投稿者「山階鳥研広報」のアーカイブ

手賀沼のコブハクチョウに標識を行いました

【標識個体に関する最新情報】
2018年3月に3個体に装着した発信器は、実験が終了したため2018年5月から6月にかけて取り外しました。緑色の首環と足環については引き続き装着し、個体の移動の追跡を行います。(2018年6月22日追記)

手賀沼(千葉県我孫子市)に生息するコブハクチョウにデータロガー(記録装置)と首環(緑色)を装着しました。これはガン・カモ・ハクチョウ類の位置や移動に関する詳細な記録を収集する技術を開発する目的で、東海大学、山階鳥類研究所、我孫子市鳥の博物館が共同で実施しているものです。

首環と発信機、足環を装着されたコブハクチョウ

データロガーに蓄積されたデータは、離れたところから無線で取り込むことができます。まだ試験段階ですが、記録装置には高精度の三軸加速度計等が組み込まれており、活動状況、さらに脈拍や呼吸などの生理学的なデータが取り込めます。これにより将来は、野生のガン・カモ・ハクチョウ類の健康状態のモニタリングに役立てたいと考えています。

もし、標識された個体を手賀沼以外で観察された場合には、以下連絡先までお知らせいただければ幸いです。

<本件に関しての問合せ・連絡先>
我孫子市鳥の博物館学芸員 小田谷嘉弥 電話:04-7185-2212
山階鳥類研究所副所長 尾崎清明 電話:04-7182-1101

山階鳥研サイト「鳥類標識調査」の目次

「手賀沼のコブハクチョウに標識を行いました」

寄稿「風力発電が鳥類に及ぼす影響」をウェブサイトに掲載しました

広報誌「山階鳥研NEWS」3月号に、北海道大学水産科学院の風間健太郎さんが寄稿してくださった「風力発電が鳥類に及ぼす影響」をウェブサイトにも掲載しました。

原野にそびえ立つ風車。北海道稚内市にて風間氏撮影。

風力発電は、“安価で環境に優しい有望な発電方法” とクリーンなイメージで捉えられています。しかし風力発電は本当にクリーンな発電なのでしょうか?日本でも近い将来急増すると予想される風力発電の利点と問題点について、特に鳥類に及ぼす影響に注目してご説明くださっています。

是非こちらのリンクからお読みください。→ 「風力発電が鳥類に及ぼす影響」

その他の読み物はこちら → 読み物コーナー目次

4月のテーマトークは森本研究員による「富士山の野鳥と垂直分布~どの鳥がどの高さに棲んでいるのか~」(4/21(土))です

写真:様々な山林の鳥達が生息する富士山

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第3土曜日恒例の「テーマトーク」、次回は4月21日(土)に、森本 元 保全研究室・自然誌研究室研究員(兼務)が、富士山で見られる鳥についてお話をします。

日本の地理的特徴の一つは国土の大半を占める山林です。そして、そこには様々な鳥達が生息しています。山林の鳥たちの分布は、標高や環境によって違っています。約20年近くの富士山での鳥類研究から、身近な鳥達が山でどのように暮らしているかをご紹介します。

ぜひ多くの皆さんのご来場をお待ちしております。

※4月より開催日が毎月第3土曜日に変更となっていますのでご注意ください。

第74回「富士山の野鳥と垂直分布~どの鳥がどの高さに棲んでいるのか~」
【講師】森本 元(山階鳥研 保全研究室・自然誌研究室研究員(兼務))
【日程】4月21日(土)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ テーマトークでのこれまでの講演実績はこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです

 

おめでとう!ユキ、イチロー!小笠原群島聟島のアホウドリのつがいにヒナが誕生しました

<写真>アホウドリのヒナ(小笠原諸島(聟島))撮影日:2016年1月9日 撮影:山階鳥類研究所(提供:東京都)

<写真>アホウドリのヒナ(小笠原諸島(聟島))撮影日:2016年1月9日 撮影:山階鳥類研究所(提供:東京都)

小笠原群島聟島(むこじま)におけるアホウドリ新繁殖地形成事業において、2008年に聟島を巣立った人工飼育個体と野生個体のつがいの間で産卵・孵化に成功してヒナが初確認され、本日環境省、東京都と同時で報道発表を行いました。

<写真>アホウドリのヒナをクローズアップ(小笠原諸島(聟島))撮影日:2016年1月9日 撮影:山階鳥類研究所(提供:東京都)

<写真>アホウドリのヒナをクローズアップ(小笠原諸島(聟島))撮影日:2016年1月9日 撮影:山階鳥類研究所(提供:東京都)

プレスリリース(2016年1月15日付)

このつがいは2008(平成20)年に巣立った個体(カラーリング番号赤色Y01、8歳、雄)いわゆる「イチローくん」と、野生個体(足環なし、雌)「ユキちゃん」です※。これまで3シーズン続けて巣作りし産卵が確認されていましたが、孵化するまでにはいたりませんでした。今回4度目の挑戦で初めてのヒナの誕生です。

ついに!やりましたね!おめでとう!!

