標識調査講習会を実施しました

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12月14日から16日までの日程で、鳥類標識調査の従事者(バンダー)になるための講義講習会を山階鳥類研究所で実施しました。鳥類標識調査は、鳥類の移動や寿命などを番号つきの足環を使って調べる調査で、山階鳥研が環境省の委託を受けて実施しています。

今回参加したのは、北海道、関東、北陸、近畿、中国、沖縄からの合計7名と、中部から参加したすでに資格のある聴講バンダー1名です。講習生は、資格のあるバンダーのもとで一定のトレーニングを積んだ上で、山階鳥研の職員の野外調査に参加して実技講習を受けて今回の講義講習会に臨んだもので、標識調査に必要な知識や技術、関連法規などの講義を受けています。

現在、全国で約450名が調査に従事しており、年間約15万羽が標識放鳥(捕獲し足環をつけて放すこと)されています。

標識調査のあらまし(「渡り鳥と足環」)はこちらをご覧ください。

※ 画像は研究用の仮剥製標本での実習のようすです。

12月のテーマトークは「絶海の孤島で生きるモズの子育て戦略」(12月13日(土))です

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山階鳥類研究所の所員が我孫子市鳥の博物館で出前トークをする、第2土曜日恒例の「テーマトーク」、11月はJBF(ジャパンバードフェスティバル)があるためお休みをいただきましたが、12月からまた毎月開催となります。12月は今週末、12月13日の開催です。保全研究室の千田万里子専門員に、鳥の外部寄生虫について話してもらいます。

この秋も山階鳥研のある手賀沼周辺でもモズの髙鳴きが聞かれましたが、だんだんと静かになってくるようです。髙鳴きをしなくなると、意外と観察機会の少ない種かもしれません。千田専門員は、沖縄の絶海の孤島、南大東島でモズの繁殖について研究してきました。普段は目にすることが難しい子育ての様子や、観察から明らかになったことを紹介してもらいます。

多数の皆様のご来聴をお待ちしています。

 第42回「絶海の孤島で生きるモズの子育て戦略」

  • 【講師】千田万里子 山階鳥研 保全研究室専門員
  • 【日付】12月13日(土)
  • 【時間】 13時30分~ ※30分のテーマトーク終了後、質疑応答の時間あり
  • 【場所】我孫子市鳥の博物館 2階多目的ホール → 交通案内
  • 【参加費】無料(入館料が必要です)
  • 【定員】各回とも先着50名
  • 【主催・問い合わせ先】
  • 山階鳥類研究所(TEL. 04-7182-1101)、我孫子市鳥の博物館(TEL. 04-7185-2212)
    ※ 山階鳥類研究所のイベント情報はこちらです。

山階鳥研広報ブログを移設しました。

日頃から「山階鳥研広報ブログ」をご覧いただき大変ありがとうございます。

旧ブログを置いていたプロバイダの都合により、ブログサービスが11月末をもって終了しました。それに伴い「山階鳥研広報ブログ」を新しいアドレスに移行し、ご覧のページで運用を開始しました。

新しい「山階鳥研広報ブログ」

https://yamashina.or.jp/blog/

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スウェーデンから鳥類研究者が来所しました

svensson_seminarスズメ目の鳥の種の識別と年齢・性別の査定をする際のマニュアル「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」の著者である、スウェーデンのラーシュ・スベンソンさんが11月17日、山階鳥研を訪れました。

「スズメ目」はウグイス科、ホオジロ科など、小鳥類のグループです。「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」には日本との共通種も多数掲載されており、英文の原書のうちから、鳥を手にとって仕事をするバンダー(鳥類標識調査の従事者)や博物館学芸員の必須文献でしたが、2011年に山階鳥研の尾崎清明副所長、茂田良光研究員の監訳、協力調査員の村田健さんの翻訳で、邦訳書が出版されました。

