アホウドリ保護」カテゴリーアーカイブ

7/11(土)から我孫子市鳥の博物館で「アホウドリ展」、連動して、開催初日に、7月のテーマトーク「アホウドリ復活から学ぶこと」を行います。

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今年の夏は、我孫子市鳥の博物館で「アホウドリ展」が開催されます。この企画展では、山階鳥研がこれまで組織的に取り組んできた「鳥島でのデコイ作戦」と「小笠原への再導入作戦」を中心に、アホウドリの保護活動の歴史を紹介します。

第72回鳥の博物館企画展「アホウドリ展-復活への挑戦-」

【期間】2015年7月11日(土)〜 9月6日(日)
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階企画展示室 → 交通案内
【共催】公益財団法人山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館
【料金】無料(入館料がかかります)
【問合せ】電話04-7185-2212(我孫子市鳥の博物館)

この「アホウドリ展」に連動して、山階鳥研の所員が同博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」は、7、8月とアホウドリ2連発です。まず7月は、アホウドリの保護活動に長年携わってきた佐藤文男・研究員がお話しします。

佐藤研究員による内容紹介は次のようです。

「再発見から65年、アホウドリは復活の道を歩み始めました。この間、保護活動は多くの人々の情熱に支えられてきましたが、今も多くの困難な問題を抱えています。解決にはアホウドリのためにという思いを持ち続けることが大事です。近年、鳥類の絶滅危惧種数は増加の一方で、多くの種でその未来は明るくありません。山階鳥類研究所の25年間のアホウドリ保護活動から見える希少種保護について考えて見ます。」

第49回「アホウドリ復活から学ぶこと」

【講師】佐藤文男 山階鳥研保全研究室研究員
【日付】7月11日(土)
【時間】 13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

ぜひお楽しみに!

※ 山階鳥研ウェブサイトの「アホウドリ最新情報」はこちらです。
※ 同じく「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

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鳥島から移送したアホウドリの小笠原での初繁殖が確認されました

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<写真>媒島で確認されたアホウドリのヒナ(2014年5月撮影、東京都提供)

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<写真>上の写真のヒナの親であることが示されたつがい。Y11と刻印のある赤い色脚環を装着した左の個体が、2009年に鳥島から運ばれて人工飼育によって聟島から巣立った個体(2015年2月媒島で撮影、東京都提供)

山階鳥類研究所で伊豆諸島鳥島から小笠原に移送して人工飼育し、巣立ったアホウドリが、繁殖年齢に達して小笠原に戻り、繁殖が成功していたことが確認されました。

小笠原諸島媒島(なこうどじま)は、山階鳥研がアホウドリの再導入のプロジェクトの飼育地としていた聟島(むこじま)からおおむね5kmほど離れた島ですが、昨年5月にアホウドリと思われる巣立ち前のヒナ1羽が観察されていました。今年になって、同じ場所でヒナの親鳥と思われるつがいが観察され、その片方は色足環から山階鳥類研究所で2009年に聟島(むこじま)に移送して人工飼育し、巣立った個体であることが確かめられました。このたびヒナならびに親鳥のDNAを分析した結果、ヒナは、確かにこの移送個体の子であることがわかりました。小笠原へのアホウドリ再導入のプロジェクトによる最初の繁殖確認例となります。

昨日、環境省、東京都と同時で報道発表を行いました。

プレスリリース(3月26日付け)

再導入のプロジェクトは、過去にアホウドリの繁殖地があった小笠原諸島にふたたび繁殖地を作ることを目標にして行ってきたものですが、このための大きな一歩を進めることができました。ご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。引き続きこのプロジェクトにご関心をお寄せいただき、ご支援いただけますようお願いいたします。

※ 山階鳥類研究所「アホウドリ復活への展望」(アホウドリ最新ニュース)はこちらです。

NHK BSプレミアムで「アホウドリ小笠原へ 移住大作戦を追う」が放送されます(4/21、再放送4/28)

