりますのでよろしくお願いいたします。
皆様よいお年をお迎えください。
山階鳥研は本日をもって年内の業務を終了しました。新年の始業は1月5日(木)からとなりますのでよろしくお願いいたします。
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リアルな鳥の彫刻であるバードカービングの日本での草分けで、我孫子市在住の内山春雄さん(日本バードカービング協会会長)が、12月22日、山階鳥研で所員を対象に、最近の活動について話をされました。
内山さんは、視覚障害者に鳥について理解してもらう教材として、触れるバードカービング、「タッチカービング」を発案され、実際に視覚障害者に対する講演等も行っていますが、今年2月にハワイで行われた太平洋海鳥グループの年次大会で「タッチカービング」について講演を行いました。このときのハワイ訪問で、ハワイミツスイの仲間の適応放散が、「タッチカービング」による生物多様性についての教材にふさわしいことに気づき、9月に、再度ハワイを訪問し、ビショップ博物館で、多数の絶滅種を含む約40種のハワイミツスイ類の標本を閲覧し、完成まで数年を要すると見込まれるハワイミツスイ類全種のカービング作成のためのデータ収集をしてこられました。
今回のセミナーでは、2月の太平洋海鳥グループの大会での研究者へのプレゼンテーションや交流のようすや、考古・民族・自然誌の分野で名高いビショップ博物館の脊椎動物学部門での標本閲覧体験、そして、ハワイミツスイ類全種のカービング作成のプロジェクトについて話されました。
出版社から紹介の依頼を付して献本いただいた書籍です。ご寄贈大変ありがとうございました。
水田拓(著)
『「幻の鳥」オオトラツグミはキョローンと鳴く』東海大学出版部, 平塚. (2016年12月20日発行. B6版. 218ページ. 2,000円+税. ISBN978-4-486-02118-6.)→ 版元ページはこちら。
2016年12月16日から18日の日程で、鳥類標識調査の従事者(バンダー)になるための講義講習会を山階鳥類研究所で実施しました。鳥類標識調査は、鳥類の移動や寿命などを番号つきの足環を使って調べる調査で、山階鳥研が環境省の委託を受けて実施しています。
今回参加したのは、北海道、関東、中国からの合計6名です。講習生は、資格のあるバンダーのもとで一定のトレーニングを積んだ上で、山階鳥研の職員の野外調査に参加して実技講習を受けて今回の講義講習会に臨んだもので、標識調査に必要な知識や技術、関連法規などの講義を受けています。
現在、全国で約450名が調査に従事しており、年間約15万羽が標識放鳥(捕獲し足環をつけて放すこと)されています。
標識調査のあらまし(「渡り鳥と足環」)はこちらをご覧ください。
IUCN(国際自然保護連合)が2016年12月8日に発表したIUCNレッドリストの2016年版の中で、新たに絶滅危惧種に指定された種のうち、日本に生息する種として、日本では冬鳥として越冬のために渡来するカシラダカが、絶滅危惧II類(VU)に位置づけられました。
カシラダカはホオジロ科の小鳥で、ユーラシアの西端のスカンジナビア半島から東端の極東ロシアまで広く繁殖し、ユーラシアの温帯地方の農耕地で越冬します。今回の指定は、スウェーデンの研究者らとともに、尾崎清明副所長・保全研究室長が共著者として加わった、日本での鳥類標識調査によるモニタリング結果を含む論文で、過去30年の間に75‒87%もの個体数が減少したことが明らかにされたことがきっかけになっています。
尾崎副所長は、「カシラダカのような普通種でも、個体数の減少率が大きいと絶滅危惧に指定されるという例として注目したい。」と話しています。
IUCN(国際自然保護連合)は、1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワークです。
※ 写真は、カシラダカ(撮影:西巻実氏/我孫子野鳥を守る会)
世界中の飛べないクイナはすでに13種が絶滅し、現存する種もほとんどが絶滅の危機にあり、沖縄のヤンバルクイナも同様です。世界のクイナの生態と保全状況について山階鳥研の尾崎副所長がお話します。
講演会「世界の飛べないクイナ類とヤンバルクイナ」
【日時】2016年12月20日(火)19時~20時30分
【場所】国頭村保健センター(沖縄県国頭郡国頭村辺土名1437)
【主催・お問合せ】NPO法人 どうぶつたちの病院 沖縄
【後援】環境省那覇自然環境事務所/国頭村
【入場】無料
【プログラム】
1.世界の飛べないクイナを求めて(尾崎清明 (公財)山階鳥類研究所副所長)
2.ヤンバルクイナの繁殖確認 大宜味村で確認!(金城道男 どうぶつたちの病院沖縄)
3.やんばる国立公園とヤンバルクイナ(山本以智人 環境省やんばる野生生物保護センター
※ この講演会は東京動物園協会野生生物保全基金の助成により開催されます。
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。
直前のご案内になってしまいましたが、日本野鳥の会諏訪支部の講演会で、佐藤文男研究員がアホウドリを絶滅の危機から救う活動についてお話をしますのでご案内いたします。
創立60周年記念講演「アホウドリの復活大作戦」
【日時】2016年12月18日(日)14:00〜16:00
【場所】下諏訪総合文化センター(長野県諏訪郡下諏訪町西鷹野町4611−40)
→ 交通案内(外部サイト)
【講師】佐藤文男(山階鳥研保全研究室研究員)
【入場】無料
【主催】日本野鳥の会諏訪支部(外部サイト)
【問合せ先】日本野鳥の会諏訪支部 支部長林正敏氏(0266-22-8907)
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。