このプロジェクトは、過去にアホウドリの繁殖地があった小笠原群島にふたたび繁殖地を作ることを目標にして行ってきたものです。山階鳥類研究所などが伊豆諸島鳥島から小笠原群島聟島に移送して人工飼育し巣立ったアホウドリが、繁殖年齢に達して小笠原に戻り、繁殖が成功した事例としては、2014年春に聟島の隣の媒島(なこうどじま)から巣立った1羽がありました。

今回飼育地の聟島でも繁殖が確認されたことで、アホウドリ完全復活という目標にまた一歩近づいたものと関係者一同、喜びもひとしおです。これまでご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。引き続きこのプロジェクトにご関心をお寄せいただき、ご支援いただけますようお願いいたします。

※ このつがいはNHK「ダーウィンが来た!」「NHKスペシャル「小笠原の海にはばたけ~アホウドリ移住計画~」」などで、「ユキ」と「イチロー」と呼ばれています。
※ この事業は、(公財)山階鳥類研究所が、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金等の支援を得て、新しい繁殖地を形成する目的で、伊豆諸島鳥島のアホウドリのヒナを小笠原群島聟島に移送(2008~2012年)し、その後モニタリングを実施しているものです。

※ 山階鳥類研究所「アホウドリ復活への展望」(アホウドリ最新ニュース)はこちらです

山階鳥研広報ブログを移設しました。

日頃から「山階鳥研広報ブログ」をご覧いただき大変ありがとうございます。

旧ブログを置いていたプロバイダの都合により、ブログサービスが11月末をもって終了しました。それに伴い「山階鳥研広報ブログ」を新しいアドレスに移行し、ご覧のページで運用を開始しました。

新しい「山階鳥研広報ブログ」

https://yamashina.or.jp/blog/

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スウェーデンから鳥類研究者が来所しました

svensson_seminarスズメ目の鳥の種の識別と年齢・性別の査定をする際のマニュアル「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」の著者である、スウェーデンのラーシュ・スベンソンさんが11月17日、山階鳥研を訪れました。

「スズメ目」はウグイス科、ホオジロ科など、小鳥類のグループです。「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」には日本との共通種も多数掲載されており、英文の原書のうちから、鳥を手にとって仕事をするバンダー(鳥類標識調査の従事者)や博物館学芸員の必須文献でしたが、2011年に山階鳥研の尾崎清明副所長、茂田良光研究員の監訳、協力調査員の村田健さんの翻訳で、邦訳書が出版されました。

今回の訪日は、11月15・16日に新潟市で開催された日本鳥類標識協会のシンポジウムでの講演のために実現したもので、スベンソンさんは、山階鳥研でも、研究用の仮剥製標本を用いた年齢と性別の査定の研究についてセミナーを行ったほか、短い滞在時間を惜しむように、山階鳥研の所蔵標本の計測などを行いました。

鳥類標識調査は、番号付きの足環を捕獲した鳥の足に装着して放すなどの方法で、鳥類の移動や寿命を知ることをはじめいくつかの目的のために行われています。寿命を知るためには最初に捕獲したときの年齢が正確に記録できるのが大切なのはもちろんのこと、移動についても、年齢や性別によって時期や距離が異なる例があることが知られており、捕獲時に正確な年齢と性別を判定できることが、調査結果の精度向上のためにきわめて大切です。

※ 「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」についてはこちらをご覧ください。

※ 鳥類標識調査については「渡り鳥と足環」をご覧ください。

※ 写真は講演するスベンソンさん。

 

ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)に多数のご来場ありがとうございました。

odammaku今年のジャパンバードフェスティバルは、本日で2日間の日程を終了しました。

初日の午後に本降りの雨が降りましたが、今日午前には持ち直し、山階鳥研で行っている「山階鳥研 見にレクチャー」(11/1〜2)、「鳥学講座」(11/1)とも、盛況裡に終了しました。多くの皆さんのご来場大変ありがとうございました。

【時間割掲載!】「山階鳥研 見にレクチャー6」@ジャパン・バード・フェスティバル(11/1-2)においでください!

jbf_2013_mini_lec年に1回、山階鳥研の地元、千葉県我孫子市で開催される、鳥と環境のお祭り「ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)」は今年は、この週末、11/1(土)、11/2(金)です。
山階鳥研では一般の方から見学のご希望が多いことに応えて、今年も、JBF期間中、山階鳥研の講堂で所員が交代でミニレクチャーを行います。スライドによる、研究所紹介や研究紹介です。ご入場には当日配布の整理券が必要です。下記注意事項をお読みいただきご来場ください。皆様のお越しをお待ちしております。
ジャパンバードフェスティバル(JBF)2014
山階鳥研見にレクチャー6
【日時】2014年11月1日(土)9:30〜16:00(最終回入場は15:30)
2014年11月2日(日)9:30〜15:00(最終回入場は14:30)
【場所】山階鳥研講堂
【内容】鳥研所員による研究紹介・研究所紹介
【注意事項】
*各回定員40名、25分での入替制です。(一斉入場、一斉退出)。
*ご入場には整理券が必要です
*整理券は当日分のみを09:20より山階鳥研の玄関で配布します。
*標本・図書資料類の見学や構内全体の見学は行っておりません。
時間割・講演内容の紹介・会場へのアクセス等の詳細はこちらのリンク(イベント情報)をご覧ください。
ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)のサイトはこちらです。
※写真は昨年の「見にレクチャー」のようすです。