s絶滅危惧種アホウドリのいっそう確実な復活のために、山階鳥研が進めてきた、本種の小笠原再導入計画がNHK BSプレミアムで紹介されます。

ワイルドライフ
「よみがえれ!アジアの野生動物 アホウドリ小笠原へ 移住大作戦を追う」
2014年4月21日(月)20:00〜20:59 (BSプレミアム)
2014年4月28日(月)8:00〜8:59(BSプレミアム <再放送>)
予告動画(NHKの自然ポータル)はこちらです。
再導入計画は、歴史上、繁殖していたことがわかっている小笠原群島に、繁殖地を復活させようとするものです。このために2008年から2012年までの5年間に、伊豆諸島鳥島から合計70羽のヒナを小笠原の聟島に移送し、人工飼育によって69羽を巣立たせることに成功しました。巣立ったアホウドリは繁殖年齢が近づいて徐々に聟島に帰還を始めており、2012年11月と2013年11月には1つがいの産卵が確認されています。
NHK BSで今回放送される番組は「アホウドリ移住プロジェクトを中心とする人とアホウドリの関わりをまとめたネイチャードキュメンタリー」「2008年から復活作戦に密着取材してきた成果を集大成し、アホウドリの今がわかる“決定版”」になっているとのことです。ぜひご覧ください。
アホウドリの小笠原再導入は、山階鳥研が、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金、朝日新聞社、キヤノン株式会社ほかの支援を得ておこなっています。
NHK BSプレミアム ワイルドライフ ページ(次回放送の案内)はこちらです。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。
山階鳥研のイベント情報はこちらです。

長谷川博東邦大学教授の退職記念講演会が開催されます(3月8日(土))

albatross02アホウドリの保全に尽力されてきた長谷川博教授の退職記念講演をかねて、希少鳥類の保全研究に焦点を当てたシンポジウムが開催されます。山階鳥研からは尾崎清明副所長がヤンバルクイナについてお話しします。山階鳥研はこの催しを後援しています。

東邦大学理学部野生生物保全研究センター設立記念シンポジウム
「希少鳥類の未来を考える」

【日時】3月8日(土)13:00〜17:15
【会場】東邦大学習志野キャンパス 薬学部C館101号室
→ アクセスはこちらです。
【参加費】無料
【プログラム】
「飛べない鳥、ヤンバルクイナの保全」
尾崎清明(山階鳥類研究所)
「日本に生息するライチョウの現状と保護の展望」
小林篤(東邦大学理学部)
「今タンチョウに起きていること」
百瀬邦和(NPO法人タンチョウ保護研究グループ)
「コウノトリの野生復帰に向けて -”つながり”を運ぶコウノトリ-」
武田弘子((株)野田自然共生ファーム)
(退職記念講演)「アホウドリからオキノタユウへ」
長谷川博(東邦大学理学部)
◆総合討論
【主催】東邦大学 理学部生物学科
【問合せ】東邦大学 地理生態学研究室 電話:047-472-1162 東邦大学
→ 東邦大学のプレスリリースはこちらです
【後援】(公財)山階鳥類研究所ほか
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

昨年11月に産卵された聟島のアホウドリの卵は孵りませんでした

昨年11月9日に小笠原群島聟島でアホウドリの産卵が確認されましたが、孵化予定日の1月12日に山階鳥研の研究員が卵の状態を確認したところ、腐敗していることが判明しましたので、報道発表を行いました。
報道発表資料はこちらです(2014年1月21日)。
昨年11月の産卵についてはこちらをご覧ください。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

今年もアホウドリが産卵しました!〜小笠原群島聟島

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● 今年も聟島でアホウドリが産卵しました!
絶滅危惧種アホウドリの小笠原再導入のため、2008年から2012年まで5年間、伊豆諸島鳥島から合計70羽のヒナを移送し、人工飼育によって69羽の巣立ちに成功していた、小笠原群島聟島(むこじま)で、昨年に引き続き、1卵の産卵が確認されました。
産卵が確認されたのは、昨年とおなじ、2008年に巣立った個体(色足環番号Y01、5歳、雄)と野生個体(足環なし)のつがいです。
山階鳥類研究所とNHKが共同で設置している監視カメラの画像を精査したところ、11月9日の映像でこのつがいの巣内に卵が確認されたものです。
報道発表資料はこちらです(2013年12月13日)。

● これまでの成果が、保全生物学の学術雑誌Oryxに掲載されています
アホウドリの小笠原再導入のこれまでの成果を報告した論文です。こちらのリンクで、英文要旨を読むことができます
Deguchi et al. 2013. Translocation and hand-rearing of the short-tailed albatross Phoebastria albatrus: early indicators of success for species conservation and island restoration. Oryx The International Journal of Conservation.
● 「鳥類保護のモデルケースに – アホウドリ回復プロジェクト」もお読みください
このプロジェクトを進めてきた出口智広研究員による解説を、科学技術振興機構のウェブサイト「サイエンス・ポータル」で読むことができます。こちらから、「鳥類保護のモデルケースに – アホウドリ回復プロジェクト」(2013年1月8日)をぜひお読みください。
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山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