今回の訪日は、11月15・16日に新潟市で開催された日本鳥類標識協会のシンポジウムでの講演のために実現したもので、スベンソンさんは、山階鳥研でも、研究用の仮剥製標本を用いた年齢と性別の査定の研究についてセミナーを行ったほか、短い滞在時間を惜しむように、山階鳥研の所蔵標本の計測などを行いました。

鳥類標識調査は、番号付きの足環を捕獲した鳥の足に装着して放すなどの方法で、鳥類の移動や寿命を知ることをはじめいくつかの目的のために行われています。寿命を知るためには最初に捕獲したときの年齢が正確に記録できるのが大切なのはもちろんのこと、移動についても、年齢や性別によって時期や距離が異なる例があることが知られており、捕獲時に正確な年齢と性別を判定できることが、調査結果の精度向上のためにきわめて大切です。

※ 「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」についてはこちらをご覧ください。

※ 鳥類標識調査については「渡り鳥と足環」をご覧ください。

※ 写真は講演するスベンソンさん。

 

ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)に多数のご来場ありがとうございました。

odammaku今年のジャパンバードフェスティバルは、本日で2日間の日程を終了しました。

初日の午後に本降りの雨が降りましたが、今日午前には持ち直し、山階鳥研で行っている「山階鳥研 見にレクチャー」(11/1〜2)、「鳥学講座」(11/1)とも、盛況裡に終了しました。多くの皆さんのご来場大変ありがとうございました。

【時間割掲載!】「山階鳥研 見にレクチャー6」@ジャパン・バード・フェスティバル(11/1-2)においでください!

jbf_2013_mini_lec年に1回、山階鳥研の地元、千葉県我孫子市で開催される、鳥と環境のお祭り「ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)」は今年は、この週末、11/1(土)、11/2(金)です。
山階鳥研では一般の方から見学のご希望が多いことに応えて、今年も、JBF期間中、山階鳥研の講堂で所員が交代でミニレクチャーを行います。スライドによる、研究所紹介や研究紹介です。ご入場には当日配布の整理券が必要です。下記注意事項をお読みいただきご来場ください。皆様のお越しをお待ちしております。
ジャパンバードフェスティバル(JBF)2014
山階鳥研見にレクチャー6
【日時】2014年11月1日(土)9:30〜16:00(最終回入場は15:30)
2014年11月2日(日)9:30〜15:00(最終回入場は14:30)
【場所】山階鳥研講堂
【内容】鳥研所員による研究紹介・研究所紹介
【注意事項】
*各回定員40名、25分での入替制です。(一斉入場、一斉退出)。
*ご入場には整理券が必要です
*整理券は当日分のみを09:20より山階鳥研の玄関で配布します。
*標本・図書資料類の見学や構内全体の見学は行っておりません。
時間割・講演内容の紹介・会場へのアクセス等の詳細はこちらのリンク(イベント情報)をご覧ください。
ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)のサイトはこちらです。
※写真は昨年の「見にレクチャー」のようすです。

【鳥学講座】「恐竜だって、本当は鳥みたいになりたい」(11月1日(土)我孫子)

tyrannosaurus_amnh_2年に1回、ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)にあわせて開催している鳥学講座は、第一線で活躍する研究者が研究の最前線をわかりやすく紹介する催しです。
鳥は恐竜の子孫という説はいろいろと異論もありましたがほぼ定説の位置を占めるようになってきました。また、いろいろな恐竜の体表に羽毛のような構造があったといった研究結果も出てきています。バードウォッチャーと恐竜好きの垣根が一層低くなってきたと言えるでしょう。鳥を観察することは恐竜がどんなだったかを知ることなのかもしれません。恐竜から鳥への進化について、そして、鳥を参考にすると恐竜がどんな体の仕組みで、どんな生活をしていたと考えられるのかを、「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る」の著者の川上和人さんにご紹介いただきます。
多数の皆様のご来聴をお待ちしています。