【鳥学講座】「恐竜だって、本当は鳥みたいになりたい」(11月1日(土)我孫子)

tyrannosaurus_amnh_2年に1回、ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)にあわせて開催している鳥学講座は、第一線で活躍する研究者が研究の最前線をわかりやすく紹介する催しです。
鳥は恐竜の子孫という説はいろいろと異論もありましたがほぼ定説の位置を占めるようになってきました。また、いろいろな恐竜の体表に羽毛のような構造があったといった研究結果も出てきています。バードウォッチャーと恐竜好きの垣根が一層低くなってきたと言えるでしょう。鳥を観察することは恐竜がどんなだったかを知ることなのかもしれません。恐竜から鳥への進化について、そして、鳥を参考にすると恐竜がどんな体の仕組みで、どんな生活をしていたと考えられるのかを、「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る」の著者の川上和人さんにご紹介いただきます。
多数の皆様のご来聴をお待ちしています。

【第24回鳥学講座】
「恐竜だって、本当は鳥みたいになりたい」

【講師】川上和人(かわかみ・かずと)森林総合研究所主任研究員
【日時】2014年11月1日(土)14時30分〜16時00分(開場 14時15分)
※ ジャパンバードフェスティバル(JBF)2014との同時開催
【場所】アビスタ(我孫子市生涯学習センター) ホール(定員120名、先着順。)
千葉県我孫子市若松26-4
※ JR我孫子駅南口より南へ徒歩10分の手賀沼公園内(JBFアクセスマップ
【参加費】無料(事前の申込みは要りません)
【定員】120名
【主催・問い合わせ】我孫子市鳥の博物館(電話04-7185-2212)
(公財)山階鳥類研究所(広報担当 電話04-7182-1101)
講師プロフィールならびに講演要旨はこちらのリンク(イベント情報)からご覧ください。

絶滅鳥ドードーが君を呼んでいる!〜我孫子市鳥の博物館「山階コレクション展」後期は11月30日までです!

dodo_skeleton_and_skin_replica_3「私はこの会議を解散し、ただちにより効果的な方策を採用することを提案します」(福島正実訳、角川文庫)
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」で、厳格なご隠居然としてこの発言をするドードーに、あなたは会ったことがありますか?
7月12日から、我孫子市鳥の博物館と山階鳥研が、同博物館を会場に開催してきた「山階コレクション展」は、9月2日から11月30日まで後期展示を行っています。
前期からは貴重標本を中心に一部が差し替えとなり、前期のカンムリツクシガモ、ミヤコショウビン、リョコウバト、カロライナインコ等に代わって、後期は、絶滅鳥ドードーの骨と剥製(剥製はレプリカです)、同じく絶滅鳥オオウミガラスの骨が展示中です。また、往年は水鳥の一大生息地であった地元、手賀沼で採集された鳥のなかから、現在は全国的に珍しくなってしまったものとして、まず、いったん日本の野生個体群は絶滅して、現在兵庫県で放鳥が行われているコウノトリの明治時代1884年採集の雌雄の標本、そして現在はごく少数が日本に渡来するにすぎない鳥であるサカツラガンのこれも明治時代の標本が展示されています。
その他の標本や資料もさまざまな差し替えを行っており、前期に劣らぬ充実した展示になっています。前期をご覧になった方も、前期を見逃した方も、ぜひご覧ください。
「山階コレクション展」
【日時】開催中〜11月30日(日)
9:30〜16:30(入場は16:00まで)
※ 毎週月曜日は休館(祝日の場合は開館、直後の平日が休館日)
→ 我孫子市鳥の博物館利用案内
【入場料】無料(博物館の入館料がかかります。)
※ 11月1〜2日のジャパン・バード・フェスティバルの会期中は入館料無料です。
【会場】我孫子市鳥の博物館 我孫子市高野山234-3 電話 04-7185-2212
→ 我孫子市鳥の博物館アクセス
【共催】我孫子市鳥の博物館 ・公益財団法人山階鳥類研究所
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※ 我孫子市鳥の博物館の企画展公式サイトはこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報ページはこちらです

※ 写真上は、鳥類学者蜂須賀正氏(はちすか・まさうじ)旧蔵のドードーの骨と、奥はドードーの剥製(剥製は近年のレプリカです)
※ 写真下は、南半球の海に棲息する最大の海鳥ワタリアホウドリの標本や、オオワシ、マガン、サンカノゴイの翼標本などさまざまな標本が並ぶ展示のようすです。