3月のテーマトークは「ジオロケータで判明したブッポウソウの越冬地」(3月12日(土))です

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関東地方ではこのところ暖かな日が続いて、今日は我孫子でもシジュウカラが盛んに囀っていましたが、皆さんいかがおすごしでしょうか。

山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は、3月12日(土)の開催です。仲村昇・保全研究室研究員に、ジオロケータという新しい調査機材を使った渡り鳥の調査について紹介してもらいます。

写真のブッポウソウは、以前は樹洞のあるような、古い木立のある森などに初夏に渡来して繁殖していましたが、この30〜40年ほどでしょうか、多くの地域で激減しています。この激減には日本での生息環境の悪化ばかりでなく、東南アジアの越冬地で起こっていることも関与している可能性があり、適切な保護策の立案のためには国外の越冬地や渡りルートの解明が必要です。近年実用化されてきたジオロケータと呼ばれる、日長などを記録する小形の記録器明を使って明らかになった、ブッポウソウの越冬地と、各地のブッポウソウの現状についてご紹介します。

第55回「ジオロケータで判明したブッポウソウの越冬地」
【日程】2016年3月12日(土)
【講師】仲村昇(山階鳥研保全研究室・研究員)
【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内(外部サイト)
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

江戸川区の広報動画で所員が渡り鳥や渡り鳥の調査についてコメントしました

ユリカモメ足環つき東京湾に面した野鳥の生息地である葛西臨海公園を有する江戸川区の広報ビデオに、山階鳥研の所員が出演しコメントしました。

このビデオは、「水とみどり豊かなまちづくりを進めている江戸川区」と、そこに集まるさまざまな種類の鳥たちの姿を紹介するものです。

ビデオに出演したのは平岡考 自然誌研究室専門員・広報主任で、山階鳥研が環境省の委託で全国でおこなっている渡り鳥の調査である鳥類標識調査について解説するとともに、日本列島や東京湾の、渡り鳥の中継地としての役割などについて説明しました。

野鳥の楽園をいつまでも ~自然が息づくまち 江戸川区 ~
平成28年3月1日公開 江戸川区経営企画部広報課 (25分14秒)

※ 鳥類標識調査のあらましについては「渡り鳥と足環」をご覧ください
※ 「鳥類標識調査 仕事の実際と近年の成果」についてはこちらをご覧ください

山階鳥研にミステリーハンターが!「世界ふしぎ発見!」(3/5(土))に山階鳥研所蔵の貴重資料が登場します

sekai_fushigi_hakken04山階鳥研では、インド洋のモーリシャスに生息し約300年以上前に絶滅したと考えられている幻の鳥「ドードー」について、テレビ番組「世界ふしぎ発見!」の取材をうけました。

番組ではドードーを研究した日本人鳥類研究者が収集し、現在は山階鳥研が所蔵する資料が紹介されます。果たしてそこにはどんなミステリーが隠されているのでしょうか?

山階鳥研では鳥類学の研究に役立てるために、7万点の鳥類標本、4万冊の文献資料を所蔵しており、これらを研究に役立つ形で整備するとともに、良好な状態で次世代に引き継げるように保存に努めています。また新たな標本や図書資料収集も引き続き行っています。今回番組で紹介される資料は所蔵資料の中ではかわりだねに属するかもしれませんが、資料収集保管のふんいきの一端も多少ともご覧いただけるかと思います。

放送は下記のとおり今週の土曜日です。ご家族みなさまで是非ご覧ください。

世界ふしぎ発見!(TBS)
インド洋の秘島から大追跡!モーリシャスと日本を結ぶ幻の宝物

【放送時間】2016年3月5日(土)夜9時~
【詳細】番組公式ウェブサイト

※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。

※ 写真は、山階鳥研を訪れたミステリーハンターの都築紗矢香さん(中央)と、取材に対応した鶴見みや古・自然誌研究室長(左)、山崎剛史・自然誌研究室研究員です。

アメリカコアジサシが日本で初めて「鳥類標識調査」で確認されました

アメリカコアジサシ2個体b_webアメリカコアジサシは日本で繁殖するコアジサシに極めてよく似た水鳥で、北アメリカと西インド諸島の砂浜海岸や干潟、内陸の河川で繁殖し、中南米の海岸部で越冬します。