【第24回鳥学講座】
「恐竜だって、本当は鳥みたいになりたい」

【講師】川上和人(かわかみ・かずと)森林総合研究所主任研究員
【日時】2014年11月1日(土)14時30分〜16時00分(開場 14時15分)
※ ジャパンバードフェスティバル(JBF)2014との同時開催
【場所】アビスタ(我孫子市生涯学習センター) ホール(定員120名、先着順。)
千葉県我孫子市若松26-4
※ JR我孫子駅南口より南へ徒歩10分の手賀沼公園内(JBFアクセスマップ
【参加費】無料(事前の申込みは要りません)
【定員】120名
【主催・問い合わせ】我孫子市鳥の博物館(電話04-7185-2212)
(公財)山階鳥類研究所(広報担当 電話04-7182-1101)
講師プロフィールならびに講演要旨はこちらのリンク(イベント情報)からご覧ください。

絶滅鳥ドードーが君を呼んでいる!〜我孫子市鳥の博物館「山階コレクション展」後期は11月30日までです!

dodo_skeleton_and_skin_replica_3「私はこの会議を解散し、ただちにより効果的な方策を採用することを提案します」(福島正実訳、角川文庫)
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」で、厳格なご隠居然としてこの発言をするドードーに、あなたは会ったことがありますか?
7月12日から、我孫子市鳥の博物館と山階鳥研が、同博物館を会場に開催してきた「山階コレクション展」は、9月2日から11月30日まで後期展示を行っています。
前期からは貴重標本を中心に一部が差し替えとなり、前期のカンムリツクシガモ、ミヤコショウビン、リョコウバト、カロライナインコ等に代わって、後期は、絶滅鳥ドードーの骨と剥製(剥製はレプリカです)、同じく絶滅鳥オオウミガラスの骨が展示中です。また、往年は水鳥の一大生息地であった地元、手賀沼で採集された鳥のなかから、現在は全国的に珍しくなってしまったものとして、まず、いったん日本の野生個体群は絶滅して、現在兵庫県で放鳥が行われているコウノトリの明治時代1884年採集の雌雄の標本、そして現在はごく少数が日本に渡来するにすぎない鳥であるサカツラガンのこれも明治時代の標本が展示されています。
その他の標本や資料もさまざまな差し替えを行っており、前期に劣らぬ充実した展示になっています。前期をご覧になった方も、前期を見逃した方も、ぜひご覧ください。
「山階コレクション展」
【日時】開催中〜11月30日(日)
9:30〜16:30(入場は16:00まで)
※ 毎週月曜日は休館(祝日の場合は開館、直後の平日が休館日)
→ 我孫子市鳥の博物館利用案内
【入場料】無料(博物館の入館料がかかります。)
※ 11月1〜2日のジャパン・バード・フェスティバルの会期中は入館料無料です。
【会場】我孫子市鳥の博物館 我孫子市高野山234-3 電話 04-7185-2212
→ 我孫子市鳥の博物館アクセス
【共催】我孫子市鳥の博物館 ・公益財団法人山階鳥類研究所
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※ 我孫子市鳥の博物館の企画展公式サイトはこちらです
※ 山階鳥研のイベント情報ページはこちらです

※ 写真上は、鳥類学者蜂須賀正氏(はちすか・まさうじ)旧蔵のドードーの骨と、奥はドードーの剥製(剥製は近年のレプリカです)
※ 写真下は、南半球の海に棲息する最大の海鳥ワタリアホウドリの標本や、オオワシ、マガン、サンカノゴイの翼標本などさまざまな標本が並ぶ展示のようすです。

献本ありがとうございます

出版社や著者から紹介の依頼を付して献本いただいた書籍です。ご寄贈大変ありがとうございました。
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book_japanese_birds樋口広芳(著)『日本の鳥の世界』平凡社, 東京. (2014年8月20日発行、152頁、3,000円+税、ISBN 978-4-582-52735-3) → 版元ページはこちら

book_amerika_shizennshisou柴﨑文一(著)『アメリカ自然保護思想の源流 フロントカントリーとバックカントリー』明治大学出版会, 東京. 2014年10月10日発行、vii+286+xxi頁・カラープレート2頁、3,000円+税、ISBN 978-4-906811-11-3) →版元ページはこちら