聟島でアホウドリの人工飼育個体とつがいになって産卵したメスは尖閣諸島生まれである可能性が高いことがわかりました

albatross_nhkすでにメディアで報道されており、ご存じの方も多いと思いますが、聟島で回収されたアホウドリの卵の分析結果についてご報告します。
山階鳥類研究所では、絶滅危惧種アホウドリのいっそう確実な復活のため、伊 豆諸島鳥島のアホウドリのヒナを小笠原諸島聟島に移送し、新しい繁殖地を形成 する事業に取り組んでおります。
人工飼育により巣立った個体(オス)と野生個体 (メス)との間に 2012 年 11 月 14 日に初めて産卵があったことや、抱卵されていた卵の発生が進んでいなかったことはすでにご報告していますが、その卵を回収して採取したミトコンドリアDNAを分析した結果、卵を産んだメスが尖閣諸島で生まれた個体の可能性が高いことが示唆されました。
報道発表資料はこちらです(9月12日)
この研究は、北海道大学理学部の泉洋江氏、同大学総合博物館の江田真毅氏との共同研究として、2013年9月14日に日本鳥学会2013年度大会で発表しました。この事業は、環境省、東京都、米国魚類野生生物局、三井物産環境基金、公益信託サントリー世界愛鳥基金ほかの支援をえて山階鳥研が実施しています。
※画像は手前がオス親(Y01)、奥がメス親。オス親の足もとにあるのが1月に回収して今回分析結果が出た初産卵の卵です。
山階鳥類研究所のアホウドリのウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらをご覧ください。

キヤノン株式会社よりアホウドリ調査用撮影機材一式を寄贈いただきました

canon_dentatusiki絶滅危惧種アホウドリの小笠原再導入プロジェクトでは、2008年から5年間にわたり伊豆諸島鳥島から小笠原群島聟島に移送して巣立たせた個体がぞくぞくと聟島に帰還しつつあります。これらの個体は番号つきの色足環を装着していますが、帰還した個体を驚かさずに足環を記録するため超望遠レンズによる撮影が必要です。

この度、キヤノン株式会社よりこのために800ミリ望遠レンズとデジタルカメラ本体を含む撮影機材一式をご寄贈いただけることが決まり、本日山階鳥類研究所で同社の渉外本部CSR推進部の木村純子部長から出口智広研究員に機材一式をお渡しいただきました。

この機材で、アホウドリの帰還状況の把握を進めたいと考えています。ご寄贈大変ありがとうございました。

山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

NHK「ダーウィンが来た!」今度の日曜日は、「小笠原で初産卵!若きアホウドリ夫婦の挑戦」です

nhk_albatross02山階鳥類研究所では、絶滅危惧種アホウドリの小笠原再導入のため、2008年から2012年まで5年間、伊豆諸島鳥島から小笠原諸島聟島(むこじま)に合計70羽のヒナを移送し、人工飼育によって69羽の巣立ちに成功しており、昨年11月には、2008年に人工飼育して巣立ったヒナが別の個体と番いになって、産卵したことが確認されました。

産卵は山階鳥類研究所とNHKが共同で設置している監視カメラによって確認されたものですが、今週末、日曜夜の「ダーウィンが来た!」で、このアホウドリの産卵と、その後何が起こったかが紹介されます。予告動画によれば、「三ヶ月にわたる波瀾万丈のドキュメント」ですのでぜひご覧ください。
ダーウィンが来た!生きもの新伝説
「小笠原で初産卵!若きアホウドリ夫婦の挑戦」
(NHK総合テレビ)
【日時】2013年5月26日(日)19:30〜19:58
<再放送>    6月 1日 (土)17:30~17:58
NHK「ダーウィンが来た!」の番組ページ(予告動画あり)はこちらです。

山階鳥研ブログ「産卵確認!〜アホウドリ再導入を進めている小笠原群島の聟島で」(2012年12月5日)はこちらです。

山階鳥研のプレスリリース(今回の産卵関係は、2012年12月5日、2013年1月15日、1月17日)はこちらです。
山階鳥研のウェブページ「アホウドリ 復活への展望」はこちらです。

台湾の鳥の団体からお客様が見えました

president_cheng_taiwan3月12日、中華民国野鳥学会の程建中理事長が、山階鳥類研究所を訪問されました。中華民国野鳥学会は台湾各地の野鳥の団体の連合体です。
台湾には、過去にアホウドリが棲息していた島があることから、日本でアホウドリの保護を進めている山階鳥類研究所を訪問されたものです。尾崎清明・副所長ほかが対応し、アホウドリの保護について意見交換しました。
※写真の左端から尾崎副所長、佐藤文男研究員、程理事長、当日同行した佐藤真弓さん(バードライフ・インターナショナル・アジア・ディヴィジョン)、茂田良光研究員。
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