2014年7月に、茂田良光研究員らは茨城県神栖(かみす)市の海岸で、コアジサシの標識調査を実施中、アメリカコアジサシ2羽を捕獲しました。1羽には、2012年7月にアメリカ合衆国ノース・ダコタ州でヒナの時に装着された足環がついていました。

アメリカコアジサシの記録は日本ばかりでなく東アジア全体で初めてで、3月1日に報道発表を行いました。

鳥類標識調査はカスミ網などを使って鳥類を捕獲し、個体識別用の足環を装着して放鳥するもので、鳥類の渡りや寿命などのさまざまな生態を明らかにする目的で実施されており、近年では、鳥類生息状況のモニタリングのためにも活用されています。日本では現在、環境省の委託事業として、山階鳥研が、多くのボランティアの協力を得て実施しています。

本種は近縁のコアジサシに極めてよく似ていることから、野外観察で本種の渡来に気づくことは難しいと考えられ、鳥類標識調査の有効性が示されました。

※ プレスリリースはこちらをご覧ください。
※ 鳥類標識調査については、環境省生物多様性センターのウェブページ「鳥類標識調査」、山階鳥研のウェブページ「渡り鳥と足環」「鳥類標識調査 仕事の実際と近年の成果」をご覧ください。

(写真は神栖市で捕獲されたアメリカコアジサシ。上は、アメリカ合衆国の足環を装着していた個体。下は新たに環境省の足環を装着して放鳥した個体です)

献本ありがとうございます

出版社から紹介の依頼を付して献本いただいた書籍です。ご寄贈大変ありがとうございました。

鳥ってすごいs

樋口広芳(著)
『鳥ってすごい!』ヤマケイ新書YS028. 山と渓谷社, 東京. (2016年3月5日発行. 230ページ+カラー口絵8ページ. 900円+税. ISBN978-4-635-51034-9. ) → 版元ページはこちら

 

野鳥の木の実と庭づくりs
叶内拓哉(著)
『BIRDER SPECIAL 野鳥と木の実と庭づくり〜木の実と楽しむ、バードライフ〜』文一総合出版, 東京. (2016年3月12日発行. 160ページ. 2,400円+税. ISBN978-4-8299-7504-6.) → 版元ページはこちら

山階鳥研所員がバードウオッチング入門のお話をします(2/20(土)我孫子)

メジロとウメ02s寒暖の差が極端な今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか?

今週末の土曜日、我孫子市内で、平岡が「バードウオッチング入門〜入門済みの人はちょっと復習〜」と題してお話しします。

野鳥は色鮮やかで声も美しく、親しみやすい反面、昆虫や植物のように手にとって図鑑と見比べられないなど、入門のハードルが高い側面もあります。当日はまったくの初心者にもわかりやすく、経験者にも興味を持っていただけるようなバードウォッチング紹介ができればよいと思っています。

今回の講演は、2015年6月に我孫子市鳥の博物館で行ったテーマトークの内容を大幅に拡充して再演するものです。

バードウォッチングが始めてみたいけどどんな感じなのだろうという方、庭に来る鳥をときどき見てますという方、お友達に誘われてちょっとやってみてるけど、なかなか鳥の名前がわからなくて、という方もぜひどうぞ。

講演会「バードウオッチング入門〜入門済みの人はちょっと復習〜」
【日時】2016年2月20日(土)14:00〜16:00
【場所】手賀沼親水広場・水の館3階研修室(千葉県我孫子市高野山新田193)
JR我孫子駅から阪東バス(「市役所経由」のもの →時刻表)で「市役所」下車。徒歩7〜8分。
→ Google map
【講師】平岡考(山階鳥研自然誌研究室・専門員)
【定員】150人(事前申込不要・参加費無料)
【主催】我孫子野鳥を守る会我孫子市鳥の博物館友の会
【後援】我孫子市、我孫子市教育委員会

※ 我孫子市役所ウェブサイトでの告知はこちらです。
※ 山階鳥研のイベント情報はこちらです。

2月のテーマトークは「鳥に乗ってちゃっかり移動?―マダニの大旅行―」(2月13日(土))です

ハシボソミズナギドリlevel_adj_f_blog山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館でトークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、今月は、2月13日(土)の開催です。鶴見みや古・自然誌研究室長・専門員に、鳥の体に乗っかって大旅行(?)した虫について話してもらいます。

ハシボソミズナギドリは南半球で繁殖し、春から初夏には日本沿岸を通過してゆく海鳥です(画像はこのハシボソミズナギドリの研究用の「仮剥製」です)。この鳥は、繁殖期以外は陸地に降りることなく海上で暮らしているのですが、ある日、日本の海辺に打ちあげられたこの鳥の体に、生きた小さな「マダニ」がついていました。繁殖地を旅立ってから、ずっと海上にいたはずの鳥の体に、なぜ生きたマダニがついていたのか。飛ぶことのできないダニが鳥を乗り物として利用したのでしょうか。「外部寄生虫」を研究している鶴見専門員と一緒に考えてみませんか。

第54回「鳥に乗ってちゃっかり移動?ーマダニの大旅行ー」
【日程】2016年2月13日(土)
【講師】鶴見みや古(山階鳥研自然誌研究室長・専門員)

【時間】13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール
→ 交通案内
【参加費】無料(入館料が必要です)
【定員】先着50名
【主催・問い合わせ先】
山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)

※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

福島の動物の現状について考えるシンポジウム(2月11日(木・祝)、東京)に研究員が講演します

ツバメ_8304改_f_blog原発事故後の福島の動物たちの現状を考えるシンポジウムで、自然誌研究室の岩見恭子研究員が2011年のツバメの巣のセシウム濃度にかんするお話をします。山階鳥研はこの催しを後援しています。

シンポジウム「「生きものの記録」福島の再生と未来に向けて」
東日本大震災・福島原発事故から5年 長期低レベル放射線の影響を考える

【日時】2016年2月11日(木・祝)13:00~17:00(開場12:00)
【懇親会】17:00~
【会場】東京大学農学部 弥生講堂(文京区弥生1-1-1)
【入場料】無料(当日参加可)
【岩見恭子研究員講演】「福島第一原子力発電所事故によるツバメの巣の放射性セシウム汚染状況」
【主催】特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会
【共催】一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会
【後援】公益財団法人 山階鳥類研究所
【申込・問合せ】動物愛護社会化推進協会ウェブサイト 参加申込書・プログラム案内

山階鳥類研究所の、東日本大震災関連の活動を紹介するページはこちらです。
山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

研究者の海外渡航を助成します〜山階武彦助成事業〜

山階鳥類研究所では、「山階武彦助成事業」として、研究者の海外渡航を助成しています。野生鳥獣の保護に関する学術の振興に資する国際会議に出席し発表を行う者あるいは野生鳥獣の保護に関する学術調査を行う者に対し、30万円(上限)の助成を行います。
現在、来年度の応募を受け付けています。

助成対象期間:平成28年4月1日〜平成29年3月31日
応募期間:(募集中)〜平成28年2月15日

募集要綱の詳細はこちらをご覧ください。

助成金のあらましと助成実績はこちらをご覧ください。

助成を受けた方の中から執筆をお願いした活動レポートはこちらです。

多数のご応募をお待ちしています。